以前読んだ「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?」や「読書を仕事につなげる技術」の著者、山口周氏の著書。氏の著書を読んで、困るし助かるのは、読むべき本が増えること。例えば、著書の中で紹介されていてジェームス・W・ヤング氏の「アイデアのつくり方」。これを読むとまたデカルトの「方法序説」を読まねばなるまい、となる。さりとてそれらが偏りある読書傾向を作りかねないかと言えば、そうは感じない。読むべき本の種類は、多岐に渡りすぎなくらいのジャンルを縦横断していく。
山口氏の著書の気をつけなくてはいけないところは、文章が上手、耳心地も良く、読んでいるだけで自分が彼と同じくらい聡明になった気がしてくること。そして「面白かった!」で済ませてしまいそうになるところである。要は、読後にどれほど実践して氏の提示する方法論を自分のものにできるのか、ということだということを実践を徹して腹落ちさせたい。
多読(というほどまだ読んでいないが)をしていておもしろいのは、「繋がること」。スティーブ・ジョブズが2005年のスタンフォード大学卒業式でのスピーチで語っている中にも点と点を繋いでいくという表現が出て来るが、近い原理について触れているように思う。
しかし本は読めば読むほど、知識が増えれば増えるほど、行動に移すことを促されるような力を感じ始める。それは生きる力にも同化癒着する力だ。
以前紹介した佐藤雅彦氏の「新しい分かり方」と通じる内容。
自分もよく街中や駅の看板などのデザインに目を留めることはあるが、この本はさらに視野を広げた「あらゆるものへの観察」による気づきをまとめたもので、面白かった。
セロハンテープを同じ長さで切るたに、セロハンテープを引き出す時に鳴る「ビビビッ」という「音の長さ」を目安にするという章が面白かった。蛇足だが自分は単純作業が嫌いでなく、このセロハンテープの話のように自分ルールを作って効率化・ゲーム化することで、時間が許せば何時間でも楽しむことができる。
神社仏閣にはまるで興味がない人(←私もです)にこそ、ぜひ手に取ってみてほしい写真集&旅行ガイド。
「日本一見つけづらい不動明王」「胎内で迷子になれる巨大仏」など、言葉だけピックアップすると単なる珍妙な旅行ガイドのように感じるが、著者が商業カメラマンだけあって、掲載されている写真はとても美しい。大仏そのものよりも、その大仏を取り囲む空気のようなものが感じられる写真集だ。
著者本人の感動や驚き、ちょっと微笑むような顔がストレートに伝わってくる1冊。実際に写真の場所に足を運んで、どのアングルから撮ったのかを確認するのも楽しいのではと思う。
読み進めていくうちに「あの人も実は!?」と思ったスティーブ・ジョブズもそうだったかもしれないと書かれていた。
他者のどうしても理解できない行動を、少しは理解できるかも。
すぐに読み切れるのこともあり、強くオススメする。
読書を知力の源泉とするためのものと考えるならば、まず手にとって間違いない。
週3冊読んでも1年で150冊ほどしか読めないので、何をどう読むかは重要。
この本は、この本を読めば良い!というマニュアルというよりも山口氏の著書に一貫しているが、「考え方の考え方」を学ぶ書として機能する。とりあえずこの本に書いてる基本書を読みつつ、梅棹さんの伝などを使いながら、知識をストックして、かつ実践に活かしていきたい。
ことし一年、読書で自分がどう変わるのか、楽しみになった。
アドラー心理学を対話形式で説明していく本。タイトルがキャッチー過ぎて少し違和感があるが、売れ行きにかなり貢献していそう。
フロイト的な原因論ではなく目的論として物事を捉えるのは、それが常に実現できるかはさておき知識として持っておくことが有用だと感じる。
「課題の分離」について知れたことが一番の収穫。
