統計データのリテラシーが、上がる。
自分でデータを精査したくなる。
意外なファクト(だと思えそうなもの)を見つけられる。
等の理由で、この本は楽しい。
元シンクタンクに勤め、調査活動に長年費やしてきた著者、本川裕氏の視点と推測は、慧眼のように見えます。
彼の結論や推測を疑うには、自分自身で統計データを精査する必要があるので、その関門へじりじりと近づけたら楽しいそうです。
内容はおもしろいテーマばかり。
•タイトルどおりの内容である、男子の草食化はなぜ進み始めたのか?
•日本の女子が世界一楽しそうな理由
•日本の所得格差は「広がってはいない」
•日本だけ男が太り、女が痩せている!?
•日本人は貯蓄していない!?
と、思い込みとデータの格差から生まれる驚きを楽しめるものばかりです。
すごっくおすすめしたい。
大田 2019年116冊目
2019年に亡くなったシャネルのヘッドデザイナー、カール・ラガーフェルドは、この写真集のカメラマン兼ファッションデザイナーのエディ・スリマンの服が着られるほど痩せるために、胃を切除した逸話があります。
エディ・スリマンは、現在はセリーヌのチーフデザイナー。それ以前は、「イヴ・サン=ローラン」および「ディオール・オム」のクリエイティブディレクターを歴任してきています。
そんなエディ・スリマンが、コートニー・ラブのヌードを撮った写真集。
限定2500部のため、そこそこ高額(アマゾンでは2019年7月現在 2.4万円くらい)。
エディ・スリマンについて、
コートニー・ラブについて
ファッションのオリジンについて
写真について
言語化できぬままに何かを感じる写真集でした。
強いて言語化すると、わたしがこの写真集に見たのは、
「生きる」というプロセス。
コートニー・ラブを見ると、彼女の亡くした夫、ニルバーナのボーカル兼ギタリストのカート・コバーンの死を自動的に思い出す。
その影をコートニー・ラブの姿のなかに探してしまう。
でも、写真の中にみるのは、ただそこにいるコートニー・ラブであり、それをみるエディ・スリマンの思念。
わたしにとっては買う価値のある写真集でした。
2019年 116冊目
特に何も強く伝えない絵本
著者のバーナード・ウェーバーは、「The House on East 88th Street」で有名な絵本作家。
本書は、彼の「RICH CAT, POOR CAT」の翻訳されたもの。
1963年に書かれたもの。
読めばわかりますが、POOR CATは別に「貧乏」ではありません。ふつうのストレイキャットです。
ふだんから、良いことも悪いこともありますが、さいなまされて生きているわけではなりません。
実際に、POOR CATである、スキャットには良く笑顔が浮かんでいます。
この絵本は、とくに教訓めいたことも言っていないし、なんなら猫の人生について少々人間目線で歪められて描かれています。
それでも、おもしろいのは、すごく何も言っていないところです。
特に心動かされもしない。それでも不思議と、この絵本を読んだあとに、街中で猫を見かけると、かすかに「スキャット」を思い出します。
そしてスキャットが最後に付けられた名前が、なぜあんな名前なのか、調べないままに、「なんでだろう?」と思います。
大田 2019年115冊目
「野蛮な進化心理学」のなかで、「ヘビと戦うには、その毒を認めなければならない」と語られていましたが、性についても、積極的に真実に目を向けたほうが良いな、と確信する内容でした。
•健全な性生活って実際どんな感じ?
•聞き手の人差し指と薬指の長さでわかる男度
•セックスの満足度、日本は何位?
•男に良くない人気のあのスポーツ
•ブリーフよりもトランクス
•タバコ、深酒、禁欲はNG
等々の内容は、男女共に知っておいたほう良い話ばかりです。
やはり、気まずテーマは、どんどん積極的に知ったほうが良いようです。
例えばこれ。
調査したのは、コンドームの大手メーカー、デュレックス社(※1)。
1位 ギリシャ 138回
2位 クロアチア 134回
3位 セルビア・モンテネグロ 128回
日本は、調査した国のなか最下位で45回
回数のみならず、「セックスの満足度」ほぼ最下位(最下位は中国)。
世界では、週に1回どころか2回くらいするのが平均で、グローバルにみたら、健全な性生活をグローバルスタンダードで考えれば、ざっくり言えば週2回で満足度は45%以上。
けっこう驚きません?
