ちょっとおざなりにしていたSNS経由の集客知見を集めたくて着手。
一個人の経験則ながら参考になる。
これ傾倒のHow to本は複数本でみたほうが良さそう。
それと実践してみないと有効性を検証できないので感想はまだまとめられません。が不快ではない文体と内容でした。
大田 2020年190冊目(通算547冊)
きっかけは村上春樹氏の『ダンス・ダンス・ダンス』。この小説のなかでスペインの歴史についての本を読んでいるシーンが出てくるんです。それでスペインの歴史をちょっと知りたくなって手にしてみました。
2017年にも独立住民投票が行われたばかりです。
なかなか読んでいて楽しい文体なんです。著者の田澤耕氏は、法政大学の教授でカタルーニャ語とスペイン文化の研究者。1953年神奈川県横浜生まれ。銀行に勤め、それが契機でスペインへ派遣され、スペインを研究。派遣されてから3年後に退職します。スペイン、とくにカタルーニャの歴史と文化にはまってそちらの道を進んだ様子。
カタルーニャの歴史が紐解いてくと、国とは今とはまた別の形であったことのほうが多いことが少しずつ理解できます。
そういう意味では、英国も複雑な歴史を持っています。noteでのブログでアイルランドと英国の関係をカンタンにではありますが(とはいえ6000文字以上あります)、まとめています。
noteのブログ
カタルーニャは何かと肩身が狭い思いをしています。その実態は、メディアを通してでは理解できません。この本は、あくまで中立的な立場ながら、通常取り扱われないカタルーニャの実態を歴史から紐解いてくれてます。
読みやすく惹かれる文体なので気軽に読めます。
好き。
大田 2020年189冊目(通算546冊)
原題はPredictably Irrational 。
行動経済学とは、わたしたちがロジカルではなく、不合理に行動することを解き明かす学問です。
ゆえに認知バイアスという歪んだ認識とそれにともなった行動を研究することにもなります。
そのあたりを縦横断的に取り扱っているのがノーベル経済学賞受賞者のダニエル・カーネマン氏の『ファスト&スロー』です。
ダン・アリエリーの本書は、もう少し手軽に読める内容で、それでいてユニークです。
ダン・アリエリー氏は、18歳のときに事故により全身の70%をIII度の熱傷を負ってしまいます。(本書ではIII度を「3度」と翻訳されているため、3回火傷したみたいな文になっていますが。)III度とは、「皮膚のすべての層に達しており、皮膚は、黒や白くなり乾燥し、永久的な損傷を起こす可能性がある」火傷です。
そのときにものすごく痛みに苦しみ、しかし看護師たちはその痛みへの対処を思い込みで決め込んでいました。経験豊富で知識も多い人たちがどのように事実誤認をしていくのか、そういう好奇心がアリエリー氏の原動力の一つでした。
この本を読めば、性的に興奮したとき、どれだけわたしたちは冷静ではない判断をしがちなのか、メニューをどうやってきめたらいいのか、などいろいろ理解できるようになります。オススメ!
ダン・アリエリー氏はTEDでも語っていますので動画でも彼の知見を得られる(17分)
ダン・アリエリー氏のウェブサイトはこちら。
大田 2020年188冊目(通算545冊)
組織心理学のTomas Chamorro-Premuzic氏の2013年の著書。
内容は、
「自信はなくて良いから、能力を高めよ」というもの。
自信と能力の相関関係はほぼありません。
このあたりは、ダニング=クルーガー効果(リンク先はわたしのnote)にも関わってきます。ダニング=クルーガー効果とは、実力がないひとが自信を持ち、実力がけっこうある人が自信を持たないという傾向です。
自信の高低と能力の高低のマトリックスがわかりやすい。
著書のマトリックスをパレオな男の鈴木祐氏が日本語に変換してくれています。
パレオな男「なぜ自信が無いほうが人生は上手くいくのか?」の記事から画像を引用しています。
能力をつける努力をすればいいけど、ある程度の工夫はしたほうが良い、というか自信が高いってけっこうデメリットが多いってことを知っておくのは良いナレッジヘッジ(知識のヘッジ)になるでしょう。アル・ライズ氏の『マーケティング22の法則』にある「成功の法則」にも通じます。自信って能力を下げる効果があるんです。
著名になると、出世すると共感能力って下がるんです。そして自己批判能力も下がります。
高級車に乗る人は、歩行者のたねに減速しないという傾向があるんです。
自信はほどほどに。
良い本でした。
大田 2020年187冊目(通算544冊)
原題が The 22 Immutable Laws of Marketing.
