死について一通り考えをまとめてみたくて手に取りました。
解剖学的に口というものはないそうです。
これに似て、一人称の死もない。にも関わらず、人は、それがあるかのように思い込んでいます。
一人称の死がないということは、自分の死はないということでもあります。
死というのは、常に他人のもの(二人称や三人称)。
それでいて、著者は、死について考えることは良いことだと言います。
私事ですが、我が家には、犬が二頭おり、若くもないのも手伝って、彼女たち(メスなので)の死については毎日考えています。
それにつられるようにして、わたしや妻は、自分たちの死についても日頃から考えています。
死について考えることで、浮き彫りになるのは、大切なものへの時間の使い方、自分たちの時間の使い方、つまり生き方です。
そんなわけで、この本は、死について考える習慣を身についける良書だと思い、必読書として推薦します。
大田 2020年21冊目