その他、ブリーフよりトランクスが良い理由は、なぜ睾丸がぶらぶらしているのか?と考えると自然と出てくる話で、精巣の機能を保つには35度が理想なため。ブリーフなどを履くと熱がこもって、あんまし良くない。
その他、冒頭に書いたように、男女ともに有益な知識が満載です。
そして、この本の著者は、本来不妊治療の専門家です。妊娠を期待するカップルには、より有益な情報がありますので、ぜひチェックしていただきたく思います。
大田 2019年114冊目
※1:世界各国のセックス頻度と性生活満足度
ブランディングなんてまったく関係ありませんが、エンターテイメントととしてただただ楽しい殺し屋漫画。
絶賛、映画が公開中の漫画ですが、サヴァンな天才殺し屋が、ふつうの生活をすることになるも、いろいろなトラブルに巻き込まれていくストーリーなのですが、けっこうなコメディネタが差し込まれていて、いちいち笑ってしまいます。
が、詳細(武器、ブッシュクラフトなど)が、これまた微に入り細に入り紹介されており、そのマニアックぶりにキュンとさせられます。
それにしても、日常では誰も人殺しをしないのに、どうしてフィクションだと人殺しってふつうに行われて、また受け入れられるのでしょう。フィクションである証明みたいなものなのでしょうか。
大田 2019年113冊目
わたしは、北海道で生まれ育ったのに、アイヌ文化についてまったく知識がないままだったので、この漫画を通して、北海道の昔、アイヌの姿を知ることができて、たまらなく面白い。特に料理が!
エゾリスの脳みそ食べるの!?シャチ食べるの?熊?もう全部驚きで、心が高まります。
大英博物館で現在も開催されている漫画展(※1。2019年5月23日から8月26日まで)のポスターにもこの『ゴールデンカムイ』の絵が使われていいます。
ストーリーは、隠された金塊を追い求める3つの組織が、抜きつ抜かれつ謎を解き明かしながら、金塊へアプローチしていくというスリリングなアクション的展開なのですが、挿入される食を含めたアイヌ文化や動物の姿が、微に入り細に入り紹介されていて、それがもう楽しい。
北海道の歴史は、少し紐解くと、すぐにヒグマによる凄惨な事件がつぎつぎと出てきます。わたしも子供の頃、山中で熊を見かけたことがありました。その熊との戦いや共存、「カムイ」の意味。
単なるエンターテイメント以上に、楽しめる漫画なので、ここに紹介しました。
大田 2019年112冊目
漫画の紹介は、避けていたんですが、有益な情報を提供したいという意味では、やはり触れておきたいと思う漫画がいくつかあるので、少し載せていきたいと思い、方針を変更します。
山岳救助をテーマにした『岳』という漫画の作者、石塚真一さんのジャズをテーマに変えて連載注の漫画『ブルージャイアント』。途中、どういうわけか『ブルージャイアントシュプリーム』と名前が変わって、続いています。
漫画のプロットは、だいたいいくつかのパターンがあって、『ドラゴン桜』の三田紀房さんは、「対決と和解」がそれだと言っていました。
その他、「才能があるものが苦難を乗り越え、それを開花させていく」というものも良く見かけますが(例えば、「スラムダンク」とか)、「ブルージャイアント」もまた才能豊かなサックスプレイヤーが成長していく過程を見せているのですが、彼の才能の開花よりも、「一所懸命っておもしろくね?」というプロセスにフォーカスを当てている気がします。
