ユーザビリティ評価、プロトタイピング、ペルソナ、ユーザー調査、カスタマージャーニーマップなどの代表的なUXデザイン手法について概要や導入するステップなどを説明してくれる本。一つ前に読んだ「UX虎の巻」の次に読む本としてちょうど良かったと思う。
ひとつひとつの項目としては聞いたことがあったり「それに近いことやってた」と感じるものも多いが、手法として確立し体系立てて書かれているのでわかりやすい。
まずプロトタイピングをちゃんと取り入れたいと思った。
「自分の身近で大切な人たちの心情を含めて切り売りしたものを書いて、
売れたところで、物書きとして二流ではないか。そのくせに偉そうで腹ただしい!」
というのが、後半近くまでずっとタイトルにも含まれている檀一雄への心象でした。
この本は、愛人との日々を吐露して、一躍ベストセラーになった『火宅の人』の著者、檀一雄の奥さんが、懐中と経緯を
開陳していく本です。
作者の沢木耕太郎さんが、檀一雄の奥さん、よそこさんに尋ね、よそこさんが述懐するかたちで
書き上げています。
スキャンダラスな「家宅の人」にたいして
スキャンダラスならテーマで対を成すように出版された、
そういう本にみえかもしれませんが、
そういういやらしさは全く感じません。
悲しい女の悲しみを浮き彫りにしているわけでもありません。
檀一雄の死期を予感するほどに読み進めていくいくうちに
自分の中にふつふつと湧いた断罪するような気持ちは
静まっていき、
よそこさんにしろ、檀一雄にしろ、
人生というものに真摯に向かって
生き続けているという事実だけに
心を揺さぶられるようになっていきます。
なんとなくですが、
人の不完全さを許容する
可能性が湧いてきます。
不思議な話ですが。
読み終える頃には、
檀一雄をそれほど嫌いではなくなっていました。
「ほんとにもう!」という苛立たしさは
消えた後の焚き火から登り続ける煙のように
残ったままに。
「読了」する本でなくて、習得する本。
佐藤優さんが「読書の技法」で紹介している「テクネー」のたぐいの知見。
ややこしいかもですが、この著書では、佐藤さんは立花隆さんからの引用でテクネーを説明されています。
のちほど引用を紹介します。
ちなみにすごくわかりやすい。
身につけるの面倒だなぁと思うも、
考えてみると、読書とは読んだ本の数が、そのままイコール レベルアップになるわけでなく、
読後のコンバージョンがあってはじめて成長を保証する。
数じゃなくて変化。
多読の上に自尊を置くとグラグラとしていずれ倒れる。
さてテクネーの引用です。
これらの勉強は、体で覚える技術(ギリシア語でいうテクネー)の要素があるからだ。テクネーについて、立花隆氏は『東大生はバカになったか 知的亡国論+現代教養論』(文春文庫) の中でこう述べている。知識が頭で覚えるものであるのに対し、テクネーは体に覚えこませるものです。知識は講壇講義で教えられますが、テクネーは講義だけでは教えられません。実習が必要です。実習を繰り返して体に覚えこませることが必要です。体で覚えたことは、頭で覚える知識とは、脳の別の記憶システムを使って、脳の別の場所にしまいこまれます。頭で覚える知識は、陳述記憶といって、内容を言語化することが可能な記憶です。それに対して、体で覚えるテクネーは、非陳述記憶で、そのエッセンス部分は言語化することができません。
(立花隆『東大生はバカになったか 知的亡国論 + 現代教養論』文春文庫、300ページ)
憧れの知識人がどのようなライフタイムテーブルで過ごしているのか、というのが目下興味の対象なのだけれど、
佐藤優さんと池上彰さんの対談本「最強の読み方」で二人のそれが紹介されていて嬉しかった。
それにしても、ふたりとも寝なすぎ。
トップギアで生き急いでいるのは、やりたいことが多いのに残されていると想定している時間では
足りないからなのだろう。
さてこの本のテーマであり、読むにあたり得たい知見のテーマでもあったのは「読書の技法」。
概要としては、他の読書の本と要諦は、同じであり、
さて、これに学んでこの本で得たことをノートに書き写すとします。
これにかける時間は、僕が一番参考にしている山口周さんの読書本によれば、
10分程度だそうです。
そしてkindleとEvernoteを使えばかなり楽にできます。
色々なところで聞くようになったUX。ネットで拾い読みではなくちゃんと本を読もうと思って3冊ほど購入、その1冊目。
