著者のAmy Cuddyさんは、彼女の自身のプレゼンスが素晴らしいので
読んでいて楽しい。まずはTEDで彼女の姿と立ち居振る舞いを観て欲しい。
彼女のプレゼンしている「パワーポージング」の効果は、残念ながら出版後、他の科学者たちによって否定されています。彼女のオリジナル論文の共著者であるカリフォルニア大のダナ・カーニー博士が、パワーポーズに関する否定的な文章を発表までしちゃっています。
それでもこの本を読んだ理由は2つあって、ひとつは「パレオな男」ブログの鈴木祐さんが、
本の前半は、ほぼ「プレゼンス」の説明に使われてるんですが、心理学における「自信」研究の総ざらいみたいな感じで楽しく読めます。要するに、たんに自分の価値を信じられるだけでなく、すべての要素がスムーズにリンクしていないとプレゼンスにはならないんだ!って話でして、このあたりは激しく納得でした。
と紹介していたからです。
著者のエイミーさん自身もインポスターシンドロームに苦しんでいたとのことで、自分の力を発揮することを妨げる「自信の無さ」をどう克服するのか、という試行錯誤の結果、得ていった知見には触れるのはとても価値がある思えました。
実際に、下記の文はとても説得力がありました。
True confidence stems from real love and leads to long-term commitment to growth. False confidence comes from desperate passion and leads to dysfunctional relationships, disappointment, and frustration.
(真の自信とは、本当の愛から生まれ、そしてそれは長期間に渡って成長を促すコミットメントにもなります。しかし、必死に努力することで獲得される自信は、正しい自信とは言えず、それは、人との関係性の不具合や落胆、不満を生じさせるものになるのです。)
つまり、言い換えれば、頑張ることによって得る自信というのは、「自分はこんなに頑張ったから成功した!立派になった」というもので、それは、頑張らない人、できない人、まだできていない人たちを否定してしまう自信になってしまう、ということです。
身の回りを眺めてみると思い当たる方がいるのではないでしょうか。わたし自身、そういう傾向があった気がします。(別に成功したって思ってないですけど。)
それに比べて、愛によって生じる自信、とは何かというと「セフルコンパッション」に近くて、もう今すでに、
「それでええんやで。生きているだけでジブン十分に立派なことだし、そんなあなたのこと、すきやで」
という思い(その主語は他者であっても、自分であっても良い。という自分である必要がある。)から生まれる自信ということになります。
この辺の知見を多くまとめているので、それだけでもこの本を読むに値すると思います。
思いの外、人は皆、なんだかんだ苦しんでいるみたいですね。
そこから開放される、または上手く付き合っていく方法をこうやって得ていけるのは嬉しいものです。
大田 2019年136冊目
太陽が太陽に見えないし、むしろ月のほうが太陽に見えるし、
家庭教師の犬、トムが子どもたちに曲芸を教えちゃうのもちょっとなーと思うも、
それに反省した母親の月は、
では、自分たちで子どもたちを教育するわ!ではなくって
またべつの人たちに子どもたちをまかせるところなど
めちゃくちゃで、おもしろい。
ジャン・コクトーの唯一の絵本なんですが、シッチャカメッチャカで、今まで食指が動かないでいたコクトーでしたが、これを機会にアンファン・テリブル『恐るべき子どもたち』を読んでみようかなーっとちらっと思い始め巻いた。
大田 2019年135冊目
Kindleだと460円で買えますぜ。
読後感は、「ツラい」。小説の最後にハリケーンの到来が予見されているのですが、わたしが読み終えたときも東京に台風がやってきて去っていくところで、その偶然もあって、小説の重さに引き込まれました。
いい具合に物事は運ばないし、かといって、人工的な絶望で全部包んだりもしていない。
いちいちリアルだけれど、疲れるほどリアルでもない。