「必死に生きる」という意味では、『3月のライオン』もまた、そういう必死さにフォーカスを当てた漫画なんですが、「ブルージャイアント」は、もう少しずれていて、うまくいえないのですが、『働きマン』などにみる「がむしゃらになることで見えてくるフェーズの酸いも甘いも」というニュアンスを差し引いた、「必死に生きる」を、わたしは、「ブルージャイアント」のなかに見ます。
それは、進化心理学などの勉強をしているとどんどん近づいていくことなんですが、
「生きることを楽しむには、挑戦という姿勢が一番だ」という思想で、
ここには、「ヒリヒリした焦り」みたいなものから、少し離陸した「ワクワク感」があるんです。
才能のある無しなんて、行動の選択のヒントに過ぎない、気軽さが、知識を通して形成される人生観で、
そこには、「楽しんで良い」おもしろみがあります。
それが、ブルージャイアントには、含まれている気がします。
大田 2019年111冊目(漫画ですけど)
アマゾンの書評をみてみて、「当たり前のことが書かれている」というものを見かけたが、そりゃそうだろう。当たり前のことを、ちゃんとできるってことが要諦じゃないか。
わたしは、著者の大谷秀政さんのことが、人としても、男としても、経営者としても、尊敬していて、「こうあらねば」という指標のひとりとして見ています。
とくにカフェを経営する予定はないけれど、カフェに限らない人生訓があり、それらは、もちろん個人の経験則なのだけれど、「良いなぁ。やっぱりそれいいな」と感じるのは、相性というのもあるのかもしれません。
ただ、人生を楽しむには、こういう形の姿勢が理想的だなと強く思います。堀江貴文さんのさきの本(『あり金は全部使え』)にも通じますが、やりたいことをどんどん責任を持って、挑戦したらええやないかいと。
それから大谷さんは、色気もあるので、やはり男としても見習いたい。
「尊敬している人がいるなら会いにいけ」と言っていたのは、ドラッカーだかバフェットだったか忘れたけれど、大谷さんは、それに従って会いに行く人の、わたしにとっての一人です。
大田 2019年 109冊目
きっかけは、マズローの「欲求5段階説」のリノベ版。
マズローの説は70年以上も前。再検証したらどうなる?という試みが、2010年に進化心理学の知見からなさされていて、このようにリノベされていました。
から
内容をざっくり要約すれば、マズローの欲求5段階説の最上位には「自己実現欲求」が来ていますが、自己実現欲求なんてなくて、なんといっても「子育て」がアルティメイトな欲求じゃ!というようにリノベされてます。強引にもみえますが、自己実現を求めるのが最上だったら、今ここにわたしたちもいなくね?って言われると確かにと納得せざるを得なくなります。
ちなみに、このマズローの欲求五段解説のリノベについて知ったのは、わたしが毎日チェックしている鈴木祐さんの『パレオな男』ブログのこの記事。
これは、これでおもしろいのですが、本書の感想に立ち返ると、筆致がつらい。冗長、それもたらたらというよりは、無駄口で。しかし著者のケンリック博士本人の動画を観ると、不快さは立ち上ってこないので、英語で読んだほうが良いかも知れません。翻訳者のあとがきが長い本を、わたしは基本的に警戒するのですが、本書のすれはすごーく長い。しかし内容は、得るものが多々あるので、筆致や翻訳のツラさを乗り越える試練はある気がします。
何よりも、得心したのは、
「ヘビと戦うには、その毒を認めなければならない」という表現。これは、モラルをも偏見と排して、事実を見ようとする姿勢で、橘玲の『言ってはいけない』も同じ姿勢で、わたしもすごく共感しています。
