西田幾多郎氏とは同級生の鈴木大拙氏の著書というか訳書。原本は、「Zen Buddhism and its Influence on Japanese Culture」というもので英語で書かれたもの。
がゆえに、元来、諸外国に向けて、日本文化とそこに関わる禅というものを紹介するのが目的の著書です。
鈴木大拙氏は、1870年生まれ、1966年に死去。享年95歳。長生き。西田幾多郎氏とともに石川県の出身。聖路加病院で亡くなっています。
1911年に結婚。相手は、アメリカ人のBeatrice Lane氏。
西田幾多郎氏が亡くなったときに、鈴木大拙氏は、遺骸を前に号泣したそうです。
禅とはなにか?ということを知るには良い書なのは確かなんですが、すんなりとはわからないです。
ただ、ロジックから離れて、美は醜であり、醜は美である、というシェイクスピアの引用をしつつ、汝は我であり、我は汝である、という言葉から少しずつ体感していけそうなのは、西田幾多郎も描くのが好きだった円相図のような世界観。
ユングやハイデッカーとも交流のあったグローバルな仏教学者。
大田 2020年230冊目(通算588冊)