旅行好きが、
まだ訪れたことのない土地についての
本をにまにまと味わうように
グラフィックデザイナーは
この本を楽しむことでしょう。
デザイナーの鈴木成一さんが
デザインした装丁について
手短(原稿用紙1枚以下)に
コンセプトや逸話を紹介。
そしてレシピのように
使用された紙の種類、
印刷、色の種類、
加工も載っています。
装丁に使うにあたって
画家やイラストレーター、
写真家たちにも精通し、
書体についての造形も深く
そしておそらくすべて
読んでから装丁のデザインを
考案する。
デザイナーではなくても
世界の裏側を垣間見るように
楽しめる本です。
正木香子さんの
『文字の食卓』や『本を読む人のための書体入門』
もまたそのように世界の裏側を覗ける
たぐいの本出す。
正木さんの本よりは、
彩度が鮮やかですが。
(書体は黒が基本ですから)