Immutableだけあって25年以上経つが未だに使える知見。
22という数字は、出版するのに丁度いいからじゃないかなぁと邪推。本は220ページくらいのものが多いので。なんとなく。
ブルーオーシャン戦略や行動経済学の定説とも繋がるので、説得力あり。
ひとつずつ実行に移してみたい。ただ22も出来なそう。3つも実行に移すば十分な気がするが、傍らにおいてときどき捲ってみる。
という意味でもKindleより本が良さげ。
アル・ライズ氏は、ポジショニングで有名。
アル・ライズ氏
By Mary Jane Starke – Personal communication, CC BY-SA 4.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=77635385
大田 2020年186冊目(通算543冊)
数学って、ロジックを学ぶ学問だなーと痛感しつつも一番楽しいのはデータ分析の箇所。
四分位偏差→標準偏差→相関関係、あたり。
ようやくロウソク足の意味が理解できました(笑)。
こんなん少しずつでも毎日やらんとなかなか身につかないもんですな。
佐藤雅彦さんは、もっと高度な数学をずっとやってきていたんだものなぁ。ゲームみたいなものか。
もっと数学を身に着けて利用したい。
大田 2020年185冊目(通算542冊)
見づらいデザインですけど、へえそんなこともできるのかぁと漠然と感心。
主目的があって購入すると不満がありそうですが、なんとなく便利に使えそうで傍らにおいてときどきめくって使っています。Kindleでは買ってはいけない系です。紙が良いです。
大田 2020年184冊目(通算541冊)
マルセル・プルーストの『失われた時を求めて』はさすがに読み切れるきがしないが、これは行けそう。途中ですが。
壮大。翻訳も良くて助かります。饒舌。
大田 2020年183冊目(通算540冊)
ノーベル文学賞を受賞した(1962年)ジョン・スタインベックの小説。
原題は、Of Mice and Men。ということを知って、Of Monsters and Menというバンドがあるのですが、その名前、ここから来てんのか!と気づきました。いいバンドです。
悲しい結末。でも、しょうがないかーとも思う。怪力を持つぼんやりした大男レニーと賢い小柄な男ジョージの二人組が季節労働者として働く。いずれ自分たちの農園を持つことを夢見ているのですが、それが叶いそうになるというハラハラした展開。色っぽいカーリーの妻も魅力的な登場人物。
人生についての捉え方がシビアさが時代によって違うのかと感じました。
大田 2020年182冊目(通算539冊)
原題は Light in August。
ノーベル文学賞受賞(1949年)者のアメリカの作家、ウイリアム・フォークナー(William Faulkner)の小説。1932年に発表。
意識の流れ(stream of consciousness)というアメリカの心理学者、ウィリアム・ジェイムズの概念が文学における「人間の心のなかで絶え間なく移ろいゆく思考や感覚をそのまま記述していく手法」が用いられています。
それがゆえにか話はちょっとこんがらがっていく。
同じアメリカ南部を舞台にしていること、子どもを(腹の中、外と違うが)抱えながら、男とともにさまよう女性という構成も手伝って、ニック・ピゾラット(Nic Pizzolatto)氏の『Galveston』を思い出しました。Galvestonは、メラニー・ロランが監督の映画にもなっています。