主人公のロイは、意外に(服役をしていたような生涯を送っている)読書家。
わたしは、アメリカ南部、ヒューストンのそばにあるガルベストンという地に行ったこともないし、どういう土地かもしらないでいましたが、波おとや陽の暑さなどを小説を通して感じました。
映画は観たくないけど(ツラいから)、妻が観たがっているので、ふわふわした毛布を抱きながら、ウイスキーでもすすりながら頑張ってみてみるつもりです。
大田 2019年134冊目
長島 有里枝さんの写真集。
アートディレクションは寄藤文平さん。
いつからか包装紙がデザイン界で流行り始めましたが、この写真でも多分に使われています。
そのラフな質感と長島さんのスイスでの滞在中の日記のような散文に、活版印刷か活版印刷風の文字(ずれていたりする)が、わざとらしいが楽しい。長島さんのサインの練習したものまで印刷されています。
長島さんにとっては非日常なのですが、写真にはスイスらしさがなく、彼女にとって日常のなかにある非日常を撮っているように見えて、それを通して読者が得るのは、わたしが思うに
です。
床に落ちたゴミ、床にあるなにかの跡、干された下着。それは特別な風景ではなく、でも何かシャッターを切らせるものがあって、それを見るものに伝えようする気持ちを見て取れます。
こうゆう写真を見ることで、わたしたちは、自分たちの日常の大切さを感じられるようになるのではないかと思います。
好きな写真集ですが、手に入らないかもです。
大田 2019年133冊目
最近、絵本をよく読むのですが、感心するのが、
絵本のいくつかは、さして教訓めいたことを言うわけでも、何かがばっちり起こってドタバタするわけでもないのに、心に何が小石のような思いが生まれて置かれる、そういう話を作り出すところです。
あれは、どういうことなんだろう、といつも思います。
さて、この絵本ですが、村上春樹さんが気に入ったので、翻訳しちゃったので日本でも出版してみた、という気配がありますが、それに関係なく、楽しめる絵本です。話も絵も素敵なんですが、何がおもしろいかというと絵の細かな描写です。
翻訳者の解説にもありますが、不要な手紙は、郵便受けの横に便器が置かれていて、そこにジャンクメールというサインが付けられていて、広告やDMはそこに入れてくれ、という主人公のおじいさんの性格が表現されています。またポーチの横にはバスタブを鉢に、野菜(ポテト!)が植えられています。それが季節によってもう枯れていたり、青々と茂っていたりします。
お話と一緒にそういうのも楽しめます。
大田 2019年132冊目
川内倫子さんの写真集。
2001年の出版だから18年も前に出ていたんだってことに驚く。
いっとき、川内倫子さんの写真をやたらに目にしたいたので、一世を風靡したと言っても過言ではないフォトグラファー。
生と死といくぶんかの性を、ローライフレックスで正方形に切り取った風景の中に見ます。
彼女のストロボの使い方が好きです。
大田 2019年131冊目
例えば、元グーグルのピョートルさんの著書も、旧態依然とした思考では、今後やばくなるよね、ってことを言っているように思いますし、堀江貴文さんも「さっさと面白いと思うことやれば?」とうんざりするほど言い続けています。アトキンソンさんの「日本って実力あるのに間違ったことばかりやって、わたし日本好きなんでちょっとちゃんとして」という意味の著書群も、古い思考から脱却しないとあかんでなーという点では、遠からずの論だと思います。
これは、わたし自身も振り返って、とくに堀江さんの本を最近読み散らかしていて、思うことなのですが、
って、結論に繋がります。
本書は、そもそももうちょっと概観的な、潮流の話をしていますが、読んでからどうやって行動に置換するのか、ってなるとやっぱりさっきの「おもしろいことやってみる」ってことに帰結します。
山口さんは本書で、『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」』でも言っていた、
正解を出すってことはもうコモディティ化されちゃってて価値が低いんやでー
ということを繰り返しています。