UXは書籍で教わるものではなく自分で経験して自分なりに体得するしかない、という自己矛盾的な言及に強く納得。本書を読んでも考え方はわかるが、経験しないと身につかない。(かといって本書が無駄かというとそんなことは全くない)
UXのカバーする広さに驚く。本書内にも書かれているようにUXは「ユーザーあるところ全て」に発生するので、限定された業界、職種のものではない。
自分に近しい範囲で「UXデザイナー」として考えると、
・マーケッターからのUXデザイナー
・デザイナーからのUXデザイナー
・エンジニアからのUXデザイナー
など、どこからも到達できるし、逆に言うと誰しもが持たなければいけない概念であると感じた。
また、企業に所属するデザイナーやエンジニアの悩みのひとつとしてよく聞く「マネージャーになるか?プレイヤーであり続けるか?」という二者択一になりがちなキャリア形成の考え方から脱却し、UXデザイナーとしてプレイヤーでいる、ということは、マネージャーになることに抵抗のあるプレイヤーにとってひとつの選択肢になるかもしれない。
もちろん、これまで通りただ手を動かしてればいいのではなく、大局的な思考力が必要になるが、それはマネジメントとはまた別の能力であり、デザイナーのキャリアアップとしては今後大きな選択肢になるだろう。
最近ネットで話題になっていた国内外のデザイナー給与格差問題も、海外はデザイナーの中でもUXデザイナーの受け持つ範囲が広いが故に高い給与を獲得できているのではないかと思った。
話が随分それましたが、この本はわかりやすかったです。同時に、あと何冊か読んで自分でも手を動かしてUXのスキルを高められるよう努めます。
まず佐藤優さんを今までずっと「さとうゆう」と読んでいた間違いに気づいたことが恥ずかしかった。
「さとうまさる」さんでした。
彼らの睡眠時間の少なさ、佐藤優さんの猫好き、など要ではないところがむやみに記憶に残ったが、
いずれにしろ、ビジネスパーソンという言葉がしっくりと目に入ってくる本でした。
中学、高校の教科書がとても有効だという話が強調されて在ったが、
これは三田紀房さんの「成功の五角形」にも書かれていました。
私は、この本を読んで、
新聞を複数読む、という習慣をはじめました。
またその他、雑誌の読み方も革命的に変わりましたが、
それはこの本を読んで見つけていただきたいです。
どれほど知識・ビジネスエリートのスタンダードと自分のそれが
乖離していたのか、身にしみた本でした。
読書に使う時間をできるだけ圧縮したいので、できるだけ胡散臭くない速読指南書を、と手に取りました。
この本を選んだ理由は、加藤 昌治の「考具」、神田昌典さんの「バカになるほど本を読め」で紹介されていたため。
この本の他、「フォーカス・リーディング」もまた近い技術的指南書。
必要に迫られて、速読を習得してきた池上彰さんや佐藤優さん、
未読だが立花隆さんらの読書についての本と合わせて読むとバランスが良さそうです。
「熟読するための本を見つけるために、広く目を通すために必要な技術」という前提が重要。
多読がそのまま、必要な知識を獲得するのに有効というわけではない、そうです。
これ系統の本、5冊くらい読めば、要諦を掴めそうに思います。
フォトリーディングという速読技法があるが、それとの違いは何か?という検証は必要ないと思います。
共通点を探り、得心に変えていく、ということがこの本と他の速読系の本を合わせ読むコツ。
技術系よりも、その他のアウトプットのために本を読む方々の本、池上彰さん、佐藤優さん、立花隆さんなどの読書の本を
読むと技術を道具として捉えられるようになるのではないかと仮説を立てています。
フォトリーディングもフォーカス・リーディングも練習も含まれています。
私は、正直そこにはあまりまだ時間を割いていませんが、時間をおいてまたざっと目を通してみるつもりです。
一冊の本に何度か目を通す、目的を明確にして読む、重要な箇所は7%〜11%ほどしかないという事実を念頭におく、
などの知見を得られます。
山口周さんの『外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術』という著書のなかで、
何はともあれ、頭に叩き込んで置くべき基本の6冊中の1冊。
「読了」を意識しがちな方には、実際の行動を促されるので、ちょっと辛いでしょう。
