Textureとは「手触り」という意味と「素材感」という意味の両方で定義されている編集のされ方。
グラフィックデザイナーやクリエイティブディレクターが、クライアントに説明するのにときどき苦戦する「手触り感」の重要性が、なんとなく伺いしれるので、メーカー側もまたざっと目を通していただきたいなーなんて思う内容でした。というのも格安の紙と(チラシやポスターなら、コート紙)手触りが良い紙(ファンシーペーパーと呼ばれるものが多い)は、価格が数倍以上に異なってくる。数枚ならまだしも量が多くなれば、当然原価に大きく影響を及ぼします。そして格安の紙と手触りが良い紙の差をクリティカル?という説得できるかたちで説明するのが難しいんです。
カルティエがコート紙使わないのは、それがブランドを下げるからなんですが、それに疑問を持たない方に、その理由を説明するのはとてもむずかしい。ご飯なんて食べられた良いという人に、1回で、ファストフードの100倍する料理のその価格差の理由を説明するのが難しいように。そしてそれがロジックとして正しくても、それを相手が聞きたいかどうかと言えば、ほとんど聞きたくない長広舌になる。
だからクライアントとは、ブランドを作っていくときに、敵対するのではなくって、ともにブランドを高める同志だという意識を共有することが大事なんだよなぁと。互いの専門性を尊重しながらも批判しえあるのが望ましい関係だなぁと思いました。本に触発される形で。
なんて課題に思いをはせる結果になりましたが、手触りの大切さをなんとなく思い出しました。2010年と10年前の本なのでアマゾン上には中古もなく。とはいえ、勧めないというわけでもないです。
大田 2020年 冊目(通算冊)