正解を出さずに、じゃあ何を出すのかって言うと、
問題解決じゃなくって、問題発見
ってことだと言っています。
これはAIには難しくて、人間には可能な仕事だとも誰か他の場所で(もしかしたら山口さんだったかな)言っていました。
生きるために働くって概念を捨て、
金になるからって発想も捨てて、
じゃあ何が残るのかっていうとものすごく曖昧な
ただただ「これっておもしろいんじゃないかな」ってことを手当り次第やってみて
「やっぱりおもしろい!」ってことに没入してみる
って姿勢のようです。
言い換えれば「セレンディピティ」って、ことになるかもしれません。
セレンディピティとは、
「何の役にたつのかわからないものを集めて、あとから意外なところで役に立ってなんとかなっちゃう力」
みたいな意味です。漫画『マスターキートン』の平賀 キートン 太一みたいに「あれ? これなんじゃろ? どうやって使うのかな?」と思うものをポッケに入れて、それがのちに窮地を救うものになったりする、という至極至極あいまいな展開の可能性を孕むもの。それがセレンディピティであり、これから大事になる姿勢のようです。
その姿勢イコール「NEW TYPE」というキャラクターに仕上げている本書では、その特徴を24設けています。いますぐ効果がでるわけではない行動変容ですが、中長期的は、大きな結果に(気づかないうちに)なっていく気がします。そして、世界観に関しては、けっこうすぐに変わります。
きっとですが、人生が、楽しくなります。
しなくてはいけないことをするのではなく、おもしろいことをすれば良いのだから。
でもお金は?と
お金の心配をしてしまうなら、ブッシュクラフトの知識をみにつけることをおすすめします。
寝床を確保して、水を得て、火を熾し、食べ物を見つける、捕まえる技術があれば、お金がなくなっても生きていきます。
大田 2019年 130冊目
雑誌『I’m home』の増刊、ホテル特集のvol.2
冊子のデザインは魅力的はありませんが、平面図や設計事務所、グラフィックデザインなど担当事務所が掲載されていて便利。
店舗やホテルの企画をする方には良い資料。そうではない人なら、ホテルマニア以外にはおすすめしません。しかしわたしはとても楽しめました。
WOOD DESIGN PARKのじゃぶじゃぶ池に設置されたテーブルと椅子、川の上のスカイデッキなど、超絶に楽しい。
掲載されているホテル:
大田 2019年 129冊目
また、ホリエモンですが、ホリエモンファンではありません。ただどうもわたしの脳は今堀江貴文さんの本を欲しているので、しかたなくフィードしている状態です。
さて、どうして欲するのかと言うと、堀江さんの本って、突き詰めると、ある種の人、「わかっちゃいるけど前に進めない」という感覚の人への「アホじゃね?やれば?」というエンカレッジメントだからなんです。
たぶんですが、彼自身、迷ったりしながら、いろいろな決断をして、それでも間違えたりしながら、今に至っている。そして「あー、これが正解かもな。みんなにも教えたいな。だってみんなちょー無駄なことしているじゃん」というラピュタ発見と同じ、怖いながらもとうりゃんせの先にあるものを教えたいおせっかいが、彼の出版のだいたいの動機だと仮説しています。
この本で、わたしもとりあえずひとつ捨てたものがあります。
もっと捨てたいので、どんどこ捨てていこうと思います。
この本自体はとても良い刺激を与えてくれます。
ただ、これ、堀江さんの経験則で、堀江さんのマインドセットで見つけたいろいろなんですよね。でも「堀江さんだからできるんですよー」という解釈ではありません。でも、堀江さん独自のってのは、いくぶんあるんです。気をつけたいのは、堀江さんが言うよりにやれば良いんだ!と思って上手く行かないことにへこたれてしまうこと。だから、堀江さんの本を読むなら、堀江さんの思考とは幾分遠いというか、もっともっといろいろ別の知識があるとバランスよく「自分の」方法論を作れるんじゃないか、と思っています。
ただ、堀江さんの生きる欲求ってすごく強い!ってことには、わたし惹かれています。彼は情報がすべてだと言っていますが、その集め方、使い方にすごい密度があります。それも真似したい。
