このパンフレットの学部は、文字通り、ライフサイエンスとテクノロジーを関連付けながら学び、研究する学部です。それを体現するために生命のヴィヴィッドさとテクノロジーのロジカルさをあわせて伝えるパンフレットととしてデザインしています。グリッドシステム（スイスのグラフィックデザイナー、ヨゼフ・ミューラー＝ブロックマン提唱のレイアウト法）に則ったストイックなレウアウトデザインとヴィヴィッドな蛍光ピンク、それを際だたせるためにその他は黒一色での印刷にしています。表紙には、文字の部分が透けて見える加工を施し、蛍光ピンクは薄っすらと見える仕組みになっています。肌の下に見える血管のように。

表紙の文字部分が透けてみるのは、OKフロートという紙に、職人的技術を伴いながら、加圧加熱を施すと半透明になる特性を利用した特殊加工のため。加熱加圧を加えると半透明になる紙として「パチカ」が有名ですが、パチカは柔らかい紙で、表紙に使用するには丈夫にするための加工が必要になります。しかしOKフロートはパチカよりは硬いため、そのまま表紙に使用できます。

中面のレイアウトは和英併記にしていますが、研究内容を紹介するためには各研究室ごとに多様な図が数をバラバラに使用すると読みにくくなるため、全研究室を同じフォーマットで原稿を揃えて読みやすく、比較しやすくしています。

書体は和文には、こぶりな、英文にはSyntaxを使用しています。どちらも、すっとした佇まいのなかに、じんわりした柔らかさやぬくもりがある書体です。生命と理工学の両方のニュアンスを伝えるのに、ぴったりくる書体として選定しています。