フォークナーはちょっと読んでおこうと思って読んだ次第ですが、はたして良い小説というのはやはり日常から意識をべりっと剥がして、別世界に打ち込まれる感覚を与えてくれます。その中で、様々な対比や作家が登場人物に批判されるなど、おもしろい構造を少しずつ見つけたり、気づいたりもします。ありがたい。
大田 2020年181冊目(通算538冊)
47歳で肝硬変で死去した歌人で劇作家の寺山修司氏の有名な評論?。寺山氏が33歳の1967年に出版。4年後の1971年に映画として公開。
これがどう映画になるのかまったく想像できないのでyoutubeで検索してちらっと観ましたがなんとなくイライラしただけでした。
この本を読んでみて思い出したのは、坂口安吾氏や阿川弘之氏とか。わたしは日本の文壇についての知識が薄く、その匂いや空気やニュアンスに疎いのもありますが、頭の良い人が上手な修辞を使って、空虚なことを並べ立て、でもそれを真剣にやっている、という印象を受けます。内容によりもその姿勢から、何か得るものがありそうですが、わたしは今の所、好まず、よくわからない。
ただなんとなく、寺山修司氏は好きなような気もします。気のせいかも知れませんが。
文庫本のデザインは、鈴木成一デザイン室。
大田 2020年180冊目(通算537冊)
集団と群衆の心理学的知見を広範囲でまとめてくれている。
パニックについては、広瀬 弘忠氏による『人はなぜ逃げおくれるのか人はなぜ逃げおくれるのか ―災害の心理学』と通じる見解でした。人はパニックはそうそう起こさない。
が、パニックという言葉はニュースにはのぼる。
スケープゴートやテロについても言及。テロの原因に、人口における若者の比率の多さというものがあることに驚きました。活動的な年代の若者に仕事などエネルギーの矛先がないとテロに走るというもの。仮説を裏付けるエビデンスあり。
リーダーシップについてもカバーしており先生や上司、経営者にも有効な知見が多々あり。ただ論文的な文体(コンマ「、」には「,」が使われている(笑))。
さして読みにくくは感じないが温かみというかフレンドリーさはあまりない。
好き。
大田 2020年179冊目(通算536冊)
すごく久しぶりに読んでみたけれど、おもしろい。
1988年に出版されているので32年前の作品。
北海道やハワイが舞台になる。
英語のみならず、フランス語、ドイツ語、中国語、ラトビア語などに翻訳されている。
比喩がレイモンド・チャンドラーを彷彿させるけれど、チャンドラーもこんなに様々な言語に翻訳されているのでしょうか。
ストーリーから何か得るような小説だとは思っていないのだけれど、空気とか表現とか、本当にキラキラしている(scintillate)と今でも思う。
最近の村上春樹氏の小説と比べたりすることにさして興味はないけれど、サステイナブルな作家としての人生には感銘を受けます。
それにしてもなんとなくおもしろいなぁ。
大田 2020年178冊目(通算535冊)
ダニエル・カーネマン氏の『ファスト&スロー』のほうが行動経済学の知見についてこの本よりわかりやすいかもです。
とりあえず、株式投資をするときには感情や直感ではなくルールで決断しようとこの本を読んであらためて決意した次第です。
自分をあまり信じないことにします。
Kindleだとやすいので買うならKindleをオススメします。
冒頭にダーウィンのこんな引用がありました。
大田 2020年176冊目(通算533冊)
原題は、Thinking fast and slow.
