映画「メッセージ」の原作短編集。タイトルが良い。
映画版は面白かった反面納得いかない部分もあったので原作を購入。
使う言語の違いによって認知・思考の違いが生じる(たとえば、日本語は主語を省略しがちだが英語はそうではないことから、個の主張が強いか否かは言語の影響が少なからずあるのではと思う。ただし反論もある)というのは納得感があるが、それを物理法則にまで拡張した、壮大なテーマでありながらもあくまで個人に焦点の当たった二面性のある作品。難解だけど面白い。映画版の不満はあまり解消されなかった。
惜しむべくは、原作から先に読んでいれば後半訪れるカタルシスをよりスリリングに楽しめたことだけど、映画のおかげでこの作品のことを知ったのだからしょうがない。ちなみに映像と文章の特性の違いから、原作の方が違和感に早く気付くことができるというのもまた面白い。