ダンテの『神曲』(The divine comedy)同様に、教養啓蒙の機能が盛り込まれている。キリスト教の知識を要する。
白鯨は、原題がいくつかあって、英国版が The Whale、米国版が Moby-Dick; or, The Whale。その後、 Moby-Dick; or The White Whale となって多く刊行されいる。日本では『白鯨』の題が定着。モビー・ディックって言えば、英語の場合、通じます。
サマセット・モームの「世界の十大小説」とは、1954年に刊行されたエッセイで、
キャンプや小旅行に行ったついでに読むような手軽さはいずれもない(笑)。
シェイクスピアやゲーテ、面倒だけどニーチェやキルケゴール等、なんというか教養としての基本っぽいやつは、さっさと読んでおいたほうが良いと思っているのですが、その理由は、
引用されるから。
エイハブ船長って、スタッブって、スターバックって、イシュメールってってことをなんとなく知っておくと、たぶん何かと助かる気がします。そしてそもそも読んでいて面白い(なにせ、著者ハーマン・メルヴィルは実際に捕鯨船に乗って従事した経験を元にして書いている)。海洋ってこういう感じかーという疑似体験をエンデュランス号漂流記とはまた別の感じで得られます。
今でこそ、鯨を食べることに気まずさを感じるけれど、作中ではがんがん美味そうに食されている。その他、生々しい描写は、温厚そうな鯨の別の面を多々提供してくれる。
にしても、こんなに長い本を忙しくて目まぐるしいこの時代にどう読み切れば良いのか?
答えは簡単で、上中下巻それぞれ8時間かかるとして24時間。一日にテレビを見る時間を1時間としたならそれを読書に当てれば24日で、ざっくり言えば1ヶ月で読めます。
テレビから得られる有用な情報は新聞や雑誌、ネットから10分の1くらいの時間で得られるので、それで読み終えられます。
シェイクスピア、白鯨やダンテは何かと引用されるので、また引用したいときにもできるようになるので、しょうがないです。
大田 2019年156冊目
ブランディング・経営に関連しないのでお勧めしませんが、
いろいろな国々のひとたちから日本での生活についてあれやこれ話を伺うような内容で、なかなか楽しめます。
科学的な統計が取られたものじゃないけれど、それでも、
確かに店員に挨拶されても答えないのってなんかおかしいかも?
とか
ビニール袋も日本だけなんだー
とか
イギリス人からしたらやっぱり馬を食べるのは驚きか
とか
セックスレスはやっぱり驚きに値する程度か
とか
そしてここには書かれていなかったけれど、陰毛をトリミングしたり処理したりしない傾向に驚く欧米人もいる。
ちょっと街を歩くときに観る目が変わる気がします。
大田 2019年155冊目
もっと生き急ぎたくて読んでみた。
同じように思う方がいたら、Kindleで買ってすぐ読んで、行動に移すと良いと思います。
忙しいと暇は同じだとか。
堀江さんが太っていようが、脂ぎっていようが、変な服を着ていようが、やりたいことやっていて良いから、ほんと自分もそうして、堀江さんの本を読まなくて良いようにしたい。ほんとさっさと。
大田 2019年154冊目
いつも不思議に思うのだけれど、科学者たちはどうしてこう文学に精通しているのだろうか。
この本の著者のヘレン・フィッシャー博士のみならず、多くの科学的な本において、文学からの引用を多く見る。
シェイクスピア、オスカー ワイルド、カント、いろいろ。
さて、本書の残念なところは、90頁に及ぶ参考文献や注釈が割愛されているところ。
なので、そこまでさかのぼりたい方は、英語版の方をおすすめします。こちらにはキンドル版もあるので便利です。
人生において幸せでありたいのであれば(もしくは「幸せになりたい」のであれば。ただし、幸せは「なる」というより気づくことで発生する)、恋愛の構造を熟知することを避けられない。恋愛やセックスが幸福におおいに関連するうえに、「自然」つまり遺伝子の設計に任せていると幸福からかけ離れていくし、離別しやすくなります。
わたしたちは、「子孫をできるだけ多く残す」という設計がされているし、その設計は、狩猟採集生活を前提にされています。
4歳くらいまで、子どもを育てると新たな遺伝子の組み合わせを求めて、夫婦は離別しやくなっています。
これは人種や国を問わない一般性の高い傾向です。
この本の原題は、
Anatomy of loveで、直訳は、愛の解剖学です。
その名の通り、愛がどのように形成されているのか、ということが詳らかにされています。
著者は、愛の起源から未来の在り方まで記しています。
未来では、女性の活躍がめざましくなるだろうと説いています。著書は1993年に出版されたものですが、その傾向は、現代において、たしかに高くなっている気がします。AI技術の台頭が、その傾向というとか潮流を後押ししていくのではないでしょうか。男性優位の文化は、肉体労働が重要だった農耕民族が起源と言われているからです。
経営も日々もアートも大事ですが、恋愛はそのどれもと同じくらい大事な気がします。
なぜなら、それが形成するのは、幸福と子孫だから。
大田 2019年153冊目
続編が2冊でているし、著者による派生本もでているので、そちらから読み始めても良いかも。
今年読んだベスト5に入るかも。
本書は、2005年に出版されたものだけれど、最新のは2016年なので、事例がアップデートされていると思われる。
ただし、おしむらくは、本書シリーズは分厚いのにKindleで出ていないこと。
出版社の森北出版株式会社の主義なのか?