進化心理学は、統計学をベースにした心理学とは異なり、人間の進化の過程を根底にして、人間の行動や心理のダイナミズムを解き明かそうとする学問です。結果、なかなか下世話に話や、わたしたちの耳に不都合に聞こえる説が、ここから出てきます。例えば、人種による知性の違いなど。男女差も。
また、その他にも面白かったし、なるほどと思ったのは、「利己的な遺伝子は、必ずしも利己的な人間を生み出すわけではない」という表現。わたしたちは、合理的に行動しない、ということでもある。これは面白かったです。
ところで、本書では「損失忌避」と訳されていますが、これは「損失回避」として多く訳されているLoss Aversionなんだろうなと推測します。たしかに「損失回避」よりは正確なんですが、とまれ、これは「プロスペクト理論」に関連したものです。
わたしは個人的には疲れましたが、読んで良かったと思う本でした。
大田 2019年 107冊目
オスマン帝国は、鎌倉時代に生まれ、大正時代に消えた大国。
その領土から生まれた現在の国の数は30を超えます。
佐藤優さんの『大国の掟』では、歴史と地理で世界情勢の根本的な構造を理解すべきと啓蒙されています。
そういう意味では、わたしたち日本人は、宗教の違いとともに、今なき大国が残した歴史の潮流を少しでも理解しておくのは、これからさきとても大事になってくるのではないでしょうか。
薄くて手に取りやすい本書ですが、この一冊だけでは、どうもうまくオスマン帝国のことが理解できそうもありません。
いくつかの本を読んで、立体的に理解できるとその全貌が少しは把握できるようになるかなと思いました。
弊社の近くには、日本で一番大きなモスク、東京ジャーミイがありますので、トルコ、イスラムの文化を垣間見るには機会が得やすいです。
アラビア文字のカリグラフィーを「ハットサナト」と言います。
モスクのいたるところに、このアラビア文字の「ハットサナト」が模様のように描かれています。なんと書かれているのかわかりませんが、そこに言葉として意味のある模様に囲まれるのは、知らずに荘厳な気配に取り込まれそうな心持ちになります。
ところで、チューリップの語源は、女性が使うターバンを意味する「トゥルベント」というトルコ語に由来しています。
また、オスマン帝国の徴税請負精度については、村上春樹の小説でもちらっと出てきます。
もっと深く理解したいなぁという動機を得た本でした。
2019年 大田106冊目
銀行家から政治家への教皇まで輩出する一族。
スペクタクルとして楽しい一族の歴史ですが、わたしは、ほとんどコジモ一世(コジモ・イル・ヴェッキオ)とロレンツォ・イル・マニフィコにぞっこんです。
コジモ一世は、いっときフィレンツェを追われるも、まだ戻ってきて勢力を取り戻すところが興奮しますし、ロレンツォは、放蕩に見えて、優れた才覚を発揮します。
ミケランジェロらへのパトロネージもまた心惹かれる史実ですが、彼らは、芸術を含めた教養というものを重視し続けた姿勢にこそ、わたしはもっとも注目したいです。
為政を経営と置き換えてもなお、教養(リベラルアーツ)と経営は、おそらく切り離さないほうが良い、と直感的に考えます。
その仮説を、メディチ家の歴史、盛衰にみて、検証するのが楽しい。
細谷功さんの『会社の老化は止められない〜未来を開くための組織不可逆論〜』と合わせて読もうと思っています。
それにしてもメディチ家はいいなぁ。ハプスブルク家もオスマントルコも気になるところですが。
一度フィレンツェへ行って、メディチ家ゆかりの地をめぐりたいものです。
大田 2019年105冊目
著者による経済複雑性指標(Economic Complexity Index)がおもしろい。
