必読とまでは言わずとも強烈にオススメしたい本。いや、やっぱり必読書にしちゃいます。
明治神宮、日比谷公園に北海道の大沼公園などの設計に関わった造園家であり林学博士であり、投資家。
給料の4分の1を貯金し、ある程度貯まったら投資するというやり方で、サラリーマンながら現在に換算して10億円ほどまでに資産を増やした方。
解説では特殊解ではなく、一般解と言われ、特別なことはせず当たり前なことを淡々と続けてるのが本多静六だと解説するも
大学を退職とともに資産のほとんどを寄付するあたりなど一般とは言えないでしょう。
豪気!
わたしは1人でキャンプにも行くのですが、埼玉県にある嵐山というところ、最初「あらしやま」と読んでいたんですが、じつは「らんざん」と呼び、この名前をつけたのも本多静六でした。京都の嵐山に似ているということで。
東京駅前の行幸通りの設計も本多静六さんが担当されている。すごい人。
お金の処分?の仕方まで赤裸々に解説しています。
大田 2020年170冊目(通算527冊)
無意識が創造には重要だということは仕事につかえるエビデンスを探していて知るようになったのだけれど、(例えば「ブレストして創造的なアイデアを出そう!」というブログで詳しく書いています )村上春樹さんは無意識とのコネクトが上手なのだなと実感しました。
村上春樹さんの作品は、少しずつ初期にあったセンセーショナルな衝撃が減少していると個人的には感じているのですが(そしてそれはこちらの経年変化にもよるでしょう)、それでも何よりサステイナブルな活動にいつも感銘を受けています。著名な多くの作家が、いろいろな理由で人生や作家活動から離脱してしまうのに比べて、継続的に創作を続けられるということは素晴らしくスマートなことです。会社で言えばGEのように、継続していくための創意工夫とそこから得た知見の実践をそこに観ます。
彼のその創意工夫や思考プロセスなどを断片的に得ることができるのがこの本の良いところでした。
川上未映子さんは読んだことがないんですが、色気があって素敵だなぁと思います。色気って大事ですな。
大田 2020年169冊目(通算526冊)
勧めないのは、まだ良くわからないから。
わたしには過酷です(笑)。読みながら、いつか理解できるようになるのかなぁという期待と不安が湧きました。
と同時にケインズを理解する必要もあるのかわからない。財政政策に関わるわけでもないし。
経営に直接役立つ知識でもなさそうだし。教養としては古くないか?
ケインズに疲れたのでアダム・スミスへ行くべきか、経済学からちょっと離れるべきか、迷う。国富論もまた上下巻に分かれていて気後れする。
アベノミクスもケインズ理論に基づいているという。
マクロ経済学、ミクロ経済学についても知りたいところだけれど、古典派もよく知らないままに新古典派って言われてもとか。
30秒迷ってアダム・スミスの『道徳感情論』を購入してみました。
大田 2020年168冊目(通算525冊)
ロイ・バウマイスター博士の有名な著書。
意志力に関する細かい知識を得られます。2011年出版。
Tiernery氏はジャーナリスト。
判断する能力というのは量的に限りがあるということを知れるといろいろと役立ちます。たとえば、夜になれば判断能力が下がることが理解しやすくなります。もちあわせの意志力がたぶん小銭程度しか残っていないので。この状態で、高額のキャバクラやホストクラブに行くと散財する可能性は高くなります。
また自信やセルフコントロールというものを能力を下げること知れます。
じゃあどうればいいのかというとアイビー・リー・メソッドがその回答に近い。
この本では、To doは、3つくらいで良いと解説しています。
わたしたちは優先順位や判断をすることがとても苦手です。
夜のうちや朝一にTodoリストを優先順位付きでつくって、盲目的にそれに従うというのが
一番効率が良い。
ところで日本語も出ているんですが、絶版で中古がやけに高い。メルカリなどで探したほうが安く買えると思います。
大田 2020年167冊目(通算524冊)※今まで20冊以上漏れていた。
南方熊楠を再顧と思って読んでみたら、これが700円か!?と驚くほどの大作。そして楽しい。
南方熊楠は粘菌の研究者。
本を読むのに便利だからという理由で何ヶ国語もマスターする一方で汚く粗野で数学が苦手。
しかし人情は厚い。すごく貧しくても猫を飼う。
みすぼらしいのにその実力で敬られる。
昭和天皇が、和歌山県の神島(かしま)を訪れたさい、島を案内し、粘菌の標本をいれたキャラメル箱を献上した話が有名。