内容は、エンジニアリングな失敗例を200を分析し(分析していくアプローチも巻頭で紹介されています)、それらが41種類の失敗にカテゴライズされる、というもの。卑近な失敗から世界的大事件まで。成功例から人は学ぼうとしがちだけれど、失敗から学ぶことのほうがかなりリアルで実利的であり、かつ、意外にドラマティックである。事故で亡くなったり、怪我をされた方々を思うとドラマティックという言い方は不適切に聞こえるかも知れない。その言葉を選んだ理由は、事故を見るとき、そこに必ず人生が大きく変わってしまった人々を含んでいるということ。それを思うと、分析という情を排した姿勢で接するも、その奥に無数の人生が関わっていることを感じると、敬虔に学ぼうという姿勢になっていく。それがドラマティックだと思うのです。
わたし、中尾 政之さん、好き。
その理由は、本書の目的を、「失敗を起こさない!」ではなくて「うまく設計する」と設定しているところにもあります。
また筆致も心地よい。
余談:読点を「,」としているあたりは学者っぽい。
大田 2019年 152冊目
幸福を得るためにどうすべきか?を科学的にアプローチした内容。
肝は、幸福感を構成する40%部分。
こちらの動画に要約があります。
テキストで書くと
幸福の構成要素は、こうなります。
50% Set point(遺伝子)
40% 意図的な活動
10% 環境
幸福感が遺伝子で決まるということについては、ユヴァル・ノア・ハラリさんの『サピエンス全史』でも書かれています。それが50%ということですね。
10%の環境とは、資産とか容姿とか健康とか。
残り40%の活動には、意思で関われるので、そこにフォーカスしましょ!って話でした。
結構、他の論文や著書とも整合性の取れる内容で、納得のいくものでしたが、アプローチはあんまりコミットできなかった。なんでかっていうと楽観的になることの重要性を説いているんですが、そこに至るのがハードで、そのハードさを回避するのが、時間(未来)と幸福の関係だったりするというのがわたしが学んできた経緯であり、心地よいアプローチだったから。
アドラーや進化心理学経由が、わたしの場合はしっくり来ました。
でも、この本で得ることは多々あるので、幸福に興味がある場合は、まず着手しても良いと思います。
が、複数の中の一冊にすることをおすすめします。
そもそもどんなテーマでも1冊はあまり良くはないんですけど。
大田 2019年150冊目
三田紀房さんを久々に読みたくて着手。
株式会社コルクも興味あります。
でも久々に読んでみて思うところは、
自己啓発系はしばらくいいかなーという感慨。
いろいろ行動に移しながら、
思想や方法論は修正していきたい。
そういう意味では、またパラパラ開くかも。
それにしても、三田紀房さんの既存概念を壊して漫画を生み出していく姿勢は、すごく真似したい。
大田 2019年149冊目
ペイパルの創業者の一人、ピーター・ティールによる
ゼロから1へすることの大切さと危うさを説いた本。
2004年の出版。
著者ではない方の長い序文がある本は嫌いだが、本書の本文は学びが多かった。
ジェフリー・ムーアの『キャズム』(Crossing the Chasm)に通じる。
どのあたりが通じるかというと
スタートアップの頃から、目指すもの、というかドグマ、というか約束みたいなものは
しっかりしておく必要がある、という部分。
それと盛衰をチャートでイメージする部分も似ていました。
何度か読み返したくなる気がします。
※ティール組織とは無関係。
大田 2019年148冊目
こちらも恐竜と哺乳類の進化に迫ることで、
生き延びることまたは滅ぶことの要諦を学べました。
なぜ卵から胎盤を持つようになったのか?
