タイトルどおり、欧文組版の基本書で、あとがきでは「欧州のデザイナーなら本棚に必ず1冊はある」と謳われているし、実際にそういう内容です。
日本の活版印刷所、嘉瑞工房の高岡昌生氏による『欧文組版』も欧文組版の基礎知識を学べる良書だが、それに比べて、フォーカスの範囲が狭く、まさに“detail”な内容に感じます。
シニカルな話だけれど、いくぶん「読みににくい」。ヨースト・ホフリ氏が、日本語版のレイアウトも監修した(のかな、たしか)ためか。
どうしても欧文組版的に日本語を組むとキャプションなど小さめの文字が小さくなりすぎる傾向があるように感じる。
欧文組版的、またはヨゼフ ミューラー=ブロックマンのグリッドシステムに則ったデザインをする白井敬尚氏のデザインは好きなのだけれど。
欧文をさらっと扱うことのある方(多国展開している企業の広報担当者や経営陣)も
こちらではなく、高岡昌生氏の『欧文組版』のほうが、欧文の基礎知識を学ぶには、よりふさわしいと思います。
この本ほどマニアックではなくても良いでしょうから。
ただし、グラフィックデザイナーで欧文を扱うなら、この本に精通しているかどうか、はちょっと小さくも重大な差に関わってくると思います。