後年、自由闊達な生き方に見えて、不幸を感じる。長男の精神的な病など、実際に不幸を感じるかもしれない出来事もある。
しかし水木しげる氏は、猫のセリフを借りて、南方熊楠が不幸というよりは幸福な男だったのではないかと漏らしています。
あとがきで、水木しげる氏が「幸福観察会」の会員だと述べることに驚きます。おどろおどろしい漫画を描く水木しげる氏が幸福というものについて深く考えていることに。そしてその深さにも驚きます。
この漫画は、養老孟司氏の『死の壁』と『神は詳細に宿る』を思い出しました。
生と死は、綺麗には分けられない。
大田 2020年144冊目(通算501冊)
もちろん誰にも薦めないのですが、アメリカの英語の表記についてのルールブックです。イギリス英語ならOxford Style Manualです。
わたしたちは、ロゴや英語表記、海外用の制作物を制作する際にこれらの本を参照しているんです。読み物ではないので読書するものではありませんが、1冊おいておきたい本です。海外にも展開する企業を担当する場合は必須です。
大田 2020年143冊目(通算500冊)
前回、平山 令明氏の『香りの科学』を薦めなかったので、じゃあ香りについてどの本なら薦めのるかというとレイチェル・ハーツ(Rachel Herz)のこちらの本。
英語の本のほうが安いので英語で良い方はこちらを。英語ならKindle版もあります。
平山氏の本にも書かれていますが、匂いというのは原始的なサインで、視覚が発達した人間はいくぶんおざなりにしがちなんですが、気づかないままにけっこうかなり重要な役割を果たしています。食事においてもそうですが、とくに「恋愛」。
あ、原題はThe Scent of Desireで、「欲望の香り」です。
わたしたちには指紋と同じように唯一無二の固有のものをもっていて、それが体臭です。体臭は何を反映させているかというと個体の(つまりわたしたちの)「免疫システム」。免疫システムを知ることがどうして重要になるのかというと、それが子供に引き継がれるから。ここからさらに驚くのが、が故に
それ(体臭)がその人を好きか嫌いかに多大なる影響を及ぼすということです。
女性なら、ピルを服用していると好きになる匂いが(遺伝子的に)反転します。
と斯様に人生に大きな影響を及ぼす知識でもあるので、日本語なら中古でしか手に入りませんが、ぜひぜひ読んでいただきたいおすすめの一冊です。
大田 2020年142冊目(通算499冊)
最近、嗅覚が鋭いので匂いに興味を持って購入するも、匂いと心理学や行動や効能というより応用的な話ではなく生化学的にひたすら匂いにフォーカスした本で、まあまあ冗長。せっかちなわたしとしては「結論はなにか」とせいてしまう。
レイチェル・ハーツ博士のような内容を期待したのだけれど外れたが、得るものはありましたが、勧めない。
ブックデザインは辛い。もっとわたしの知りたいことに近い本を探す。
大田 2020年141冊目(通算498冊)
ムーミン的なものを期待して手にするもほぼ100%くらいで裏切られたトーベ・ヤンソン氏の初期短編集。
装丁がかわいい。
ムーミンは、「どこか怖さがないといけない」ということも大事にして書いていると昔、岸田今日子さんがラジオでトーベ・ヤンソン特集をしているのを聴いているときに知りました。
さて、この短編集ですが、不思議とぼんやり記憶に残る本でした。感動するわけでもグイグイ引き込まれるわけでもないのに。むしろ分かりづらい。なのに変なシーンをいつまで覚えています。暗い階段とか。見知らぬ人との気まずい時間とか。フィンランドかぁ。行ってみたいし、もう少し知りたい国。
ムーミンは、時々読みたくなります。
トーベ・ヤンソン(Tove Jansson)
By Hans Gedda – http://www.svd.se/migration_catalog/3176414.svd/representations/c/Kultur-Gedda1, Public Domain, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=31292619
大田 2020年140冊目(通算497冊)
「夜は暗いほうが良い」ということを西洋の文化が介入してくる前の日本文化への回顧を通して啓蒙する谷崎潤一郎のエッセイ。
1933年に雑誌『経済往来』に連載。1939年(第二次世界大戦が勃発した年)に単行本化。
