タイトルからは軽く裏切られる、もっと深淵な内容。
すごくざっくり言ってしまうと
マンデルブロが気づいたベルカーブ(正規分布)以外の摂理みたいな「世界の根本原理」、ロングテール(べき分布)経由のフラクタル構造以降と以前で世界ががらりと変わりました、それを知のパラダイム・シフトとする。それ以前のものはあまりもう意味がなくって、それ以降の知識が有効、という内容。
あの本だめやでーって話じゃなくって。
橘さんは、基本論拠のほとんどが書籍です。だからエビデンスベースとは言い難いが、それはともかくかなり膨大な知識を彼の世界のなかでまとめ上げていて、圧倒される。そもそもフラクタル構造とかリゾームとかそんな馴染みなかったわーというお恥ずかしい限りの身の上はあるものの、がゆえに知見を広くいただける。
わたしはけっこうその著書を読む割に橘さんの気配には警戒心が湧くので、いつも「こりゃ自分で検証しないといけないなぁ」と思うし、それを早くやらないとソースを忘れるにつれ、情報を信じやすくなるので、でも膨大すぎて、えっと、そうだ!ざっくり読んで気になるところだけテーマとして残しておこう!という態度でいます。
警戒しながら読むもののありがたくまだ思っています。
大田 2019年185冊目