机上ではなく実際の経営改善を当たり前のように重視してきた中川政七商店の中川淳氏と「COEDO」などのデザインを手掛けてきたブランディングデザインを掲げた、エイトブランディングデザインの西澤明洋との共著。
共著ってところが悪い予感をさせるとおり、一冊の本として纏まりは悪く、事例紹介、それからおのおのの方法論の紹介となっていて、「経営」と「デザイン」をつなげる1思想というものが得られる感は少ない。が故に、ネット上の評判は良くないものも多いのですが、
そこは自分でやれば?
と考えると得るものが非常に多い、生の声を得られます。
ブランディングというものは、当事者が語れば、一事例に過ぎないし、コンサルタントの目線だと机上論がすぎる。経営者目線だとデザインの知識不足が目立つ。だからこそなんですが、
だったらどうしたらいいのか?
ということに取り組んできている両者です。デザインの良し悪し、本の完成度なんかより、彼らが実践してきたことから得るものは、とても多い。わたしとしては、こういう狙いの本を作りたいと思い続けてきていたので、それも含めてとても良い参考書でした。
大田 2020年 57冊目