弊社でウェブサイトを制作した、さいたま市大宮にある普門院にゆかりある人物として知り興味を持ち、読み始めた。
白洲次郎に負けず劣らずの進取の気性の御仁で、横須賀造船所を作り、日本初の株式会社の設立を示唆し、郵便制度やガス灯などの整備も企画するも、徳川慶喜の恭順後、西軍に迫られて首を切り落とされる。日米修好通商条約の結ぶために、結果世界一周をし、帰国後、日本と世界の格差を縮めるために尽力した。
「戊辰戦争」の読後も同じく思ったことだが、「死ぬことと見つけてくれな」と。潔さを尊重するより、生きて世界や家族を1秒でも1mmでも多く、発展させたり、幸福にしたりして生きてほしいし、僕はそうしたいと思う。強くそう思った。長谷川 英祐氏の「働かないアリに意義がある」を読んで、あらためて思ったが、進化の要諦は、生き延びること。生きた小栗上野介忠順を想起しつつ、精進したい。
「ふつうの人を選挙で勝たせ続けてきた、日本でただ一人の女性選挙戦略家」というコピーに引かれて読んでみた。
負ける人の見た目には共通点がある=「どう見られたいか」という目的意識の欠如、ということなのだと痛感した。
短期決戦で、いかに良い印象を残すか。「選ばれる」人にとっては、見た目も戦略なのだと感じた一冊。
もちろん、一般人である自分にも使える部分はあると思った一冊。
下巻もようやく読了。最初勧められたときはカルト的な本かと思ったら、ビルゲイツもマークザッカーバーグも読んでいるとその後知り、恥ずかしく思いながら手に取った。上巻でくたくたになるも、下巻も減じることなく面白い。ひとつの常識として通読しておく必要を感じる。上下巻あわせて、なかなかのボリュームだが、しかしその実、忙しそうな人ほど読んでいる印象がある。この本の読むに使う時間は特に投資になると思う。
購入してから5年以上も読まないままでいたこの本に着手してみてそのおもしろさに驚いた。1969 年出版であるが実に88版も増販されていることから名著であることが伺えるが、その実、ユーモアのある文体に乗せて、学習の仕方、考え方など、学ぶものが多く、理解もし易い。
デザイナーの方であれば、日本語をカタカナに統一しようとしたムーブメントがあったことをご存じの方も多いかもしれないが、その経緯をよく知ることもできる(カタカナのみならず、ローマ字国字論やひらがなのそれもあった。なぜならば、ワープロが誕生するまで日本語を効率よく記入するデバイスが存在していなかったためである。欧文ならばタイプライターがあったのに。)。
読後、さっそく梅棹氏の提唱する方法論をいくつか試しはじめてみた。継続したい。
積ん読状態だったがコインチェック社の騒動もあり、ひとまず知っておこうと思い読了。概要を押さえるには良いかもしれないが、なんとなくフワッとした印象。
ところでビットコインではないが、イーサリアムのハッキング事件で、ハッキングされた取引をなかったことにするという禁じ手によってパラレルワールド(的なブロックチェーン)のイーサリアムクラシックが生まれた、というところがSFっぽくて面白かった。
すぐに文章に書く癖があるのだけれど、これを読んで、もっと図を使おう、図を使って理解し、図を使って説明しよう……そう思った。
桜田さんの他の著書「たのしい インフォグラフィック入門」も読んでみる必要を感じる。
デザイナーのみならず、職種役職関係なく、多くの人に読まれたい。
ただし、kindle paperwhiteで読むのは、いくぶん読みづらい。とは言え、本もかさばるので、我慢する、を選択した。
自宅の引越しに伴って、「捨て気分」を盛り上げるために購入。
「持ち物の8割は必要ない」という著者。単純なゴミも含めて、「15分間で27個の物を捨ててみる」という遊びのような感じのワークがお勧めされているが、やってみると結構面白い。
触る時間を極力短くすることが、捨てるコツ。モノを持たない=潔く捨てることも、日々の訓練が必要なのだと思った。
