心理学的考察部分は、反フロイトのニュアンスが強く、現代となってはさほどフロイト信奉の気配が強くないので、そこにそんなに力を込めなくても良いと感じるも、「愛するという行為は技術である」という主張には、感服。一感情によるものではないというこの主張、これこそ現代でもなんら遜色なく人々にとって有益な啓蒙となるものだと強く思う。実践を重ねて、この本の述べるところを反芻することで、より良い人生になるだろうと思っての「必読書」。ビジネスマンであろうと、多忙であろうと、この本と「サピエンス全史」は読んで、幸福のポジションと愛の技術を知ることは必須に思う。惜しむらくは、図版上部の飾り罫線が邪魔。(しかし、これが故に「いま、わたしは『愛するということ』を読んでいる」とは認識し易い。多読であるなかで。)