弊社でデザインを担当している数学問題集にも執筆されている著者、小島寛之氏の渾身の文庫本。
小島さんの文体も姿勢も誠実で、コツコツと進化していく様子も伺えて、好きです。
無限をテーマにしたいくつものは話を通して、数学における無限の面白さを紹介してくています。
著者の小島さんは、ケインズ経済学に詳しい。ケインジアンに憧れ、10数年を経てケインジアンになり、この著書の元になった書籍を大きくグレードアップしています。
わかりやすくはなっているもの、数学にうといとついてくのがなかなかしんどい内容です。
それでもおもしろい。
よりわかりやすく、身近なテーマから数学に近づいていくには、桜井進氏の『雪月花の数学』をオススメします。こちらは日本の美のなか(たとえば俳句や浮世絵)にみる数学(和算)について詳らかにしてくれています。
一方で、ロマンある数学の世界を覗くには、フェルマーの最終定理についての物語もオススメ。
大田 2020年227冊目(通算585冊)