すごく強くおすすめするけれど、人に依るしなぁと思って「オススメ」に留めるけれど
ざっと読んでおいて損はない
わたしが、まいどまいど「パセティック」だと言ってしまいがちの橘玲氏の著書だが、本書は、けっこう空気が軽い。
内容は、前著「臆病者のための株入門」より、広いテーマ(株に限らない資産運用)を取り扱っています。
橘玲さんのすごいところは、徹底して調べて、自分で結論を出しているところで、
これはとても真似したい。誰か信用できそうな人が言っていることを真に受けるフェーズからの脱出には、とても良い刺激と追い風を提供してくれる気がします。
というのも、反論も同意も「疑念を挟むなら、自分で調べて、論拠を見せてみ」とスクリーニングをくぐらないといけない心持ちになるからだ。
はい、調べます。研究します。とお答えするか、彼から離れるか、しかない。
彼の他の著書にも共通して、なんとなくわたしはパセティックなバイアスを感じるのだけれど、
それを口にするには、わたしも論拠をちゃんと作らなくてはいけない。それが良い。
直感は大切なのだけれど、
知識の乏しい人の直感はだいたい間違う。
知識の豊富な人の直感が良さそう。
だから、もうほんと知識の収集が大事。
どうじに知識だけじゃなくって危険な場所に行くもの大事な気がしています。
生きるのに必要なものはなにか?というスクリーニングが、蓄えた知識を奮って精査してくれるから。
さて、閑話休題と、橘玲氏のこの著書に戻りますが、
パセティックとか言いつつ健全です。
年金の心配するなら、自分でなんとかすれば?
そんなに難しくないよ。という解決策をけっこうはっきりと提示してくれます。
ただし、それは簡単であるが、簡単ではない。
なぜなら、「自分で考えて、自分で作る」ことが要するから。
現代に生きるわたしたちは、選択肢を用意してもらって、指示をもらって、生きることに慣れまくっている。
それが難しい理由。
彼が提示する解決策に、寄り添うなら
失敗をしても良いマインドセットを持ち合わせている必要があります。
まさにキャロル・ドゥエックさんの著書がそれにはうってつけなので、おすすめします。
お金には正視して取り組んだほうが良い気がします。
しかしお金の様相は、これから大きく変わりそうな気配もあります。
健全になるかどうかはわかりませんが、世界が正しくあろうがなかろうが、
それを見極めて、健全に生きる、ってことが大事で、それって遺伝子に盲従しないで
自分で工夫しないと幸せにはなりにくい、って構造と似ています。
(大田 2019年91冊目)