情報の視覚化が、著者の研究のテーマのひとつなんですが、そのプロセスで情報を精錬化とか抽象せず、
情報の全体像を把握するようにしているように見えました。
それがそのまま、文体にも反映されていて、長い。
長いけれど、雑さは感じませんでした。
いまどきの本は、強調するところがわかりやすく強調されており、なんなら章ごとに「まとめ」を付けてくれています。
速読には、ありがたいのですが、それとは真逆の構成ともいえます。
内容に関しては、
エントロピーの増大(平均化)への抗いこそが、人間の楽しみであり(「楽しみ」はわたしの追記的な挿入です)、営みである。
情報の成長とは、想像の結晶であり、それを経済というフェーズに転換すると「経済複雑性指標」になる。
このあたりは、わかりにくいかもしれませんが、
わたしの尊敬する学者が、会話のなかで「世界は安定すると終わる」とおっしゃっていて、それが、つまりエントロピーの増大を意味しています。
またダン・ブラウンの小説『オリジン』でも、エントロピーは扱われており、というかテーマであり解答でもあるんですが、わたしたちは、そのエントロピーの一環の現象に過ぎないという帰結になっていました。
つい、美的観点から言えば、洗練させること、削ることを美徳と考えてしまいますが、この本により複雑性の価値を再認識させられます。
ちなみに原題は、“Why Information Grows”です。「情報の成長」というのがこの本のキーでもあります。
ブガッティがその例えに使われますので、車が好きな方は、得心しやすいでしょう。
人生観に大きく関わる本ですので、わたしはこの本でけっこう人生が変わったと感じています。
大田 2019年104冊目
わたしたちが知らない、ほんとうは知っているべき情報が満載で、
かつ心理テストも入っていたり、テーマはいくぶんぼやけて伝わりにくいかもですが、
やはりここから疑問や興味を持つのは、とても良いと思います。
もちろん、大人にとっても。
最初に見開きで世界地図がでてきますが、台湾は「地域」として表記されています。
西サハラは、また別の表記。
社会に関する教科書全般に言えることですが、
「興味の喚起」
を使命としているのではないでしょうか。
教科書は、参照するもの、学ぶもの、というよりは
「自分が何を知りたいのかを知る」
ツールなんじゃないでしょうか。
受験はともかく。出版社は、どこも、そのために
一所懸命に情報を削る作業をしています。
その削り方を観るのも、またおもしろいですが、
「忙しい」大人にも、
自分がいかに何もしらないのか、興味を持たずにきたのか
という気付きも得られて、
やっぱりええなあと思うに終始しました。
大田 2019年103冊目
化学、自然、生物、宇宙など
広い科学分野と人間の生活の結びつきを紹介しています。
個人的には、わたしの研究フィールドと広くかぶっているので
興味深いのですが、深掘りさせるほどの引きは感じない。
が、わたしたちが、日頃、当たり前に思っている存在について
実のところ、何も知らないでいたということを思い知らされ続けます。
たとえば、サーカディアンリズムについてなどにも触れているので、
本当にわたしたちにとって重要なファクトやヒントを得るにはよくて
ざっと読んで、興味深く思うものを自分で掘り下げると
楽しいのではないでしょうか。
私自身でについては
フェノール樹脂に興味を持ち始めました。
教科書っていいなぁ。
大田 2019年102冊目
授業は、どのようなものか想像がつかないが、
これ、見てたら、読んでいたら、
旅行に行こう!
