銀行家から政治家への教皇まで輩出する一族。
スペクタクルとして楽しい一族の歴史ですが、わたしは、ほとんどコジモ一世(コジモ・イル・ヴェッキオ)とロレンツォ・イル・マニフィコにぞっこんです。
コジモ一世は、いっときフィレンツェを追われるも、まだ戻ってきて勢力を取り戻すところが興奮しますし、ロレンツォは、放蕩に見えて、優れた才覚を発揮します。
ミケランジェロらへのパトロネージもまた心惹かれる史実ですが、彼らは、芸術を含めた教養というものを重視し続けた姿勢にこそ、わたしはもっとも注目したいです。
為政を経営と置き換えてもなお、教養(リベラルアーツ)と経営は、おそらく切り離さないほうが良い、と直感的に考えます。
その仮説を、メディチ家の歴史、盛衰にみて、検証するのが楽しい。
細谷功さんの『会社の老化は止められない〜未来を開くための組織不可逆論〜』と合わせて読もうと思っています。
それにしてもメディチ家はいいなぁ。ハプスブルク家もオスマントルコも気になるところですが。
一度フィレンツェへ行って、メディチ家ゆかりの地をめぐりたいものです。
大田 2019年105冊目