デビューから最新作までの宇多田ヒカルの歌詞を収録した本。
彼女の魅力について今さら僕から書けることはほとんどないけれど、改めて歌詞を眺めて思うのは、韻の踏み方のテクニック。
「浮世なんざ」「やるせなきかな」「ありゃせぬ」など近年の作品に使われるこういった言い回しは、私たちに「引っかかり」を持たせることにより印象付けているのと同時に、韻を踏むために用いていると思われる。初期は英語による韻が多かったが、古い言葉、雑な言葉、丁寧な言葉、男性言葉、女性言葉、様々な言葉遣いで自在に日本語の韻を踏みリズムが生まれていて気持ちが良い。
蛇足ですが僕の好きな曲は「Passion」「Goodbye Happiness」「俺の彼女」などです。