随分前に買ったもので、当時はこのミラクルモーニングのリチュアルのショートバージョンをよくやっていました。
その頃と今までの間に200冊以上本を読んだ結果、なかなかの隔世の感があり、その辺はおもしろい。
どうおもしろいかというと、佐藤優氏が引用したのだったか、誰かこう言っていたことを実感するからです。
「本を読むということは、読んだあとに違う人間になるということだ」
わたしはこの本を買ったころと今ではずいぶんと変わったなぁと感じる。それはさておき。
本の内容は、ざっくり言えば「未来の引き寄せ」である。「いつか」を具体的に近づけていく意識を持とうというもので、
著者のハル エルロッド氏の個人経験則の紹介です。
啓蒙書には、エビデンス編纂系(とは言え、パッチワーク同様、編纂者の恣意は反映されえる)と「おれはこれでうまくいった(または失敗した)」という経験則系がある。
この本は、経験則系。
ハル氏は、能力が高くて順風満帆だったところ、交通事故で身体や脳がシッチャカメッチャカになってしまう。「ああすればよかった、こうしなければよかった」と苦しみまくったあげく、「あれ?それ意味なくね?」ということを人生を賭して開眼する。そこからの復活が目覚ましい。しかしそれはきれいな復活ではなく、また人に騙されたりなんだりで失敗する。それでも復活し続ける。
これはなかなかすごいことです。レジリエンスとはこういうことを言うのだなと至極得心します。
リチュアルそのものは、エビデンスベースではないので、実践してもいいし、読み流しても良いと思います。未来を具体的に想像することが、その実現に役立つわけではないというエビデンスがあるんで、enVisionもさほど効果はなさそうです。朝が弱い人は無理して起きないほうが良い、というのも現代科学の定説になっています。運動とやる気の関係は、ばりばりあるので、バービーなど仕事の合間にやるのは、効果的です。朝はかるーいジョギングやウォーキングに良いです(あ、この辺は、この本にかかれていません。なんなら何時間寝たほうが良いとかも、「人によるんじゃね?」という話に終始していましたので、詳しくは書かれていません。何時間寝れば良い?という話は、ダニエル ピンクの『When』とかアリアナ ハフィントンの『スリープレボリューション』などを参考にすると良いでしょう。それにしても括弧の中が長すぎました)。
と考えると、真似したいリチュアルではなさそうですが、ハル氏のレジリエンス具合には、一読に値するというか、人生の指標のなかに入れておきたいと思いました。しかも今ならキンドルで500円くらいで読める。その費用対効果は高い!
(大田 2019年81冊目)