ぜんぶ単純に
生き延びられる可能性が増える
というトライアルの結果。
トライアルは個体でも種でも無数に行われている。個体の意識以上と動因で。
大田 2019年147冊目
2006年出版のNHKスペシャルの番組の書籍化
恐竜の時代から生き残り反映してきた哺乳類の軌跡を伺い知れる内容。
読みやすい。
恐竜を食べるレペノマムスがクール。
滅びたり、生き延びたりという生物の歴史の流れを見ていると
ビジネスや人生はその縮図に見えてきます。
個体や一企業の盛衰は、当たり前。
でもそれぞれにドラマ有り。
プレイヤーとして楽しむには、虫の目、鳥の目、魚の目だということを得心する内容でもありました。
生きているのは、当たり前じゃないですなー!
大田 2019年146冊目
産業業界以外の方には、あまり関係がないのでオススメはしません!
仕事に関連して読んだだけです。
大田 2019年145冊目
おもしろいくらいにエビデンスがない。
大田 2019年144冊目
シンギュラリティは来ないということをまず知ることができます。
AIとは、そもそも関数であること、
「AI」と呼ばれているものは、教師データが必要であること、
フレームが必要であること、
等々を知ると同時に、
真の意味でのAIは登場せずとも、人間がしている仕事を近い将来、そのAIに奪われていくというのは避けられなさそうだということ。
その理由が、
読解力のない現代人(子どもに限らない)。
AIは、意味を理解できないのだけれど、
だから「意味を理解する」ということがAIに奪われない仕事をする能力なのだけれど、
その能力を持った人間がすごく少ないということが問題だなのだそうだ。
人材不足なのに、失業者が増えていく、そういったAI恐慌が起こるのではないか、と著者である新井紀子さん(声が高くてかわいい)は説いています。
たんなるディストピアではないように思う内容でした。
ただし、この本で著者が言いたいのは、
怖い怖いディストピア的なAI恐慌が来るで!っていう警鐘ではなく、
AIにできないこと=人間にできること(≒やって楽しいこと)
※カッコ内は私見
ということを理解してそこを教育を通して強化していきましょう!
ということのようです。
AIが進化すればするほど、AIができないことが明確になっていきます。
なのにAIをよく知らない人たちが、まさに戦々恐々として実態をみようとしないと
ハレー彗星におののいて、変なことしてしまった人たちみたいことをしでかしちゃうよ、と。
AIできないことを知ってそこに注力していきましょうよ、と。
彼女の帰結のひとつは、「ブルー・オーシャン戦略」に近いものでした。
そんな流れも得心を強化するものでした。
あと文体も心地よいので、いらないハードルはなかったです。
こりゃ一回読んでおくべきだ本だと強く思いました。
大田 2019年143冊目
この本の出版が、2002年で16年に重版しているのだけれど、やっぱり古い。
マスマーケットが前提だった時代のモデル、という感はいなめない。
じゃあ読まなくてよいかって言ったら、それこそ文脈を理解するには
通っておいたほうがいいんだろうなぁというのが私見。
得るものあるレガシーとして捉えることは可能。
ブランドの構築というのは、時間を含む積み重ねに依る部分が大きい。
それをコンテストとくくって、関係する存在を単純化してモデルにするってのは、
やっぱり、理解を促進させる。
実例も含んでいるので理解はより進む。
それでも、正直にわかりにくい。
話は、それほどに複雑か?