大田 2019年128冊目
あとがきにもありますが、加古里子さんは、ロシアのモイセーエフ舞踏団の「パルチザン」演目に出てくる、雑踏に見えて、その実各人各様のキャラクターがある多様な様子にインスパイアされて、この絵本でのカラスの描写をしてみたそうです。
多くのカラスがでてきますが、みな表情や仕事や姿が異なります。そして出てくるパンもまた、みていてワクワクしてしまいます。イタリア、ボローニャに在住のワイヤーアーティスト、小林千鶴さんのInstagramで見かけてしったのですが、この「カラスのぱんやさん」に出てくるパンのレシピ本もあるようです。
宮崎駿さんの映画『風立ちぬ』のモブシーン(大勢の人間がいっぺんに動くシーン。地震が起こるところ。)でも、同じように各人各様の描写にこだわって、大変な時間をかけていたいました。みなひとりひとりそれぞれの人生があるということを、うすぼんやりとわたしたちはこの絵本から学ぶのではないでしょうか。子供に限らず。
多くの人に、あまり好かれない烏ですが、この絵本を読むと
あ、ぱんやさんのカラスかも?と想像して笑えるかもしれません。
この絵本ひとつで、わたしたちの世界は、夕焼けのように広がっていきます。
大田 2019年127冊目。
エビデンスベースという感が少し弱い。例えば、癌の自然治療医による指示(「コーヒーとスコーンの摂取頻度をさげるように」)は、何を根拠にしているのかわからない。癌とコーヒーに関しては、「コーヒーはいかなる部位でも癌との優位な関連はない」ということを、97年に世界がん研究基金が発表しています。
このように根拠の深度や信頼性にはムラがあるように見えます。
しかし、この夫婦の飽くなき試行錯誤は、たいへん面白く、真似したい。その軌跡は、ほぼ物語で、微生物を通した二人の物語という印象を受けます。
妻のアン・ビクレーさんが自分の癌を知って、美しい夕暮れのグラデーションを見ながら、膝をついて泣く姿は、強く心を打ちます。
身体の中、土の中の微生物についての探求は、いちいちおもしろく、知らない世界が広がっていきます。
科学的な専門書というよりは、知見を得られる小説(ノンフィクションの)でも読むような心持ちで手に取る本でした。
わたしは、最近、自然のなかで過ごす頻度が多くなったので、土や川の水にふれる機会がその分多くなりました。
その見える世界の奥にある微生物の世界を恐る恐る感じていました。それらに少しは近づけたように気がします。
それが嬉しい。
ところでこの本、カバーを取った中の装丁がチャーミングです。
それから翻訳者の片岡夏実さんは、微生物や昆虫などをテーマにした他の本の翻訳もされているからか、読みやすい翻訳をされている気がします(原著を読んでいないから比較できないが)。
これは、バカンスに持っていってプールサイドでまたゆっくり読みたいなぁ。
大田 2019年126冊目
メンタリスト、DaiGoさんが翻訳をされていますが、(ライターの、有動敦子さんと一緒に?)、かなり読みづらいのは元の文章のせいか翻訳のせいかはわかりませんが、それでも、得るものはいっぱいあって、読んで良かったと思うし、紹介されていることをいくつか実際にみにつけてみたいと思いました。
また、DaiGoさんが、彼のメンタリズムを体得するために、本書などを読み込んだことを思うと、その熱意に打たれるものがあります。
メンタリズムは、胡散臭さの奥に、知識と技術と訓練があって、そこにみる「しつこさ」は、ある種アカデミックな姿勢と合致するように思います。
チャルディーニの「影響力の武器」とともに読んで、学んで試して、自分の道具にしていければ、人生がそれだけでも、もっと楽しくなりそうです。
思うに、知識というのは、おもちゃみたいなもので、手に入れたら使ってみたくなるし、使うことによって、わたしたちは自ずと鍛えられるのではないでしょう。
私自身は、おもちゃを買ってばかりいるので、使ってどうだったか?という話しをそろそろアウトプットしていきたいと思いました。
大田 2019年125冊目
アホみたいに文字が大きいし、胡散臭いタイトルと表紙デザインですが、内容はちゃんとしている印象です。鈴木祐さんの本でデザインが良かったのは、『最高の体調』と次いで『パレオダイエットの教科書』です、本書と『超ストレス解消法』は、週刊誌感が強い。