活躍するグラフィックデザイナーたちの各種制作物の制作過程がわかって良い。
デザイナーにオススメ。
リクルート創業者、江副浩正氏の生涯を追った本。氏の志、成長、そして綻びまで丁寧に書かれている。ネガティブな面もしっかり書かれているが、全体を通して著者の江副氏への愛と尊敬の念を感じる。江副氏について「リクルート事件の人だよね」という認識の方には特にお勧めしたい。
あとデザイナーとしては、亀倉雄策氏がリクルート事件の後も江副氏に寄り添い、社内に自身のデザイン事務所を移し、経営の大きな決断にまで参画していたことも見逃せない。
佐藤オオキ氏の主宰する「デザインオフィスnendo」のプロジェクトの中で、ボツ案になったものが見られる本。数、質、スピードの3つ全てを満たす提案をしている事務所というだけあって、掲載されているスケッチだけでも凄まじい量だと思った。
私たちデザイナーが、クライアントに対して説明をするときは、主に言葉を使う。でも、スケッチは時として言葉以上に雄弁で、何よりわくわくする。自分自身が提案をするときにも、もっと絵(ラフスケッチ)を使うことを意識して、わくわくしながらクライアントとコラボレーションしたいと思った。
「できるだけ短期間で、複数の詳細案を提案する」というのがnendoのポリシーだそうだが、複数の案がボツになる中で、どうやってプロジェクトの「正解」を導くのか、そのプロセスが垣間見られたのも興味深かった。文字を読むところは少ないが、言葉よりも雄弁なスケッチがたくさん見られる。物作りに携わる人なら一度目を通して損はない本だと思う。
完全に趣味の世界の本であるが、何かあったときになんとか生き延びる方法をなんとなくでも知っていることは、大きなアドバンテージになり、かつ小さな自信にもなる。そういう意味では万人にオススメしたいが、果たして枯れ葉と枝で寝床を作る知識を欲していただけるかいささか疑問。kindleで読んだが、スキャンした作りなので、本で読むことをオススメする。焚き火についての知識もこの本で向上したので実践が待ち遠しい。
Kindle版が出ないので痺れを切らして書籍版を購入。と思ったら数日前にKindle版が出ていた。
「デザイン」という言葉の定義、規模に応じたデザイン組織の発展、キャリアパスなどについて網羅的に書かれている。
対象としてはデジタルサービスを提供する事業会社のインハウスデザイン組織向けに書かれているが、違う業種や代理店・制作会社にも適用できるものが多く、ちょうど考えたいと思っていたことと合致して参考になった。時間をおいて見返したい本。
羽生善治氏と各界の著名人の対談本。天才と称された棋士の「決断力」について知りたくて読み始めた。
「対局中は論理的に考えない」「情報は選ぶより捨てる」という発想は、対談の中で二宮清純氏が語っていた「天才は、二進法で考える」という言葉に集約されているように思う。体力と気力の充実、情報の選択と判断、そして感性を磨くこと。斬新に見える発想には、意外なほどシンプルで論理的な裏付けがあるのだと気付かされた。この本の中で、具体的にすぐ自分の生活に落とせるアイデアは少ないかもしれない。でも、考え方のベースとして知っておくことで、自分の中の「勝負勘」が今後養われることを期待したい。
シャンパンについてとてもわかり易く解説してくれている。
シャンパンほど過酷な地で、ラグジュアリーなワインをブランディングし続けて、成功を納めている例はあまりないのではないだろうか。私のなかではマーケティングという言葉で最初に連想するのはキリスト教であり、ブランディングという言葉ではシャンパンである。自分たちに自身にも厳しいシャンパンの在り方と、時代とともに変容していくスタイル、変わらないスタイル、そして進化、あらゆる面で参考になる文化。
シャンパンについて知っていることが多くなるとレストランやワインバーに行くのがその分、楽しくなる。