という疑念が湧く。
そしてCDPAの時代のモデルでもあるのだろうなと思うと少し距離を感じる。
時代は、もう計画の緻密さよりも腰の軽さとやりながら修正していく風を読む力とあと「でも元気」っていう健康が求められているのではないでしょうか。
そういう意味では、本書は、読むに値するが、「その文脈があって今」という流れを知るにとどまるかもしれません。
これから、マーケティングがどれくらい重要なままでいるのか、重要じゃなくなっていくのか、という問題には、わたしは、後者のほうが可能性が高いじゃないかと感じてる。
大田 2019年142冊目
阿刀田高さんの『やさしいダンテ』を読んで、原書ではどうかかれているのか確認するのにもってこいの本。
ボッティチェリの絵画は、キンドルのペーパーホワイトで読むとあんまりわからない。
翻訳が今とは異なっているところがありますが、参照できるし、モノクロで見てててもボッティチェリが神曲をテーマにどんな絵を描いたのか知るのは楽しい。
じっくりは読んでもわからない。
ただウェルギリウスのことを「師」としかほとんど書いていないことは、行数が明記されているところなど、これはやっぱり原書(翻訳されているから、なんていうのかなー。ほんとは)で読む感覚は、解説された本では得られないので、買って読んで良かったと思える。
わたしの中では、これにて、一度ダンテから離れますが、阿刀田さんの解説された本があって本当に良かったと思える教養でした。
大田 2019年141冊目
あっちって何かっていうと、エリートワールドです。
わたしもまだまだ「こっち」なんでよく知らないですが(笑)
世界情勢とかまともに理解している人たちの間では、基礎的教養というものがあって、例えば、シェイクスピアの『リア王』なんてすぐに喩えに使われたりします。そのほかにも『白鯨』だったり、ディケンズだったり、『ファウスト』だったり。その上、ラテン語の基礎知識だってないといけないみたいです(佐藤優さんの言)。
世界情勢については、地政学がどうしてもどうしても避けられないんですが、その際、宗教の基礎知識も必要になってきます。
とは言え、学ぶのは億劫。
そんなあなたに優しい存在が、
阿刀田高 先生!
阿刀田さんが、優しく解説してくれる、新約聖書、旧約聖書、コーラン、ギリシャ神話、シェイクスピアなどがあります.
そしてダンテ・アリギエーリの『神曲』(The Divine Comedy)。
これ、あとで紹介しますが、そのまま読んでもチンプンカンプンです。
なので、教養全般に精通した阿刀田さんを経由してい理解するのが一番。
楽しく読めます。
読んだ上で、映画『インフェルノ』を観るとそこそこ楽しいし、東京上野にある西洋美術館のロダンの地獄の門もさらに楽しく観ることができます。
ちなみにインフェルノとは、地獄という意味です。
神曲は、地獄、煉獄、天国の3つに分かれています。
大田 2019年 140冊目
ハイテク産業を前提とした落とし穴の話。
クレイトン・クリステンセンの『イノベーションのジレンマ』とテーマは近いし、両書とも必読書だと言われている(山口周さんの「できれば読んどけ」に入っている)。
原題は、Crossing the chasmで、「キャズムを越えて」みたな意味か。
キャズムは、アーリーアドプターとアーリーマジョリティの間に空いています。
じゃあ、アーリーアダプターになってから知ればいいか、って思いそうになりますが、アーリーアダプターになる前から、アーリーマジョリティになってもできる約束のもとビジネスしてきましょ!って話なので、さっさと読んでおくほうが好手ってことになります。
ただ古い。VUCAとかシンギュラリティとか言われるこの時代にどれほどそぐうのか?
