村上春樹氏翻訳の『グレイト・ギャツビー』。一番最初に読んだのは、高校生の頃、野崎 孝さんの翻訳だった。何が面白いのかわからず、でも読まなきゃいけないという強迫で読んだのだけれど、以降、時折手にとって読み返していた。今回は村上春樹氏の翻訳で再読。これがとても読みやすいし、おもしろい。翻訳の違いについては、まだ英文で読んでいないのでなんとも言えないが、特に村上春樹氏の個性が注入されたと印象を受けるわけはなく、恐ろしく忠実に誠意ある翻訳をされた印象を受ける。
これがフィッツジェラルド29歳のときに出版されたとは驚く。感じたことはある気がするが言語化したことなどなかった機微の多くをここに見つける。ヘミングウェイなどと合わせて読み漁って個性の差を味わいたく思う。