「何が成功をもたらすかは言いあらわせない。だが、何が成功を妨げたり、台なしにしたりするかははっきりと言える」
という考えのもと編纂された本。
これを読んで思い出すのは、スティーブ・ジョブスの「何をしてきたかと同じくらい、何をしてこなかったかを誇りたい」という言葉(※1)。
成功する方法ではなく、失敗してしまうやり方を学ぶという考え方はとても有効そう。
ただ、ロルフ・ドベリ氏のこの著書、個人の発言とエビデンスを一緒くたにして紹介しているので、キャッチーだが、彼の主張を鵜呑みにはしないほうが良さそう、という気がしています。
うまくまとめられた52の誤謬にいたる知見から興味を持ったものは、すぐに自分で調べて確かめて、仮説を自分なりに立てるほうが良さそうだと思っています。
時間が経つと情報の信憑性を忘れるため。
気をつけてほしいが、気をつけて読むならオススメしたいくらいわかりやすい!
大田 2020年28冊目
アパレル業界の大帝国、LVMHの時計部門を担当している(いた。2018年に引退。)ジャン・クロード・ビバーへのインタビュー本。
LVMH傘下には時計ブランドとして、ウブロ、タグ・ホイヤー、ゼニスがあり、それらのブランドを統括してきたのビバー氏。
インタビュアーの熱量を若干熱く感じるかもしれないが、世界的なアントレプレナーの思想を伺いしれて学びも多い。
大田 2020年27冊目
Rizzoliから出版されているAesopのブランド本。
創業者が去って以降もブランドがブレることなく、マーケットを拡張し続ける強力なスキンケアブランド、Aesop。
そのブランドがどう形成されているのか、美しいビジュアルや装丁とともに学べる良書。
装丁は、さすがのAesopとRizzoli。
Aesopのデザインワークなどを一望できて良い。
大田 2020年26冊目
原題は『Rebel talent』で「反逆する才能」という意味。
邦題は、キャッチーだが、内容をうまく反映していない。
ルールに従わない重要性を学べます。
そしてそれは結構重要。
大田 2020年25冊目
思った以上に慧眼の書、じゃないかしら。
自己紹介の望むべきありようが示されているので、ビジネスパーソン全般におすすめしたい。
してきたこと、していることじゃなくって、したいことが大事。
大田 2020年24冊目
役立つけどkindleでは買わないほうが良い。
大田 2020年23冊目
以前紹介した、『20世紀ファッションの文化史: 時代をつくった10人 』にあった(多くの)不満が、全て払拭されたファッション史。
よくぞここまでコンパクトにイノベーターたちの要点を短くまとめ上げたなという驚きがありました。
ビジネスパーソンに、ファッションは関係ないかといえば、人々が思い込んでいる以上に重要だと私は考えています。
時計の価格のマウンティング合戦においてではなく、美学と哲学の奥深さを体現するのがファッションという強力な道具だからです。
男女ともにですが、「どう見えるか」ということを欧米では、日本に比べて重視されています。
それは、そのままデザインへの態度にも反映されています。
日本と欧米をありがちに比較するなよと思われるやもしれませんが、日本と欧米企業の代表者たちのプロフィール写真を見比べれば、明らかになります。
グラフィックデザイナーたちもまたアピアランスを軽視している人々が多い。
彼ら・彼女らがフォーカスしているものが外側にあるとしても、ブランドを作り上げていく側という意識が足りないのでしょう。
ファッションというのは、哲学です。且つビジネスです。
そこから学べるものが多い。その入門の入門書がこの著書です。
各ブランド、クチュリエのみならず、コングロマリットの代表たちにまで解説が及んでいます。
さすがの中野香織さん。
大田 2020年22冊目
死について一通り考えをまとめてみたくて手に取りました。
解剖学的に口というものはないそうです。
これに似て、一人称の死もない。にも関わらず、人は、それがあるかのように思い込んでいます。
一人称の死がないということは、自分の死はないということでもあります。
死というのは、常に他人のもの(二人称や三人称)。
それでいて、著者は、死について考えることは良いことだと言います。
私事ですが、我が家には、犬が二頭おり、若くもないのも手伝って、彼女たち(メスなので)の死については毎日考えています。
それにつられるようにして、わたしや妻は、自分たちの死についても日頃から考えています。
死について考えることで、浮き彫りになるのは、大切なものへの時間の使い方、自分たちの時間の使い方、つまり生き方です。
そんなわけで、この本は、死について考える習慣を身についける良書だと思い、必読書として推薦します。
大田 2020年21冊目
赤裸々、ドタバタ、弱さも強さもしたためられた挑戦的にインタビュー本。
「どうやって生きていいかわかんない!」という疑念を
著名人たちにあって晴らそうとするトライアル。
会うための資金づくりも破天荒。
スピルバーグ、ウォズニアック、ビル・ゲイツ、
それから『ザッポスの奇跡』のザッポスのCEO、トニー・シェイにもインタビューしています。
若い人も若くない人も経営者もフリーターも楽しめる(はず)!
