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わたしの台所
沢村 貞子

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  • ジャンル:
    小説・詩・エッセイ
  • 読了時間:
    1時間
  • 形態:
    Kindle
  • 読んだ人:
    大田忍
  • 評価:
    オススメ

前回読んだ沢村貞子さんの『わたしのおせっかい談義』のときにもかんじたので、その感覚に確信を持ち始めたのですが、沢村貞子さんは、

「近所のお友だちがひとりできた喜びを提供してくれる本」です。彼女の著書は。

そして、彼女は生き延びる能力の高い方で、力の抜き方、仕事の仕方なんかけっこう参考になります。

花がある主役は、役者寿命が短いと看破して脇役に徹し、日々の思うことを筆にしたため、文筆家としても名を広めます。

言葉数が多いのに、うんざりさせるわけでもなく、正論ばかり披露するわけでもなく、それでいて淡々としすぎてもおらず(武田百合子さんは、いくぶん淡々としている気がします。保坂和志さんに通じる淡々さがある)、ほんとうに近所の友だち。作りすぎたおかずを持ってうちに来てくれて、そのまま30分ほどダイニングで話をしながら、お茶飲んだりしてそそくさと帰っていく。

そういう方を一人得たような心地よさや喜びがあります。

 

大田 2020年114冊目(通算471冊)

(2020/04/23)