勧めないのは、ニッチすぎる知識だから。
それでも、誰もが模様として看過しがちなプリンターズ・フラワー(花形装飾)に、これほど深い世界があるのか、と垣間見るのは、楽しいかも知れません。
デザインをグリッドシステムに精通した白井敬尚さんが担当しているので、デザインも楽しいし、巻末には使用した紙の種類も掲載されています。
Peignotという有名な書体(ホテルのConradでも見かけたかな)をデザインしたカッサンドルによる抽象的な装飾も堪能できます。
とまれ、花形装飾とは何なの?というシンプルな疑問には、白井さんの次の言葉でお答えしたい。
「人間の言葉という理性で埋め尽くされた印刷紙面に、理性を超えた「自然」をほんのひととき享受するゆとりを与える」
ものです。
グラフィックデザイナーにおいても必須の知識ってわけでもないので、ほんと趣味の本ですな。
大田 2019年159冊目