わたしのなかで必読本入りしました。
大田 2020年20冊目
ウィリアム・シェイクスピアの「歴史モノ」であり、「お前もか、ブルータス。死ぬほかないぞ!シーザー」の名言を含んでいるのもこれ。
理のブルータス、大衆に支持されて大きくなっていくシーザー(カエサル)、巧みなアント―ニウス。
楽しい!楽しめる!
Plutarch (プルターク)の英雄伝をもとにしています。
ちなみに「お前もか、ブルータス」以外にも、有名な名言がこの戯曲にはあります。
「賽は投げられた」
や
「来た、見た、勝った」
など。
作中に出てくるルビコン川はここ!
ちなみに現在使われている暦、グレゴリオ暦は1582年から使われていますが、それまでは、ジュリアス・シーザーの名のついた「ユリウス暦」を使っていました。
ちなみにちなみに
帝王切開の帝王って、このジュリアス・シーザーことガイウス・ユリウス・カエサル……といわれがちですが、実は間違い!
英語では、帝王切開をCaesarean Sectionと言うのですが、
語源のCaesarは、「切り取られたもの」の意味で、シーザーのカエサルも本家だったユリウス氏族の「分家」の意味で、「カエサル」がついた名前でした。
なのに「カエサルは、帝王切開で生まれた」という伝説が生まれたのは、大プリニウスが『博物誌』で
カエサルはその名を切り取られた母親の胎内から(a caeso matris utero)得たのであり、その家名もまた同様の起源を持っている。
と書いたのが元。
論拠は、Wikipedia。
大田 2020年19冊目
北欧の(Scandinavian)インテリアウェブマガジン、Residenceから年1で出版している雑誌。
家具や内装における良質な文化圏、北欧の現在をアップデートできる良質な雑誌。
コスパよし。蔦屋で3600円くらい、Amazonで2719円。
紙は、Kinfolkと同じく非塗工紙を使っています。
ところで、北欧では、ガラス製品の製造に鉛を使用する「クリスタルガラス」を製造しなくなっています。意識高い。
北欧家具といえば、
ハンス・ヨルゲンセン・ウェグナーを含むカール・ハンセン&サン、ポール・ヘニングセン(照明)、フリッツ・ハンセンなどが牽引してみえているとおりインテリアのトップランナー国。
日照時間が短く、自殺率は高めになってしまう北欧は、それが故に「屋内で快適に過ごすための工夫」をとてもコストを払ってきている歴史を持っています。その結果、ライフスタイルは、幸福であることの重要性を意識したものに形成され、屋内での心地よさ 、家族との関係などのお手本になるレベルになっています。
ちなみに、北欧やスカンジナビアンという言葉が含む国は、デンマーク王国、スウェーデン王国、ノルウェー王国。
北欧のデザインやカルチャーも常に変化しているわけで、その潮流を「北欧デザイン」でひとくくりにしていると見逃しがちになるところ、それをアップデートさせるのにとても良いムックです。
言語は英語。
これで5巻目。
編集長は、Hanna Nova Beatrice。
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照明やアート、家具の選び方、調和のさせかたを学べます。
大田 2020年18冊目
かわいい女性に勧められたので読んでみたら、面白かった。
プラハの春を調べておくと、または調べながら読むとより楽しめるかも。
カレーニンという名の犬も出てきます。トルストイのアンナ・カレーニナの夫の名前から。
ヨーロッパの歴史にうとい私たちには、近づく良いきっかけかもしれません。
冷戦下のチェコスロバキアが舞台。
チェコスロバキアは、1993年にチェコとスロバキアになりました。
映画はこれから観ます。
大田 2020年17冊目
ひさびさに漫画を紹介。
「ボーイズ・オン・ザ・ラン」や「アイ・アム・ア・ヒーロー」など映画化もされる(ボーイズ・オン・ザ・ランのほうは面白かった気がします。映画)漫画家、花沢健吾の連載進行中の漫画、「アンダーニンジャ」
娯楽としておもしろいわけですが、『鬼滅の刃』に比べて、ユーモアとシリアスのバランスは、逆な感じで、ユーモアのなかにシリアスな展開が含まれているバランス。しかし展開によって変わってきそう。現在、3巻目まで出ています。是が非でも勧めたいわけじゃないですが、最近漫画をあまり読まなくなったわたしが、面白く読んでいるので紹介したくなりました。
大田 2020年16冊目
表紙がコート紙なのが気に入らないだけじゃなくって、中身もずいぶんとペダンティックというか衒学的に感じ、わたしは「ユリイカ」が嫌いなのかも、と思い至りました。
アラン・ソーカルのソーカル事件を想起しました。
