翻訳者は、翻訳するためにそれこそ何度となく、著書を読んでいるので、
「これって、つまりこういう本だ」
という理解を誰よりもしている。そして、彼らは、あとがきでそれを書いてくれることが多い。
果たして、この本の翻訳者、泉 恵理子さんも同じようにまとめてくれており、
この本の特徴を3つにまとめてくれている。
1つ目の特徴は、著者であるマクゴニガル博士が、「日本人の読者」を意識して書かれた点です。
2つ目の特徴は、マクゴニガル博士自身の体験を、ケーススタディーの材料として提供している点です。
3つ目の特徴は、最新の心理学、行動科学の知見がふんだんに盛り込まれている点です。
そのとおりで、特に2つめがマクゴニガルさんの本の特徴なのかも、と思うのですが、
「自分に優しい」。エビデンスよりも、気持ちにやさしい。
散らかっていたっていいし、先延ばししたっていいじゃないか。
こういう姿勢を、
セルフ・コンパッション(自己に向けた思いやり)と
いうのだけれど、
すぐに自戒しがちな、わたしたち日本人には
身につけるのが難しい。
それをブレイクスルーしてくれるのが、
キャロル・ドゥエックの「マインドセット」なんですが、
やっぱりこの本でも
冒頭でドゥエック女史の「マインドセット」が紹介されています。
その他、モラルライセンス(良いことをしたあと、人は悪いことをしがち)や
時間術、いろいろ、エビデンスに基づきながらも、実際に使える知見を
簡単に教えてくれています。
やはり、とても良い内容なので、
「面白かった!」で終わらせずに、
ひとつでもふたつでも
習慣化したい、と思いました。