仕事のスピードを上げたくて読んだ本なのだけれど、けっこう事あるごとに思い出すのは、ビル・ゲイツさんの怒り方と著者の昼寝スタイル。
まず著者の中島聡さんは、MicrosoftでWindows95の開発に関わった方。今現在(2019年10月)は、シアトル在住。北海道出身ということで少し親しみを感じる(同郷)。
noteにてブログを連載しています。
で、この本は、2016年、文響社より出版。
2:8という割合が好きで、わたしも影響を強く受けた(気がする)。
最初の2割の時間で仕事の8割を終わらせて、残りの8割の時間を使って2割の仕事を完成させる、って考え方が面白かった。先延ばしの悪習が読後弱まった気がする。
昼寝を18分と決めていて、パジャマにまで着替える徹底ぷり。これは科学的にも正しい。
午前の3時間に仕事をほとんど終わらせて午後はのんびり働く。このあたりは、たぶん著者のクロノタイプが朝型なんだろうと思われる。
しかしすべてにおいて科学的に合理的かといえば、そうでもないので、一個人の経験則として学ぶのが良さそう。だけれど、正直、けっこう真似たいと思ったし、実際いくつか真似てみた。待ち合わせや打ち合わせへの遅刻はなくなったし、なかなか快適。
冒頭で引用しているゲーテは、今のわたしにもぴったりくる言葉だった。
「知ることだけでは十分ではない、それを使わないといけない。やる気だけでは十分ではない、実行しないといけない」
そう、片っ端から実行したい。
今読み返して、このスタイルに今一度近づこうかと思い至る。
ビル・ゲイツがキレる、という話もこの本で初めて知った。
現在、Netflixでビル・ゲイツの番組をやっているのですが、そこでも彼の妹か姉が、ビル・ゲイツがキレることについて語っていたので、やっぱりそうなのね、と。
で、どうやってキレるのかというと、著者はたとえ話で紹介しています。
ビル・ゲイツが花をあるイベントのために花を用意して欲しいと誰かに依頼します。その誰かは花屋に花を注文します。しかしイベント当日に雪が降ってしまい、そのせいで花の配達が遅れることになる。それをその人がビル・ゲイツに伝えるとビル・ゲイツは人が変わったみたいに激怒する。ビル・ゲイツは、花を注文することを依頼したいのではなく、花をイベントに用意することを依頼した、そういう認識であり、かつ、時間という有限のリソースをとても重視しているのだとか。
ちなみに現在もビル・ゲイツは会議にぴったりの時間に参加するとのこと。
これは堀江貴文さんも近いこと言っていたけれど、「時は金なり」なんて馬鹿なこと言うなと。時間は金よりずっと大事だと。
自分なりにアレンジして良いから、一度は目を通したほうが何かと得るものがあるんじゃないかなって本でした。
ビル・ゲイツという人を知るにも有効な著書です。事あるごとに「ビル・ゲイツとは」という話が出てきます。アントレプレナーとかファウンダーとしては、スティーブ・ジョブズのほうが何かと注目されがちですが、ビル・ゲイツってすごいし、面白い!と最近思います。
そしてスティーブ・ジョブズと今更ながらに比較して思うことが少しあります。
それは見た目。
ものの見た目をコントロールするという点では、サイコパスなスティーブ・ジョブズのほうが優れている。やっぱりAppleは美しさってことを重視しているから。いまでも。
大田 2019年167冊目
(2019/10/22)