本をよく読む人にも、
これから何か読もうかなという方にもおすすめします。
三省堂の高校の現代文の教科書。
教科書というと、旧態依然とした、受験のための面白みのない受験用の編纂書、
というイメージを抱きがちではないかと思うのですが、
手にとって見ると宝物のようなアンソロジーです。
現代から近代までの作家に加え、
脳科学者の茂木健一郎、
広告企画から始まり今は映像作家である「だんご3兄弟」の佐藤雅彦、
グラフィックデザイナーの原研哉、
さくらももこに詩人の吉原幸子など、
実にバラエティに富む方々の良質な文章をコンパイルしています。
それも気軽な短さにして。
これ一冊、読んでおけば、
自分がどんなジャンルの何を読みたいのか、
すぐに見つけることができるのではないでしょうか。
大人にこそ、うってつけの「本のコンシェルジュ」
のような良書です。
明解国語辞典の三省堂らしいのか、は
他の教科書と読み比べてみないとわかりませんが、
どちらかといえば、バリバリリベラルな編集に思えます。
アヴァンギャルドです。
載っている著者の一覧:
角田光代、内山節、川上弘美、大崎善生、長谷川眞理子、松沢哲郎、中原中也、荒川和江、入沢康夫、佐藤雅彦、酒井順子、井上ひさし、う内海隆一郎、原研哉、竹田青嗣、夏目漱石、さくらももこ、小川洋子、井伏鱒二、恩田陸、渡部潤一、岩井克人、吉原幸子、宮沢賢治、茂木健一郎、別役実、中島敦、吉村昭、鷲田清一、加藤周一、半藤一利
ちなみに三省堂の社名は、
『論語』の学而(がくじ)の
「吾日三省吾身」
(吾れ 日に三たび 吾が身を 省みる)
の一節より。