行動経済学者のダニエル・カーネマン氏による直感(ファスト)と理性(スロー)を対比させながら人間の行動の傾向、不合理さなどを解説している本。
焦点錯覚やプライミング効果、プロスペクト理論など、わかりやすい使える知見がいっぱいなので大満足の本でした。
焦点錯覚などは、わたしたちの幸福にも大きく関わってきます。
だれからが「行動経済学はこの本だけで良い」と言っていましたが、それくらいがっつり広く行動経済学の知見を網羅しています。わたしはカーネマン氏以外も読みますけど。
本の内容から少し離れて面白いのは、アダム・スミスもまた利点と欠点など対比的な2つの視点で人間を捉えていたところです。カーネマン氏も「2つの自己」(ファスト&スロー)という人間の捉え方をしています。ここに誤謬やわかりやすく理解するための強引さではなくて、共通した本質を観る気がします。
そして入れ子みたいな話ですが、カーネマン氏は、ベンサムが快楽と苦痛によって人間が行動を決定することを本書のなかで引用しています。
バランスの良い本に思います。けっこうオススメします。人生が変わると思います。
ダニエル・カーネマン氏がGoogleでこの本の内容について語っている動画がありました。
大田 2020年177冊目(通算534冊)
「神の見えざる手」のアダム・スミスが国富論を出版したのが1776年で、その17年前の1759年に出したのがこの『道徳感情論』。
原題はThe theory of Moral Sentiments
人間の観察研究。利点と欠点、報酬と罰など対比的な捉え方が全般的にある。人間の共感能力が、人間の行動にどのような影響を及ぼすのかということを観察し、考察しまとめたもの。『国富論』はこの考察の延長線上にある。
人間の共感の力が、利己的なものと繋がっていくという点では、ドーキンスの『利己的な遺伝子』にも通ずるものがあると思いました。
古典派経済学の祖であるアダム・スミス氏は、元来、哲学者だということをこの本でがっつり知ることができますが、同時に哲学というよりは科学者的な観察を通して人間を観ているとも感じました。
知っているつもりがほとんど知らないことがこんなに多いのかという驚きを本書で体感しました。別に読む必要もさしてない気がしますが、アダム・スミス氏を名前以上に知れてよかったです。
大田 2020年175冊目(通算532冊)
まともなことばかり書かれている。
ETCのゲートいらない、子どもが教科書を大量にランドセルに入れて通学するってバカみたい→電子書籍でええやん、Uber解禁すればいいじゃん、現金使用禁止(切に願う)、足立区のブルックリン化(これは漫画『インベスターZ』がちらっと触れている)、満員電車やめさせるためにその時間の料金を高くすればいい……。
8割以上賛成の、普通に考えたらおかしいじゃんそれ!を是正する案ばかり。
一方で、なんとなく気持ちの悪い予感もする。石原慎太郎氏や橋下徹氏の顔がちらつく。牽引力があるリーダーシップに惹かれる傾向になんとなく警告音が聞こえる気がします。
それでも今のひどい政治よりずっといいんじゃないかしらとか、まずは変わる潮目ができないと等々も思う。
わからないから行く末を見届けてみたい。
大田 2020年174冊目(通算531冊)
ドストエフスキーの短編で1848年に出版されています。
白夜のサンクトペテルブルグを舞台に、ざわざわとしちゃう儚い恋(ぜったい上手くいかない気配)の話。
ナースチェンカの無自覚?なたちの悪さに、相性最悪ののぼせた青年。後10年もしたらもう少し冷静な恋愛をできるようになるかしら。
行動心理学を勉強してみるともう少し楽になると思うなどと無粋な読み方をしましたが、ドストエフスキーはおもしろい。
恋愛って夢中になるけれど、あまりこだわらないほうが良い。我が身を振りかえっても思いました(笑)。
でもフィクションでならこの苛立たしさ胸の苦しさを味わうのも悪くないかもですが、たまにで良いです。
大田 2020年173冊目(通算530冊)
概ね得心する内容でしたが文体などが苦手なので勧めたくないです。
大田 2020年172冊目(通算529冊)
わたしは、岩田健太郎氏があまり好きではないことがわかりました。
帯ではファクトや科学と謳っていますが、私見に思えました。
この1冊だけじゃなくって『1秒もムダに生きない~時間の上手な使い方~』という本も読んで、あ、苦手だと思った次第です。
大田 2020年171冊目(通算528冊)