医療関係って、忙しくて不勉強な医者より、詳しく調べる非医者のほうが、正しい知識を持っていることがあるように思います。これは、医者に限らないかもですが。だから、ほんと面倒なんですが、自分で調べる、ってことにつきます。そういう意味では、この本すら疑って良いのですが、その点、本書が楽なのは、論拠になっている研究論文が巻末に載っているので、調べやすいです。
本書にも書かれていますが、科学の世界で一番信用してはいけないものは、
なんです。
じゃあなんなら信用に値するのかというと
1位 メタ分析
2位 RCT(ランダム化比較試験)
3位 観察研究
そして、専門家の意見には、特に意味がないと目されていますし、わたし自身もそう仮説したままにしています。堀江貴文さんも良く「ググれ、カス」と口にしていますが、まずググるくらいから始めるのは、最低限と考えるのが妥当だとわたしも思っています。
例えば、本書には、書かれていませんが、すでに他界したものの人気の心理学、河合隼雄先生が日本で広めた箱庭療法ですが、あれすら科学的な根拠はかなり希薄です。河合さんのインスピレーションで思いつかれた方法であり、分析的な検証はほとんどされていません。あっても、観察研究レベルだったはずです。
以上のように、専門家の、それも人気だったり、村上春樹さんと対談するような方だったりしても、だからといって、そのまま信じて良いわけじゃないんです。
グルグル♪のグルコサミン(とコンドロイチンも)ですが、4000人を対象としたスイス ベルン大学による研究で、「まったく効果がない」という結論が出ています。
磁気が体にいいという商品に関しても、科学的には証明された研究はありません。
では、何が健康に良いのか?
1. 友だち
2. 質の良いカロリー
3. 歩く
の3つでした。
3に関しては5,000本/1日は最低限で、それ以下だと身体に悪いです。著者の鈴木祐さんは一日3万歩歩いています。わたしは、一日1.3万歩です。iPhoneには、勝手に歩いた歩数がカウントされる機能があるので、それを使うと楽しく歩数をチェックできます。
それでも、エクササイズよりずっと良い人間関係のほうが長寿に貢献するので、良い友だちを作るのが好手です。友だちの作り方で良いのは、中高年にとって最も良かったのは、合唱をすることでした。
大田 2019年124冊目
2、3回くらい彼の言うとおりにやってみたって良いんじゃないだろうか
「苦手」とかいいつつ、キングコングの西野亮廣さんや堀江貴文さんの本を読みたいのは、
「ああ、もう知識は使いたいし、実際にやってみたい」
という実践者への羨望があるのだろうと思いました。
それに尽きるのではないでしょうか。
本は、読むだけじゃ正直、リターンがありません。
知識を持っていることの意味は、グーグルが機能するようになって以降、ほぼなくなりつつあります。
数学の問題を問いているとき、サイン、コサインなどは、アマゾンエコーかグーグルホームに聞けば答えてくれるし、なんならそのままサインなどをつかった計算までしてくれます。
もう、知識ってそんなに強いアドバンテージではなくなりつつあるかも。
とはいえ、メタ的な知識は欲しい。なぜなら、知っていることを知らないと検索すらできないから。
ほぼ、そのための読書と言っても過言ではないかもしれません。
本書は、「やらない理由」をひとつずつ消されていく機能を持っています。
金や時間がない、という理由は通じないし、その他の理由も通じない。
「やりたいならやればいい」
そして「やりたいことが見つからない」人への解答も紹介されています。そういう人を「熱中童貞」と呼んでいました。
わかりやすい。
大田 2019年123冊目
ここでもまたエントロピー増大。
デザイン思考としては、尊ばれる「単純化」、シンプルな結論に対して、複雑化のおもしろみを最近、いくつかの本の中に見るのですが、成長もまた老化としてみるとだまし絵のなかにいるような気持ちになります。