寺や神社などで金箔が使われる理由、お椀が木で作られている理由などを感覚的に回顧し再啓蒙してくれます。暗いことの美しさ、大切さ、日本文化との関わりが知れてとてもとても良い。谷崎潤一郎氏が書いているから色気もあります。そうか肌の手触りは大切ですなと考えや価値観を新たにしました。この本を読んで以来、住居は夜とても暗くなりました。西洋文化への嫌気からではなく、(西洋のほうが現代は暗いもの)闇の大切さを知ったため。
ところで東京でトップレベルで宿泊費が高いラグジュアリーホテル、アマン東京は「陰翳礼讃」がテーマだった気がします。設計・デザインは故ケリー・ヒル(Kelly Hill)氏。
https://kerryhillarchitects.com/pages/KHA_main.htm
Kerry Hill (By User:Rossi101 – File:Kerry Hill, Dhaka, SUST.jpg, CC BY-SA 3.0, https://en.wikipedia.org/w/index.php?curid=39021822)
アマン東京のロビーは圧巻です。宿泊はまだしていないけれど。もし泊まる予定がこれからある方は、宿泊された際には是非、レターセットなどをチェックしてみてください。鉛筆の仲間で黒いはずです。(たぶん)あとプールがエロいです。
大田 2020年139冊目(通算496冊)
「シュレーディンガーの猫」で有名なエルヴィン・シュレーディンガー氏による自分の専門外への言及。
量子力学ってほんとやっかいだけど、だんだん分かってきた気がするも、この本やエントロピーと生命の話です。
うちのミルクボランティアで目も開いていない猫が2頭きているので「生命ってなんだろう」と思って読んでみました。
この本もシュレーディンガーも好きで、ヘルシーです。バランスが良くなります。是非以上に姿勢が好きです。
わたしたちは記憶がわたしたちのすべてを形成しているわけではない、という考えが指し示しているのは、反ジャック・ウェルチ的な「理屈で全部説明しようとするな」という姿勢だとわたしは理解しました。まさに量子力学的だ(笑)と言ってもいいかもしれません。
良い本に出会えました。たしか遺伝子のクリックらの説が世に出る前の本です。1950年くらい?だったかな。曖昧ですみませんが、それくらいの時代の本です。
「シュレーディンガーの猫」についてはこちらの動画がわかりやすい。
大田 2020年138冊目(通算495冊)
これはすごく好き。オススメしたい。
お金にしろ、時間にしろ「欠乏」がわたしたちをどう変えるのかということを知ることができます。だから原題は『Scarcity(欠乏)』。
これは、先の(私の苦手な)佐々木康裕氏の『感性思考』や山口周氏の『 世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』がなぜアートが重要かにも通じるものかと感じます。
わたしたちにはどうにも余白(slack)が必要なんです。
わたしが常日頃から妬んでいる小山薫堂氏の持論に「豊かな人生には、上質の空白が必要である」というものがあります。それがまさにこの本のテーマと重なります。
何もしない時間とか余白、空白は生産性の向上に必要なんです。
ムーミンの著者、トーベ・ヤンソン氏の短編集『旅のスケッチ』にイタリア語のこんな言葉が出てきます。
ドルチェ ファール ニエンテ (Dolce far niente)
「何もしない甘美さ」という意味です。ジュリア・ロバーツ主演の映画『映画『食べて、祈って、恋をして』』にも出てきます。いい映画です。
肝心な本書についてですが、行動経済学は、意外に人の科学でもあります。生産性の基礎と同時に幸せへの道程も学べるかもって思います。
大田 2020年137冊目(通算494冊)
わたしはどうにも佐々木康裕氏が徹底して苦手なようです。見た目はかっこいいし、書いていることもちゃんとしてます。学ぶべきものも多い。でも苦手。
本書は、山口周氏が、例えば『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」 』で語っていること、「曖昧なアートが、曖昧がゆえにサイエンス重視のビジネス思考のなかで軽視されがちだが、それこそこれから重視していくべきものだ、なぜなら曖昧なもののなかからこそ価値在る創造が生まれるから」という論説を、逆説的に「科学的に」というか、個人的にはマッキンゼー・アンド・カンパニーやボストン・コンサルティング・グループの思考プロセスに当てはめて解説しているように感じました。それが悪い!と言っているわけではなく、わたしは「これが良くない」と指摘できないままになんらかの違和感を感じるんです。
