これはすごく好き。オススメしたい。
お金にしろ、時間にしろ「欠乏」がわたしたちをどう変えるのかということを知ることができます。だから原題は『Scarcity(欠乏)』。
これは、先の(私の苦手な)佐々木康裕氏の『感性思考』や山口周氏の『 世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』がなぜアートが重要かにも通じるものかと感じます。
わたしたちにはどうにも余白(slack)が必要なんです。
わたしが常日頃から妬んでいる小山薫堂氏の持論に「豊かな人生には、上質の空白が必要である」というものがあります。それがまさにこの本のテーマと重なります。
何もしない時間とか余白、空白は生産性の向上に必要なんです。
ムーミンの著者、トーベ・ヤンソン氏の短編集『旅のスケッチ』にイタリア語のこんな言葉が出てきます。
ドルチェ ファール ニエンテ (Dolce far niente)
「何もしない甘美さ」という意味です。ジュリア・ロバーツ主演の映画『映画『食べて、祈って、恋をして』』にも出てきます。いい映画です。
肝心な本書についてですが、行動経済学は、意外に人の科学でもあります。生産性の基礎と同時に幸せへの道程も学べるかもって思います。
大田 2020年137冊目(通算494冊)