今年12冊目は、ブランディング本。
「ブランド」という無形の資産を、いかに具体的に取り扱うか、ということが学べるマーケティング寄りの本。
著者のデイヴィッド・アーカー氏は、カルフォルニア大学バークレー校ハース・ビジネススクールの名誉教授であり、電通の顧問でもある。
MITを卒業し、スタンフォードで統計学修士号、経営学博士号を取得。エリート。
この本以外に、「ブランド論」、「ブランド・ポートフォリオ戦略」「ブランド優位の戦略」なども出版している。(ダイヤモンド社)
91年に出版されていて、手にした本は20刷目。27年生き延びている本なので、まあ一度目を通す必要は感じます。
冒頭にもあるのですが、この本の目的は4つ。
1 ブランド・エクイティの定義
2 事例を紹介してブランド・エクイティの理解を促す
3 このブランド・エクイティをどのように管理すべきか
4 正視すべき問題
基礎知識としてあたまに要所要所を叩き込む系の本であり、
実践的というよりは、机上理論的な気配を感じます。
乱暴な考えですが、スティーブ・ジョブズがこれらの知識を参照して
アップル社への復帰後のブランディングを行ってきたかと想像してみると
そうでもないんじゃないかな
と感じる、ということが言いたい。
アップルに限らないけれど、
「ブランド」というものは「発生」は
もう少し「価値観を伴ったミッション」ドリブンによるんじゃないかと
思います。
それを、そとから分析すると
この本のようになるのではないかと。
発生源はシンプルでも
アウトプットとインタラクションは複雑になる。
とくに後者。
それでも、勉強している気になるので
その点は読んでいていて楽しかったです。
読後感も
「ここに書いていることをちゃんと覚えていないとどこかで恥をかきそうだし、
知っていて当然って気配には頻繁に出会いそう。こわいこわい」
というものでした。
知識ってときに怖い。
ちなみにヴァニティ(虚栄心:著者のわたし、すごいでしょアピール)は
ないので、読みやすいです。
一方「GAFA」のスコット・ギャロウェイなど(※)ヴァニティまみれで読みづらい。
※など:これ以外は、「死とは」のシェリー・ケーガンなど。