トルストイを気軽に読むのにうってつけと考えての民話短編集。
「イワンのばか」など。
これらの民話は、トルストイのキリスト教よりの倫理・思想を市井に広めようとしてかかれたようです。
あからさまに教訓めているし(民話とはだいたいそういうものか)、なるほど共和主義、社会主義の礎の一部を形成するような向きもあります。
それでも、しかしかなり「癒やし」になります。
読書は、ストレスを下げる効果がありますが、古典などはそれに向いていて、時代の洗礼を受けた作品は、読んでいて気持ちがいいです。
しかし、『イワンのばか』が説くように「頭で稼ぐこと」が望まれないことで、「手にタコをつくるように働く」ことが礼賛されるのって、たぶんこれから先さらに間違った思想に思います。
なぜなら、AIがかわりにやってくれるもの。
大田 2020年202冊目(通算559冊)