難しいことをより難しく言うことは愚かな思念で、難しいことを開いて伝える姿勢に啓蒙の真摯な姿勢を観る、気がします。しかし池上彰さんは「わかりやすさは危険」とも説いています。だからニーチェだろうが、ウェーバーだろうが読みますが、それらを読んでも、ユリイカの紙面に感じる「衒学的な気持ち悪さ」を感じない。書体の話なら、小林章さんのブログや書籍をオススメます 。マニアックながらおもしろく書体に触れられるのは、正木香子さんの書籍です。またこの雑誌にも寄稿してますが、小宮山博史氏の書籍では、日本の書体の歴史を学べました。ただユリイカは嫌い。
大田 2020年15冊目
白痴を含めて坂口安吾の7つの短編が収録されています。
デカダンスとくくると少し雑になりますが、ヴェルレーヌやポーなどに通じる、退廃の美を観ることができます。
なぜ退廃のなかに美しさや妙なるものを見いだせるのか、不思議ですが、とはいえ、フロイトの言うタナトスなどを持ち出したくもないので、そのうち理解できるといいなと願っています。
「日々のストレスを軽減するみは、1日に30分ほど純文学を読むと良い」という知見が、鈴木祐の『最高の体調』という本にあったので手にしてみましたが、果たして確かにストレスが減るのを感じました。文学というか時代に生き残った物語には、人を深く魅了する力があり、そのおかげでわたしたちは、刹那「ここではない場所」や「自分ではない人」に近づけます。それが、視野を広くしてくれる。生きていくためにフィクション、小説は有効なようです。
大田 2020年14冊目
シェイクスピアの四大悲劇ではないけれど、みんな読んでいるから読んでおくかと思って読んだたら、楽しかった本。
ちなみにシェイクスピア、ヴェニス行ったことないんですって。
それでもこんな古典になるのね。
他の本にも何かとヴェニスの商人は出てくるので、ビジネスパーソンであろうとなかろうと読んでおいたほうがお得な気がします。
時間にして、かかって2.5時間、価格にして400円ちょっと。
ドラクエウォークならレベル41から42にあげるより時間かからないかも。
英語のタイトルは、The Merchant of Venice。
大田 2020年13冊目
ロジカルにファッションを語る面白いすぎるyoutuberでもあるMB氏の働き方の紹介。
まずyoutubeが面白い。どう面白いかと言うとファッションをロジックで語ってくれる。
どうしてくるぶしを出すパンツが流行っているのか、どうしてマルジェラが高いのか、ファッションと哲学の関係等々。
彼が、大成してくにあたり、いろいろと考え、実践し、身につけた色々。
何も持っていないものが、どう生き延びてきたのか。
単に個人の経験談に過ぎないのですが、読めば得るものがありまくりなので必読レベルでおすすめします。
ちなみにMBさんのチャンネル登録者数は14.3万人(2020年1月現在)
https://www.youtube.com/channel/UCagAVZFPcLh9UMDidIUfXKQ
大田 2020年12冊目
思考プロセスを学ぶには、とても良いが、『ザ・ゴール』同様に物語形式をとっているのだけれど、その物語はゲームみたいにおもしろくて。
だから2、3回読むつもりで諦めて、最初の一回は楽しんだらよいと思います。
これに近いのが、森時彦氏の『ザ・ファシリテーター』。これも物語が面白すぎる。
1回の読書で済ませる、という考えがあるなら捨てて挑むことをおすすめします。
ちなみに『ザ・ゴール』を先に読むほうがだんとつ楽しめます。
ところで『ザ・ゴール』で主人公がジェフにいくら払ったのかがきになったまま。
大田 2020年11冊目
ファッション史において重要な10人にフォーカスして(してない)章立てしいるから、それぞれについて知れるかと思いきや、どうもフォーカスしているのは、「文化史」の潮流のほう。
その上で、ココ・シャネルや、ディオール、ギャルソンなどを姿を結ぶほどにまとめあげてくれていればいいのだけれど、そうではないうえに文章が上手ではないので、いろんな意味で読みにくい。
読みにくいんだけど、すごく良く調べているので、ファッションという文化の流れの断片の深度は深い。だから、それらから得る刺激は決して無駄ではないので、わたしは読んで良かったと思う。
が、ひとにはススメない。もっと良い本があるんじゃないかなーと。ファッションの他の業界へまで及ぼす影響や、逆にファッションが他の業界から受けた影響をよく知るために良い本は。
見つけたらまた紹介します。
大田 2020年10冊目
わたしは仕事で店舗などの空間プロデュースをすることもあって建築家の研究をしているのですが、小川晋一さんのミニマルなデザインに興味があります。
はたして住んでみて使い勝手はどうなのか、とても知りたい。
大塚に彼がデザインしたマンションがあるのだけれど、訪れてみたいな。
モデルしてか設置されている家具にも興味が湧く。
どう見せたいのか、住んでもらいたいのか、垣間見れるから。
それにしても、ミニマルにデザインされた空間に生まれる色気が、どこからくるのか不思議に思う。
大田 2020年9冊目