『星の王子さま』で有名なアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリのエッセイ集。1939年に出版。
テグジュペリは1900年生まれなのでざっくり言って39歳のときに出版したことになります。そしてテグジュペリは1944年(44歳のとき)地中海上空で行方不明となっています。読者からの愛称は「サンテックス」。
人間の大地は、わたし『人間の土地』とおぼえていたんですが、最近買ってみると『人間の大地』に翻訳が変わっていました。アメリカ版では、『Wind, Sand and Stars 』となっています。
とても男っぽく、油の匂いがするエッセイで、観たこと無い山や雲海に想像が広がります。かっこいい先輩、ギヨメの人生についても深く考えることになります。ロマンということばで片付けるのは乱暴で、じゃあ何かというと飛行機に魅せられた男が、世界をどう広げて、どう深めていくのかの追体験、というのがこの本について言えることなんじゃないかとわたしは考えています。
そうえいば、ゲランにサン・テグジュペリの作品から影響をうけて作られた香水があります。その名も夜間飛行。『夜間飛行』というエッセイ集もありますが、香水の背景にある世界をこの本からも垣間見ることができます。
大田 2020年213冊目(通算571冊)