写真集を読書かも知れませんが、ご紹介したいのもあり、読書にカウントします。
映画は、偶然発見された大量のネガをオークションで見つけた青年が現像してネットに載せたら大反響、無名の天才ストリートフォトグラファ、ヴィヴィアン・マイヤーの存在に世界が驚く、という内容でした。
映画は映画で面白いのですが、写真もまたおもしろくて、美しい。
彼女の写真を観ていると、わたしたちもまた無名のままでも、美しい風景に気づき、世界を動かすような言葉を紡ぎ出すことができるという事実にふれることができます。
もちろん彼女は無名ですが、才能あふれるフォトグラファーでした。
しかし、有名であるとか、いいねがいっぱいついているとか、フォロワーがいっぱいとか、関係なく、美を手で捉えて、それを外に紡ぎ出せるとことには変わりがなく、それをびしびし体感できます。
これは、幸福にも似ています。幸福というのは、「なる」とか「見つける」のではなく「そこにあることに気づく」ことで得られるものなのだそうです。
BGMもなしに、わたしたちは感動して良いことを、ヴィヴィアンの写真を通して、わたしたちは体感できます。
今日は素晴らしくて、あなたも奇跡の存在である(今地球上にいる生き物は0.1%の生き残り。99.9%は絶滅しているそうです)、ということは大事で、その辺(幸せには今すぐなれる、ということ)は、『嫌われる勇気』にも近いことが書かれています。
ちょっと感傷的な感想になりましたが、良い写真集です!
(大田 2019年 75冊目)