英会話で出てきたので、そう言えば読んでいなかったと思い手にしました。
ヤナーチェクの作品にもドストエフスキーの『死の家の記録』を元にしたオペラがあります。
罪と罰は、英語だとCrime and Punishment。
ドストエフスキーが、借金まみれで普通なら気が狂いそうな状況で1年の連載という形で書き上げたのが、この罪と罰。
ちなみに死の家は、シベリアの刑務所に投獄されている間の経験がベースになっています。
罪と罰の内容は、ラスコーリニコフが、小さな罪は100の善行で償われる、という妄執に従って、強欲な高利貸しの老婆を殺害し、奪ったお金で世に役立てようとするも、殺害の現場に、老婆の妹まで殺してしまい、その罪の意識に苛まれ続けるも、娼婦のソーニャに救われて自首する、というもの。
最初から犯人が分かっている推理小説のような展開は、刑事コロンボの構成に似ており、実際にコロンボの脚本を担当したウィリアム・リンクは、罪と罰の老婆殺しをつい追求する判事ポルフィーリィをモデルにしていると発言しています(※1)。
なかなか長い小説ですので、読了より機微の流れを楽しむように読むと気が楽かも。
それにしても、翻訳者の工藤精一郎氏による解説で知ることができたが、しっちゃかめっちゃかな人生ですね、フョードル・ドストエフスキーさん。こんな人生は嫌だ。
大田 2020年79冊目(通算439冊)
※1:罪と罰 on Wikipedia