長島 有里枝さんの写真集。
アートディレクションは寄藤文平さん。
いつからか包装紙がデザイン界で流行り始めましたが、この写真でも多分に使われています。
そのラフな質感と長島さんのスイスでの滞在中の日記のような散文に、活版印刷か活版印刷風の文字(ずれていたりする)が、わざとらしいが楽しい。長島さんのサインの練習したものまで印刷されています。
長島さんにとっては非日常なのですが、写真にはスイスらしさがなく、彼女にとって日常のなかにある非日常を撮っているように見えて、それを通して読者が得るのは、わたしが思うに
です。
床に落ちたゴミ、床にあるなにかの跡、干された下着。それは特別な風景ではなく、でも何かシャッターを切らせるものがあって、それを見るものに伝えようする気持ちを見て取れます。
こうゆう写真を見ることで、わたしたちは、自分たちの日常の大切さを感じられるようになるのではないかと思います。
好きな写真集ですが、手に入らないかもです。
大田 2019年133冊目