という気持ちになります。
そして、載っているファクトには、
ときおり驚く。
たとえば、言語別人口のランキング。
わたしは、何も考えずに英語が世界共通語だろうと思っていたら、
ダントツのトップは中国語でした。
中国語:12億人
次いでスペイン語。
スペイン語:3.3億人
そして
英語:3.3億人
へええええっと。
各国の情報に、
日本からの飛行時間まで掲載されています。
まさに旅行ガイド。
実際に世界を見て回れば回るほど、思考のレンジは広がるだろうし、
良い刺激になる。高校生のみならず、大人にも。
大田 2019年101冊目
大前提として、わたしたちの安心の形成って、
保険とか資産の管理とか安定した企業の成長とかよりも
何があってもなんとか生きていける力
によるじゃないか、という考えがあります。
通常の都会なら、ホームレスでもなんでもすれば、まあ生き残れるそうですが、
有事の際って、それ以上の力が必要。いろんな意味で。
その辺の自信や知識を培うにも、またはクリエイティビティなどを鍛えるのにも
良いだろうとソロキャンプを始めたのですが、野草に詳しくなると助かるなぁと思い購入。
フルカラーなので、
kindleのペーパーホワイトで読むといろいろと不便なんで
これはKindleのアプリで読んだほうが良いでしょう。街なかで見かける野草もあるので
スマホで見られれば、山でも街でも参照できます。
本はいつでも持ちあるけるわけでもないですすが、
スマホはさすがにだいたい持ち歩くので。
食べられる野草と似た猛毒を持つ野草の說明から入るので
喚起される興味が高いし、そういう構成の工夫も良いので
気に入っています。
トリカブトとニリンソウやよもぎとの違いがわかるように、なるといいなぁ。
大田 2019年100冊目
ブランディングって、今からなおさら大事になるのに
どうも浸透がむつかしいなぁと思っていた理由が、ニューヨークとの比較で
詳らかにされいてわかりやすかったです。
また、ロゴ、CI,VI,ブランディングなどの說明も
わかりやすい。
ブランディング・デザインをするうえで形成するチームのありようも
日本とは違うので、それまた参考になります。
だから、アートディレクター側にも経営者側にも有益な本だなと思いました。
文章としては、精錬が甘いかも知れませんが、
わかりにいくわけでもないのと、文体に正直さを感じます。
「世界に通じるグローバルなブランディングを」と謳っているに
欧文の組版が、端からまちがっているブランディング本(内容もあまり意味がない)などありますが、
この本は、誠実な気配を感じました。
ちなみに著者がふたりですが、ふたりとも(おしゃれな)女性です。
ニューヨークでオフィスを構えていく過程がみられて、
彼女たちのブログもすごく興味深い。
好きな本でした。
HI(NY)のサイトはこちら。
大田 2019年99冊目
ほんとうにわかりやすい
知らない人には大きなアドバンテージな財務三表
昨今ではいくぶん重視されなくなりつつあるも、依然としてさんぜんとして輝くMBAという学位。
それを持つ二人の同級生(漫画家と税理士)が描く、決算書の読み方。
文字通りわかりやすい。
これもすぐ手に取れるところにおいて何度も読もうと思っています。
ところで、MBAって、わかっているようでイマイチわかっていなかったりしませんか。
わたしは、そうです。イマイチわかっていませんでした。「なんかカッコいい」くらいにしか。
MBAとは学位です。経営学の大学院修士課程を修了すると授与される学位。
Master of Business Administrationの頭字語(とうじご)です。頭字語は、英語では、 この場合、initialismです。
ちょう余談ですが、頭字語には、実は英語で2つあって、この initialismと、もうひとつは、acronym。
この2つちょっと違いがあって、Acronymは、頭字語を単語のように続けて読むもの。たとえば、OPEC(オペック)とかNATO(ナトー)など。
Initialismは、頭字語のうち、アルファベットで読むもの。たとえば、FBI(エフ・ビー・アイ)とかWHO(ダブリュー・エイチ・オー)など。
なので、MBAはInitialismです。どっちでもいいですけど。
MBAは、「ちゃんと勉強しました」という称号のようなもの。ただし、資格ではなく学位です。資格は「ある行為をすることを許されるもの」。
さて、この著者の二人は、グロービス経営大学院の修了しています。
ビジネスパーソンなら、知っている方も多い「グロービス」は、堀 義人 が1992年に設立した企業(株式会社グロービス)で、グロービス経営大学院は、正確には、「グロービス経営大学院大学」(まぎらわしい)で、2006年に創設された私立大学です。
本書は、そんな二人が書いた(描いた)本ですが、実にわかりやすい。決算書の読み方についてすでに知っている方々には必要ありませんが、「知っていなきゃいけないんだけど、じつはあんまり知らないんです」という方には、もう最高なんじゃないでしょうか。
投資家にも、必要な知識です。
なんにしろ、財務三表を読めると、仕事や投資はもっと楽しくなりますので、よく知らない方には、がぜんおすすめの本(マンガ)です。
かんべみのりさんの他の本も読んでみたくなりました。
大田 2019年98冊目