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LIFE DESIGN―スタンフォード式 最高の人生設計
ビル バーネット/Bill Burnett (著), デイヴ エヴァンス/ Dave Evans (著), 千葉 敏生 (翻訳)

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  • ジャンル:
    小説・詩・エッセイ
  • 読了時間:
    30分
  • 形態:
  • 読んだ人:
    大田忍
  • 評価:
    オススメ

答えは複数あるし
挑戦は何度でもして良い

まず最初に、
デザイン思考って何?
っていうかよく耳にしすぎて
閉口気味

という気配について。

ペンダグラム、という有名な
デザイン会社のパートナーでもある
グラフィックデザイナー、
ナターシャ・ジェン

「デザイン思考なんてクソだ」

という説を唱えて話題になっています。※

ウェブマガジン、AXISの記事より

彼女の説は、
正直、あまりよくわからない。
要約するとたぶんこうなる。

•デザイン思考と称するその画一的な思考方法で
どんな問題でも解決するのか?(しないんじゃない?)

•そもそも広く伝わっているデザイン思考が
本来のデザイナーの思考と合致しない。

•デザイン思考なるものの成果がない。

どれもそんなに反論はないのだけれど、
今ひとつ、腹落ちしてこない。

それはこの説が
すくなくとも記事からは
まず「デザイン思考」の定義を
きっちりしていないからだろう。

それでも
なんでも方法論にして
わかりやすくした途端に
ボロがでてしまう、という
ことが多い、という
気配はここから嗅ぎ取っても
いいのではないか、と強く思う。

さて、件の本、
「ライフデザイン」だが、
これは原題が
Designing Your Lifeです。

こっちのほうがずっと
主旨を反映しています。

なぜならば本書の中にもありますが、
この思想は動詞的だからです。

すごく簡単に
この本から何が得られるのかだけ
ご紹介したいと思います。

それは、
「ただ一つの最良解だけを1回の挑戦で
見つけなければならない(つまり失敗してはいけない)
わけじゃない。すくなくともあなたの人生については」

という視点を獲得できるということです。

この視点を身に着け
活用するには5つのファクターがあります。

それは、

  1. 好奇心
  2. 行動主義
  3. 視点の転換
  4. プロセスの認識
  5. コラボレーション

です。

コラボレーションについては
水野学さんの最新の著書、
『段取りの教科書』にも同じことが
書かれています。

好奇心は、もう
多くの本に書かれていますが
とても大事です。

今日は10月29日で
ことしもあと64日なのですが
その事実に「もう!はや!」
となる人が多いと思います。

感動が少ないと
1年がはやいのだそうです。

毎日、こどものように
感動していれば、
1年は、こんなに速くならないはずです。
そのためにも好奇心はとても重要です。

その他のことも
大変おもしろいファクターです。

デザイナーの思考が、
収束的思考ではなく発散的思考だというのですが
その是非はともかく、
ひとつのデザインを完成させる間にある
無数のトライアルが存在していること
そして解答はひとつではないということ
その思想を人生に対して当てはめてみるのは
やはり有益だと思います。

ただし、
すべてを解決するものではない、
その画一性(疑いと想像力の遺棄)には
警戒すべきでしょう。

ナターシャさんの言説は
なんとなく読んでおいてほうが
良いでしょう。

僕の友人の口癖があって
それがつまるところ
要かもしれません。

「臨機応変に」

多くを学び、
すべてを疑う。

そういえば
今年2018年に
ノーベル医学生理学賞を受賞した
本庶佑さんの座右の銘として
好奇心簡単には信じないこと
という意味のことを挙げていました。
(朝日新聞だったかなーたしか)

そんなわけで
この本を一度読むことは
依然として
(ナターシャさんの記事を読んでなお)
オススメします。

 

 

 

(2018/10/29)