吉行淳之介を知りたくて
そしてなんとなく知る
名こそ知れど、
まだ読んだことがなくて
その歯がゆさを解消したくて
読みました、吉行淳之介のエッセイ集。
阿川弘之のエッセイにも
村上春樹のエッセイにも
その名が出てくる、
「優男」「モテる」「病弱」
「金がない」「あってもすぐに遣う」作家として
イコン化している吉行淳之介。
予想通りの内容だけれど
おもしろい。
金がないのに金を貸したりする。
女の人は好きだけれど、
下品ではない。
ずっとユーモアの気配が
漂っているし、ペーソスも
ポッケにちょこっと忍ばせている。
現代に読むと
いくぶん男女の扱いに
難が発生しそうな部分もあるし
共感できないところだってあるけれど
(そのへん、池波正太郎のほうが
なぜか異議がわかない)
おもしろい。
男性が仕事帰りに
居酒屋やバーで
ひとりでちょっと読んで
帰宅する
なんてのが
ぴったりな気がします。
女性が読むのも
おもしろいでしょう。
「彼を知り己を知れば百戦殆うからず」
というくらいですから。