「宇宙の熱的終焉というスケールの大きい問題と同時に、同じ非可逆的なプロセスとして、人間の集団が営む社会的活動がクローズアップされる。大自然に熱的破滅という一方的な進行過程があるものとすれば、社会機構にもシンプルなものから複雑化、あるいは乱雑化へ……という片道通行があると考えなければならない。自然現象と社会科学では本質的に違うではないか……と思ってはならない。複雑化、多様性、平均的なものへの推移……というように問題をとらえてみると、自然と社会の両者の根底は、まったく同じ法則で支えられている、とも考えられるのである」
都筑 卓司 著『マックスウェルの悪魔』からの引用
経営者からするとため息がでてしまう内容ですが、
それでも、不都合な真実は、直視したほうが良い、のでしょう。
大田 2019年122冊目
わたしも、いくつか行動を変えようと思ったところがありました。
冒頭にも書かれていましたし、堀江さんは著書で頻繁に言っていますが、
本を読む時間それだけなら意味なんて何もないと。
行動を変えろと、やれと。
これは、彼の本だけじゃなくて、いろんなところで言われています。
わたしは、とりあえず週に4冊というノルマを設けていますが、
こうして本をたくさん読んでも行動が変わらなかったら、意味ないよね?ってやっぱり思っています。
ちゃっちゃっちゃったと行動を変えて、毎日をワクワク生きたいものです。
ということで、わたしもハッタリをやってみよと思います。
楽しみだし、怖い。
本書は、ただひとりによる経験則ですし、
わたしは、堀江さんのことを未だにべつに好きでもファンでもありませんが、
とても刺激を受けたし、人生が変わる本でした。
はやく堀江さんの本を手に取らないようになりたいものですが、
そんなくだらないこと言ったり、思っていないで、
いろいろやってみたら良いんでしょうね。だからやってます。
大田 2019年121冊目
そうだいな絵本。
川が生まれて海になるまでを一続きに見られる絵巻じたて。
これはアートじゃないかしら。
子どもだけじゃなくって大人も楽しめる本です。
加古里子(かこさとし)さんってすごい。
大田 2019年120冊目
「夫にとっては、 甚だ危険で、理不尽な妻の怒りだが、実はこれ、きずなを求める気持ちの強さゆえなのである」
もう、そうじゃないこともあるかもだけど、この一言に尽きるのではないか
そもそも結婚という制度、慣習が限界に来ているのではないか、と私は思っているのだけれど、とは言え、便利な部分もあるので、結婚したうえでできる工夫をやってみるのが一番はやい。
その工夫のほとんどは、
そもそも男女で世界がまるで違うってことの理解
に基づいている。
そのあたりを、黒川伊保子さんやライターの方が、とても上手くまとめています。
男性向けに書かれていますが、夫婦で読むと共有できて良いと思います。
妻と夫の関係には、優劣とか損得って本来はないはずなんですよね。
一緒に「ずっと」生きていくなら、どちらかの得は二人の得であり、どちらかの損は二人の損なのだから。
ただし、「ずっと」は生きていくつもりながないなら、そうはいかないでしょう。
男女ともに「ずっとではない」プランを持っている方々はいるでしょうから、その場合、一蓮托生リレーションは、成立ていない。
スムーズにそのプランが上手くいけばいいですね!とは思うも、その場合は、この本の知見の魅力は減ってしまうやも(それでも役に立つのですが)。
けっこう上手くやっているつもりのわたしでしたが、この本を読んで
「あっちゃーーーー盲点だった!」と思うところ多々ありました。
せっかくの人生、楽しむには、結婚しているなら、この本、もうかならず読んだほうが良いと強く思います。
大田 2019年119冊目
どうしたら楽しく生きられるのか?という自問はだいたい、この
チクセントミハイのフロー体験に行き着くのでは?
フロー体験なる怪しそうな言葉の意味は、「夢中になっちゃう」ということで、周りが見えなくなるほど没入することを指しています。
本書は、そのフロー体験とリーダーシップや仕事をどう関連づけたらいいだろうか?という視点から作り上げられたもの。
原題は、Good Business: Leadership, flow, and the Making of Meaning.
