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「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義
シェリー・ケーガン、柴田裕之

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  • ジャンル:
    自然科学・哲学
  • 読了時間:
    1.5時間
  • 形態:
    Kindle
  • 読んだ人:
    大田忍
  • 評価:
    勧めない

自叙伝でもないのに
「私が」「私は」が多出する本には警戒したい

今年14冊は、『サピエンス全史』と同じ、柴田裕之氏の翻訳による、
シェリー・ケーガンのDeath。

ユヴァル・ノア・ハラリ氏の『ホモデウス』を読んで以降、個人的にも社会的にも「死」について一度徹底して考えておきたいとは思っていたので、良い機会とばかり手に取りました。

が、苦手でした。

内容というよりも著者が。

同じように苦手だった本は、板倉雄一郎氏の『社長失格』、スコット・ギャロウェイの『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界 』で、何が共通しているのかというと「質の悪い悪いエゴ」とわたしが名付けるものが通底している(ように感じる)ところです。

表紙からも達観した哲学者然とした様相から、伺い知れなかったのですが、どうにも文の後ろに「私を観て!」的なエゴを感じて、具合が悪い。

翻訳によるのか、原文によるのか

「シェリー先生の考え」と題する章が多出する。自分で自分をユーモアを感じさせることなく「先生」と自認する、その狙いが何か、わからない。

死に対する項目や切り口は、興味深くはある……

のだけれど、どれをとっても冗長で、それは自ら考えることを促しているのかもしれないが、かと言って冗長なものは冗長なままである。

そういったわけで、
死について考えるには、
少なくともわたしにとってこの本は、
感情がざわついてしまうために
適していないようです。

Amazonの書評で、
「肝心の形而上学的な考察部分がまるまる端折られているのは、いかがなものか」という批判が多くされている。確かに、翻訳本として出版していて、手にしてみると「実は、原書の前半部分カットしているんですよー」ってのは、詐欺みたいなものでしょう。しかし冗長な著書なので、個人的には「もう形而上学的部分なんてなくたって別にいいや」という気になって、問題に感じない。

イェール大学で23年も人気講義だとあるので、イェール大学卒の方に会う機会があれば、ちょっと直接、この講義について尋ねてみたい。

本当か?と。

 

 

 

(2019/01/29)