ということで改訂版がバンバン出ています。
古くても読まれているんだから、精通しておいて損はないとも言えます。
マーケティング理論ですが、いろいろやりながら、常にパラパラと眼を通したい本じゃないでしょうか。
内容はテクニカルな話なので、ここで紹介してもわかりにくので端折ります。
大田 2019年139冊目
世界中のクリエイター18人の考えを
作る
ハックする
学ぶ
パクる
の4つのカテゴリにわけて掲載した本。
クリエイティブ関連の業界は、他の業界と同じように大きな変革を前にしています。
マスが消失して、マーケティングの意味や価値も消失し始めて、金の意味も変わりつつあり、今でも広告界に大きな資金が投入される媒体となっているテレビもその存在意義は先細りになるのが現状です。
この状況はVUCA(ブーカ)と呼ばれ、V:Volatarity(不安定さ)、U:Uncertainty(不確かさ)、C:Complexity(複雑さ)、A:Ambiguity(あいまいさ)の頭文字を取ったもので、意味としては、「これから先のことはよくわからないよね」ということとほとんど同じです。職業だって、「将来になりたいもの」を子供の頃に考える意味なんてないと言われていて、その理由は、今ある職業は20年前にはなかったものが多い!ということ。例えば、Youtuber。他にもいろいろあるけれど。
話を戻して、この本ですが、
著者の思考をまとめたものではなく、18人の思考を紹介したものなので、統合された思想とは言えません。そのかわりに、彼らの試行錯誤をトレースできるというメリットがあります。加えて、4つのテーマにわけてくれているので理解しやすい。
そして、ここに通底しているのは、
とにかくやってみる
ということ。
これはビジネスシーンでも今よく言われていることで、やりながら修正していけば良いし、失敗したらまたやり直せばいいと。
そのために必要なのは、失敗しても良いマインド、なんですが、それはキャロル・ドゥエック先生の「マインドセット」という本に書いています。
なので、この本、とっつきにくそうなおしゃれな装丁ですが、読めば元気になります。そして元気になったなら、何かに挑戦してみると良いと思います。
わたしもさっそく、だれも欲しがらないポスターを作ってみました。レシートを壁一面になるほど大きくしたポスターです。届いたら、本物と同じような折り目や千切り跡をつけて、リビングに飾る予定です。
大田 2019年138冊目
Amy Cuddy博士同様、またTEDつながりですが、Ricardo Semlerさんは、小さなファミリー企業をブラジル屈指の大企業にまで大きくした経営者で、TEDでのトークが有名です。
動画は20分。
彼は、複雑化する企業の成長傾向をまっこうから否定して、ルールを無くしていく、ということをしてきた方です。
「お金がいっぱいあるときには時間がない。でも時間ができたときには、(つまり退職したあたりかしら)お金も体力も少なくなってしまっている。それについてどうしたら良いか30年考えて続けてきた。だから、退職してから、祈願の山登りをするんじゃなくって、来週したらいいじゃん」
という考えに、自身の癌家系というリスク経由で、至ります。
パタゴニアも近い哲学を持った企業だった気がします。
リカルドさんは、毎週、月曜日と木曜日に、How to die、死に方を考えるターミナルの日、つまり人生最後の日々として過ごすようにしているそうです。
その日に、お医者さんに「あなたはもう長くはないよ」と言われたときにしておきたいことをしちゃう日と考えているそうです。
「アリとキリギリス」でいうところのキリギリスに努めて成っていきましょう、とも言えるでしょう。
結果どうなるかというと、
「やりたいことをやったリスト」が増えていくそうです。
ハワイでぼうっと過ごす? やったなー
エベレストに登る? 麓までは行けたなー
子どもたちと心ゆくまで過ごす? けっこうやったなー
と。
それって大事なことじゃないでしょうか。
かなり核心をつく考えなんじゃないでしょうか。
わたしたちは、兎角、社会貢献や自分の才能を使うことに躍起になります。
経営者ならなおさらでしょう。
家族との時間より多くの社員たちの生活を守るために不眠不休で頑張らないと!と思いがちです。
でも、それこそ「ターミナル」といわれる死を待つ人たちがいる施設でのインタビューで良く聞くのは、
「もっと自分の時間を大切にすればよかった」
という言葉なのだそうです。そこから、わたしたちは学んだほうが良いのではないでしょうか。
ひとりで頑張らずに、みんなで頑張れば、いいんじゃないでしょうか。
ということで、じゃあ信じあってやってみっか!
というのが、リカルドさんの編み出した経営スタイルでした。
出勤時間の管理もしない、
何日休むかも管理しない、
どこにいるかも報告しなくて良い、
給料も自分たちで決めて良い
と。
数千にもいる会社なのに。
リカルドさんは、この試行錯誤を
Looking for wisdom
と表現していました。
Wisdomは、叡智と訳すのでしょうが、本質を言えば、
「偏見や思い込みを取っ払うと見えてくる本当に大切なものを見つける眼」
ということになるでしょう。
そんな彼が、wisdomをみつけるために簡単な方法を紹介しています。それは
Whyを3回繰り返すこと
実際に著書の中では、何度もwhyが出てきます。
一番最初に出てくるwhyはこんな感じ。
Why are we able to answer emails on Sundays, but unable to go to the movies on Monday afternoons?
(わたしたちは、日曜日にEメールに返信はできるのに、どうして月曜日の午後に映画を観に行けないのか?)
翻訳された中古本がやたら高かったので英語で買いましたが、翻訳本もあります。
今年読んだ本のベスト3とか5に入る本でした。
大田 2019年137冊目