グラフィックデザインに従事するならば、どうしても通らないといけない基礎は、ドイツやスイスのミッドセンチュリーに至るデザインの遍歴とその基礎的な考えです。
タイポグラフィからグリッドシステム、数学的なプロポーションを基礎にしたバランスのとり方。
その基礎知識を以ってデザインし、それを熟知した上で崩す……守破離はここにもあって、このあたりをおざなりにしている方は結構いるけれど、デザイナーから見ればわかってもクライアントからみるとわかりにくかったりします。
本書は英語ですが、ざっと目を通すだけでもグラフィックデザインがどういう潮流を持っているのか肌で感じられると思います。
スイスデザインがどうして重視されているのかについてですが、例えばデザイナーでも知っているほど有名な書体のヘルベチカは、1957年にスイスのローザンヌでの展示イベントで発表されてから世に広まっていて、そこからもスイスのミッドセンチュリーからグラフィックデザインが世界に広がっていく流れが伺えます。
ほんと観ているだけでも楽しいですよ。
幾何学的な図で何かを表現するって(例えば音楽を)すごいですよね。でもけっこう伝えるんです。デザインの歴史にある知識ってすごい。
大田 2020年106冊目(通算463冊)