2003年の出版と少々古いですが、今尚支持されている概念です。
夢中になる、ということの重要性は、
Morten T. HansenのGreat at Work: How Top Performers Do Less, Work Better, and Achieve Moreの2章目のテーマに含まれる“obsess”にも通じるもので、ざっくり言えば、夢中になるってのは、楽しいし、成果にも結びつくようです。(章のタイトルはDo less, Then Obsessです。)
「ゾーンに入る」みたいな言い方のほうが今どきかもしれませんが、自我が消えていくような感覚で、気がついたらすごい時間が経っていたみたいなのが、このフロー体験です。
このフロー体験について、噛み砕いて照会している本にメンタリストDaiGoの『好きをお金に変える心理学』があります。実用的なので、ちらっと読むにはとても良い本だと思います。
戻って、本書についてですが、
仕事でうまくフローに入らない理由やリーダーシップなど、仕事に関連したフローを学べますが、それのみならず、人生全般に使えそうな知見も満載です。
フロー体験を求めるということは、どういうことかというと
新しいことへの挑戦というのことが常に繰り替える必要があるということです。
慣れちゃうとフローに必要な緊張感がなくなっちゃうからなんですが、
これってビジネスや人生の望ましい姿の示唆でもあったります。
わたしたちは、どんどん新しいことに挑戦して、人生を楽しむようにできているようです。
その仕組みを学べるところが本書のすごいところです。
どうせならということで他のチクセントミハイの本も読んでいこうと思います。
ところで、
「情報と秩序」のセザー・ヒダルゴの言説と通じるところが、本書には多々あります。
複雑さの肯定や、それイコールな話ですが、エントロピー増大への抵抗です。
合わせて読むと得心が加速するやもです。
大田 2019年118冊目
そろそろ、「科学的根拠に照らし合わせてみると、思い込んでいたことと実際は大きく違っていた」というファクトフルネス的開眼にも飽きてきたのですが、わたしにとって、そのシリーズの最終話的な存在となるのが、武田邦彦氏の『「正しい」とは何か?』。
自分が正しいと思うのは、(いや、正しいに限らず、自分で思うことは)、考える脳によるもの。
人には、2つの脳があり、「考える脳」の他に「受け入れる脳」があると武田さんは説きます。
結婚は、人生を二倍にするとも、述べているのですが、その理由は、価値観が倍になるからなのだそうです。喜びを分かち合うとかではなく、自分とは異なる価値観と一緒に暮らすことで、見えるもの、知ること、感じることが倍になる。
翻って、私生活を考えるに、であれば、伴侶の考えを、自分とは異なっていても、否定してはいけなくて、「受け入れ」ないと二倍にはならない。伴侶は伴侶の考えがある、わたしにはわたしの考えがある。そのふたつが生きていくことに豊かさと面白さがあるのでしょう。だから、自分も伴侶も言いたいことが言える関係である努力は継続しないといけないと肝に命じるに至りました。
あとがきは、タイミングよく2012年の総選挙について触れていました。
2009年の総選挙の際、「増税なき財政再建と高速道路などの無料化、子ども手当、衆議院80人削減」という公約をした民主党。彼らが、2012年の総選挙に立候補するのが「正しい」のか、を考えてみようと。
民主党は、現実には「財政再建は増税で行い、高速道路の無料化も子ども手当も約束どおりには実施せず、民主党だけ提案してほぼ決めることができる定員削減も実施しなかった」ということになった。
つまり「これこれをやる」と言った政党を信じて投票したのに、いざ当選してみると、言ったことをぜんぜん守ってくれなかった、ということです。詐欺なわけです。なのに、また立候補するのってどういうこと?と武田さんは問いているわけです。
民主党に限りませんが、わたしはこれを読んで思い至るのは、選挙の際だけでなく、その後も政治には目を向け続けよう、ということでした。政治の重要性を、日々感じませんが、政治は、国のなかのフレームと作る強い機関です。その成り立ちや現状は、経済のそれらを知るのと、自分の人生のそれらを知るのと、けっこう同じくらい大事なはずです。
なので、2019年の参議院選挙をいい機会に、選挙後も見ていこうと思います。
閑話休題で、本の内容ですが、タバコの喫煙者が減っているのに、肺がんの死亡者数が減っている!話など、目からの鱗の事実とそれらの見つけ方を広くしれます。
こりゃ、読んでいると読んでいないとで、いる世界が大きく変わる本だと思いました。
大田 1019年117冊目