きっかけは村上春樹氏の『ダンス・ダンス・ダンス』。この小説のなかでスペインの歴史についての本を読んでいるシーンが出てくるんです。それでスペインの歴史をちょっと知りたくなって手にしてみました。
2017年にも独立住民投票が行われたばかりです。
なかなか読んでいて楽しい文体なんです。著者の田澤耕氏は、法政大学の教授でカタルーニャ語とスペイン文化の研究者。1953年神奈川県横浜生まれ。銀行に勤め、それが契機でスペインへ派遣され、スペインを研究。派遣されてから3年後に退職します。スペイン、とくにカタルーニャの歴史と文化にはまってそちらの道を進んだ様子。
カタルーニャの歴史が紐解いてくと、国とは今とはまた別の形であったことのほうが多いことが少しずつ理解できます。
そういう意味では、英国も複雑な歴史を持っています。noteでのブログでアイルランドと英国の関係をカンタンにではありますが(とはいえ6000文字以上あります)、まとめています。
noteのブログ
カタルーニャは何かと肩身が狭い思いをしています。その実態は、メディアを通してでは理解できません。この本は、あくまで中立的な立場ながら、通常取り扱われないカタルーニャの実態を歴史から紐解いてくれてます。
読みやすく惹かれる文体なので気軽に読めます。
好き。
大田 2020年189冊目(通算546冊)