レオシュ・ヤナーチェクの最後のオペラ作品、「死の家より」のもととなったのが、フョードル・ドストエフスキーのこの作品。
ドストエフスキーの人生は何かと凄まじいのですが、ミハイル・ペトラシェフスキーが主宰する空想的社会主義のサークルに参加したため、1849年(ドフトエフスキー28歳のとき)に逮捕されて、死刑を宣告されるも直前にニコライ1世により特赦を受けて、シベリアへの流刑となり、5年ちかく服役し、この体験をもとにして書いたのが、本書。
リアル。壮絶。
ヴィクトール・フランクルの『夜と霧』を思い出しました。
ドフトエフスキーのタフネスは、その後も発揮されて、彼が強靭なメンタリティを持っているとは思うも、それでも「ああ、人って強くなり得るんだな」というのが読後に一番残った印象でした。
もちろん息絶えていく人も多いのでしょうが、人は、生き残るための力というのをものすごく持っている。それは人によるのかも知れないのですが、その可能性を自分のなかに探してみてもよいのではないか?という考えが、この本から得た大きな財産でした。
こんな時期にすごくオススメな本です。
大田 2020年92冊目(通算450冊)