この本に限らず、弊社が実施しているような「1週間に○冊読む!」という目標のもと、
本を読んでいると行動や計算を伴った内容には、いらだちを感じがちです。
しかしまずそもそものノルマですが、これは本からのインプットのボトムラインを作って
停滞させないことが目的です。
しかし本は何のために読むのかと言えば、
人生やビジネスを最適化させることです。
5冊読んでも、最適化されないのではれば、ほぼ意味はありません。
なので、理解と実践を伴わせていくことを優先すると気が楽になってきます。
これはゴールコンフリクトの解消ということ知見による考え方ですが、それはまた別の機会に。
この本は、ファイナンスをざっくり身体に覚えさせるものです。
わたしは、これを覚えるまで何度も読む予定です。(しんど)
養老孟司さんが2005年あたりに雑誌『小説推理』に連載していた読書メモ……というフレームの中で、管を巻きつづけたもの。
これがおもしろい。
私は、すごく昔に養老孟司さんが、新聞紙面で「人はどん底まで落ちたら後は這い上がるだけ、というがそうではない。そこから地面を掘り始めたほうがおもしろい」というようなことを書かれていたことをずっと覚えている。
私には、養老さんは、周りに対しては思考停止しないような啓蒙を続けることをミッションとして勝手に背負っているのではないかと思える。
犯罪小説や漫画、ファンタジー、そして虫、に首ったけの氏。
彼のこの本から明確な知見を抽象できるわけではなく、ふわっとした姿勢思想を引き継ぐことができる。
大事なことがそこには含まれていると感じます。
ブランディングについて、概念や方法論などが書かれているわけではなく、
著者がコンサルティングした企業の紹介に終始しています。
インタビュー本としては、
なかなかおもしろく、がゆえに最後まで読んでしまったところはあります。
ブランディングについて知りたい方には、お勧めしません。
前職の影響だと思うが、企業文化、企業風土というものに興味があり、ちょくちょくこういう本を読む(もっと読みたい)。
HOME’Sなどを運営するライフル(旧ネクスト)社の人事本部長による本。
気になったワードは、チームが機能するにあたっての2つの要素。
1)内発的動機づけ:平たく言うと「やりたいと思えることをやる」
2)心理的安全の確保:間違った意見や反対意見をぶつけても安全/安心だと感じられるムード
1は言わずもがなだが2については実際のところ難しい問題で、上司や部下を選ぶことができない状況下において風土として心理的安全の確保が根付いていることは重要だと感じる。
ある程度大きな組織の企業風土を作るには並大抵の努力では足りないのだなと感じた。
個人的には大変参考になったので有益な本なのですが、
この本は「1アートディレクターをブランディングするための試みの吐露」という内容のため、
テーマがとても限定されています。
経営にも企業のブランディングにも
強くは関わらないため、お勧めしないとしていますが、
とてもおもしろかったです。
著者は、佐藤可士和さんの奥さんでもありますが、
彼女が可士和さんについて語っているところに
そのまま水野学さんの「ブランディングとは何か」の要約と同じ言葉が
使われていました。
それは「見た目のコントロール」。
これはすべての人に当てはまると思います。
見た目とそれ以外の態度、喋り方、匂いも
個人のブランディングには大切なファクターですが、
その中心には哲学があることが必要です。
わたしが仲良くなってきた人には、なぜかカミュ好きが多い。
これもまた十年近く前に友人に借りた本で、借りていた本故に
読まずとも引っ越しの淘汰を生き残って未だに本棚にあったので
手に取った。
しかしすでに『異邦人』を読んでいたので
いくぶん手に取りやすかった。
ローマ皇帝の何人かが異常な暴君であったのは
水道に使われていた鉛が原因だったかもしれない
と何かで読んだことがあった。それも思い出した。
『誤解』は、
わたしがずっとサプライズが嫌いな理由の典型
(というより古典か)
で、
すれ違いが作る悲劇である。
陰気臭いのに、なぜかするすると読めた。
しかし本当はもう少し気軽な娯楽のためだけの小説を読みたい。
私自身としては、随分と参考になる知識がいっぱいあったため、
自分にとっては「必読書」ですが、一般性に自信がもてないので
「オススメ」に。しかし超「オススメ」します。
