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女と男の品格。
伊集院静

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  • ジャンル:
    小説・詩・エッセイ
  • 読了時間:
    0.5時間
  • 形態:
  • 読んだ人:
    大田忍
  • 評価:
    勧めない

週刊文春で連載されている
伊集院静さんの人生相談の傑作集。

私たちは、つらいことがあると
「ダメな人生にまっしぐらに落ちていくドグマ」
に陥りそうになることがあります。

ドグマとは、「宗教の教義」という意味から派生して
「独断的な思想」という意味の言葉です。

例えば、
失恋したあとに
「もう女(または男)なんで信じない!」
とか、
事業に失敗したあとに
挑戦することは無意味だと思いコムことなどが、
この「ダメになっちゃう方向のドグマ」です。

1や2を知って、
のこりの1000を判断することは
愚かしいことなんですが、
傷心から立ち上がるために
どうしても傷つけた原因を
まるっと排斥したくなる。

こうした人間的な愚行に陥っちゃわないための
スタビライザーとしてこの本は機能します。

この上ない悲しみ、
恋愛上の問題、
金銭、ギャンブルの問題……
まさに生老病死にまつわる苦しみ
からの救われ方、
というよりも
もがき苦しんでいる人への
静かで温かな共感と示唆、
があります。

伊集院静さんの言葉によって
私たちは、ドグマに陥らずに
すむバランスを得ることができるようになる、
すくなくとも伊集院さんは
それを目指して答えているように思えます。

ただ
わかりやすくするために
彼のドグマもまた
あります。

それに対しても
距離をとりたいと
警戒する気持ちが
私個人にはあります。

なのでお薦めはしないのですが、
悩みのバラエティには、
驚くので、
世界の広さを知るには、
大変お薦めします!

(2018/08/13)