東京という都市は、ただ住んでいるだけだと気づきづらいのですが、まさに水の都であり、変化の激しい都市です。少し紐解けば、地名と歴史がつながったり、都内の街それぞれにある歴史の痕跡を見つけたりととても楽しい。タモリさんみたいな趣味になりますが、知識一つで降り立つ駅でいちいち楽しくなれるのだからこんなコスパの良い趣味もないのではないだろうか。
例えば、皇居。ジョギングや自転車が趣味の方々が日々そのまわりを巡っているところですが、皇居になったのは1868年から。それまではご存知、江戸城です。明治維新を経て、江戸が東京になり、そのときに天皇が東京に移りました。
さて、その皇居まわりから歴史を紐解いていくなら、江戸始図がちょうど良さそうです。
江戸始図(えどはじめず)
Image: 松江歴史館「【新発見】最古級の江戸城絵図「江戸始図」」
これは、徳川家康が築いた江戸城を描いた最古級の絵図で、江戸城とそのまわりの大名屋敷が描かれています。
現代の東京の地図と見比べてみましょう。
Image: Google map
江戸始図のほうが比率が歪んでいますが、堀の輪郭が合致していますね。
そんなこんなを水路を切り口に紹介してくれているのがこちらの本です。
この本からは、首都高ではジャンクションのある箱崎が、船遊びのスポットだったことなどがわかってとても楽しいです。
大田 2020年214冊目(通算572冊)