BRANDING TAILOR

CREATIVE LIBRARY

死の家の記録
ドストエフスキー (著), 工藤 精一郎 (翻訳)

Amazonで詳細を見る

  • ジャンル:
    小説・詩・エッセイ
  • 読了時間:
    2時間
  • 形態:
    Kindle
  • 読んだ人:
    大田忍
  • 評価:
    オススメ

レオシュ・ヤナーチェクの最後のオペラ作品、「死の家より」のもととなったのが、フョードル・ドストエフスキーのこの作品。

ドストエフスキーの人生は何かと凄まじいのですが、ミハイル・ペトラシェフスキーが主宰する空想的社会主義のサークルに参加したため、1849年(ドフトエフスキー28歳のとき)に逮捕されて、死刑を宣告されるも直前にニコライ1世により特赦を受けて、シベリアへの流刑となり、5年ちかく服役し、この体験をもとにして書いたのが、本書。

リアル。壮絶。

ヴィクトール・フランクルの『夜と霧』を思い出しました。

ドフトエフスキーのタフネスは、その後も発揮されて、彼が強靭なメンタリティを持っているとは思うも、それでも「ああ、人って強くなり得るんだな」というのが読後に一番残った印象でした。

もちろん息絶えていく人も多いのでしょうが、人は、生き残るための力というのをものすごく持っている。それは人によるのかも知れないのですが、その可能性を自分のなかに探してみてもよいのではないか?という考えが、この本から得た大きな財産でした。

こんな時期にすごくオススメな本です。

 

大田 2020年92冊目(通算450冊)

(2020/04/13)