遅筆、乱筆で有名な小説家、エッセイスト、テレビドラマ脚本家。1929年生まれ1981年に取材中の台湾で飛行機墜落事故で死去。享年51歳。
料理好きで、妹の和子さんと赤坂で小料理屋「ままや」を回転するほど。死後も和子さんが営業し続けるも1998年に閉店。
おしゃれ。
虫嫌い、猫好き。
本書は、向田邦子さんの死後に出版されたエッセイ集。
他愛もない情景描写などが、どれもとても生き生きとしており、読むだけでなぜか心躍る。しかし、飛行機嫌いで飛行機にのるときに部屋を片付けすぎると「虫の知らせがあったのかも」と言われそうで汚いままにしてでかけていったという「ヒコーキ」というエッセイも含まれています。その3ヶ月後に飛行機事故に遭ったことを思うと本を持つ手は少し重くなります。
わたしは台風10号が九州に上陸する前夜に台風の来る日の一家の様子を描いた「傷だらけの茄子」を読んだので、共感がひとしおでした。
大田 2020年221冊目(通算579冊)