ちなみにこの本は、ほとんど英文のままの論文を参照して書かれています。
論文を直接読み漁りたいと常々思っていたので
羨ましさも感じながら読みました。
この本では、思い込みと事実(検証して得た暫定的なものであるけれども)の
ギャップを多くしることができます。
例えを出すと少し長くなるので割愛しますが、
本田直之氏の
「忙しいから本を読めないのではなく、本を読まないから忙しいのだ」
ということばに似た逆説的事実に多く触れることができます。
ほんと、「忙しい」あなたに、「不安な」あなたに、
読んでいただきたい本です。
デザイナーが知っておくべき著作権に関する本やサイトは色々見ていたが、もう少し一般的な視点での著作権入門として良い本だと思う。
著者の方が著作権のことが好きなんだなと言うことが滲み出ていて、読みやすい。(一方、その著作権愛が少し強く出ていることが気になる方もいるかもしれない)
「ケルト」と言って思い浮かべるのは、一般的にはアイルランド周辺なのではと思う。
例えば、エンヤやU2の音楽であったり、ケルトの十字架、妖精、小泉八雲などなど。
お酒好きの人ならウィスキーやアイリッシュパブを思い浮かべるかもしれない。
しかしこの本によると、アイルランド、スコットランド、ウェールズあたりは最もケルトのルーツからは遠い場所とのこと。
古代のケルト人のルーツはオーストリア東部。そしてハンガリー〜スロバキアなどで鉄器文化を築き上げ、最終的にヨーロッパを移動し、古代ローマ人やギリシャ人に追いやられるようにしてたどり着いたのがアイルランド周辺だそうだ。
その証拠に、ヨーロッパの町の名前(例えばウィーン、パリ、ミラノ、ロンドン)は古代ケルトの言葉が語源になっているものが多い。
そう思うと、我々は知らないうちに古代ケルトに触れている、と言っても過言ではないような気がする。
広くヨーロッパのベースとなった文化にもかかわらず、古代ケルトに関する記述はほとんど残っていない。
それでも古代ケルトの人々が、樹木には神が宿り、「人は一本の木を抱いて生まれてくる」と信じていたことは残っているようだ。
想像の域を出ないような記述も多いが、ケルト文化の入口としてさらっと読むには良い本。
あとは、占い的な楽しみで「自分の木」を探してみるのも楽しいと思う。
これを読んで以来、
街を歩くときにビルや住宅の照明の明るさや色に興味を持つようになりました。
いわんや、自宅の照明についても深く考えるようにもなりました。
日本の屋内の照明は、明るく白(青)すぎる。
所得の高いうちほど、夜の照明は暗く、また色温度が低く(オレンジ色)て、
所得が低いうちほど、明るく、色温度が高い(青白い)そうです。
オフィスにおけるサーカディアンリズムに則った照明の在り方について
パナソニックの方が、レポートを一般社団法人 建設電気技術協会のウェブサイト上にアップしており、
働く環境における色温度と照度についてこの本に書かれていたことと関連したことが書かれていました。
こちら。
これらの知見をつかって、
ブランディングの一環として、
オフィスのあるべき姿をファシリティマネジメントにからめて
マニュアルを作成したこともありました。
水野学さんがアートディレクションをしている相鉄グループの電車も
このサーカディアンリズムに則った照明プログラムを導入しています。
照明については
意外に知らないことが多いので
ぜひ手にとって読んでいただきたいのですが、絶版なのか
中古でしかアマゾンでは販売していません。
いずれにしろ日本の夜は明るすぎます!
何時に寝て何時に起きればいいかしりたくなって手に取った本。
翻訳がなかったため、英語のままの原書で読みました。
最初に読んだときは、まだkindleで本を読む習慣がなかったので
本で読んでいましたが、今回はkindleで読みました。
kindleだとすごく安くなっていますので書いやすい(2018年4月22日現在で310円)。
30歳から45歳のアメリカ人が、平均して午前5時59分に起床していることに驚きました。
これを読んで以来、起床時間を4時半にしています。
そして週末は、できるだけ
日常から離れる習慣にしました。
アメリカに住んでいる友人たちの話では、
アメリカ人は、家族との時間を大切にするため、
帰宅時間がはやいので一日の始まりがはやいようです。
スタバも午前5時にはオープンしているそうです。