でも有益なことが書かれているとも思うんです。このジレンマは放置しておきます。そのうちその理由がわかるかもしれないし、そのまま忘れちゃうかもしれません。オススメしないのはわたしが苦手だからであって、有益な本だとは思っています。今から山口周さんまわりを一通り読み始めるよりは……いやー、やっぱり山口さんの『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 』でと読み比べることをオススメしたい。というか自分でやってみるか。
ちなみに『D2C』の著者です。
大田 2020年136冊目(通算493冊)
ふたたびデイヴィッド・J・リンデン氏。
わたしたちは何かと「人間の脳ってすごい!」と未知なる領域と可能性に溢れる我らが器官を畏怖の念をもって崇める傾向があるも、たしかにすごいけど、その実態は「増築に次ぐ増築によっていびつになったアジア的住居のようなもの」だということを知ると、不思議な親近感を持って親しみを感じる視線に変わります。
リンデン氏なので性的な話題にももちろん及んでいて楽しめます。ただし彼の知見よりは、より進化心理学的な視点のほうが実際の姿を正確に観ることができる気がわたしはしてますので、ケンドリック氏の『野蛮な進化心理学』も併読しておきたいです。
それはともかく人間の脳についてはほんとうに科学的な知識をスタンダードなレベルまで得ておくと本当にハックしやすくなって良いです。わたしたちは自分の心の正体がたとえ「現象」であることを知っても、それでもなお心に諦めずに接する理由が、幸福を感じるところもまた心にあるからです。「幸せ」という感覚すら、本来生き延びやすくするための指向性を持った刺激に過ぎませんが、幸福は気持ちがいいので捨てる理由もありません。なのでその仕組みを知るのはとても便利なんです。
本書もその脳の正体を知るのに役立つ本です。何よりも脳についてのイメージをこれほどわかりやすく解説してくれた本はなかったように思います。リンデン氏は、読みやすくするための工夫なのか本人の気質なのか世俗的な文体ですが、おかげで気楽に読めます。
かれの著書を契機に脳科学や神経学などの知識を付け足していけば、バランスが良い知識を構築できると思っています。
大田 2020年135冊目(通算492冊)
最近良く読んでいるデイヴィッド・J・リンデン氏。
『快感回路—なぜ気持ちいいのか なぜやめられないのか』『触れることの科学 なぜ感じるのか どう感じるのか 』に続き、脳の話。
進化心理学系にけっこう重きをおいていままで調べたり本を読んだりしてきたながれもあってからなるほどーと納得する部分が多かったです。一方で性に関しては、わたしはもう少し進化心理学よりを信じています。たとえばダグラス・ケンリックの俗っぽい『野蛮な進化心理学』など。
この本によって脳はツギハギだらけで増築を繰り返された家のようなのものなんだなというイメージができました。このイメージはたぶんこれから何かと直感の精度を挙げてくれそうな気がしています。
それとこの本を読んでいるとき何度も何故か養老孟司さんの『神は詳細に宿る』という本を思い出しました。うーん、リンデン氏読みやすいな。
大田 2020年135冊目(通算492冊)
アントン・チェーホフを初めて読みました。
読みやすいし、繊細だし、古典的な小説や劇を読むといつも思うのだが「思った以上におもしろい」。
読むまでは「かびくさそうだし、面倒くさそうだ」と思うんだけれど、いざ読んでみるとなるほど百年も残るだけの理由があるわけだと納得します。
難点は、わたしにはまだロシア人の名前を覚えることに慣れていないことでした。レフ・トルストイの『アンナ・カレーニナ』を読んだときも辛かったがそれを思い出しました。
旅先で読みたくなる短編ではなく、仕事を終えた後、どこかのホテルとかカフェとかでふと読みたくなりそうなのでKindleにしてよかったです。
果たして再びどこでまた読み出すのかも楽しみ。
『かもめ』も読まないとかなぁ。
劇中に出てきた銃は、撃たれないといけないという論は、チェーホフだということを今回はじめて知りました。
44歳という若さで死去。死因は結核。
大田 2020年134冊目(通算491冊)
ポジティブ心理学。
平均値の誤謬についてはたしかに!と思うし、元気ができるのでありがたい。
机上ではなく、企業においても確認しようとしていました。
でも、なんとなくしっくりこない。
この法則はなにかの一面だけみている気がする。わたしもポジティブでありたいし、ポジティブのアドバンテージも理解しているし、信じてもいる。
ただいポジティブであることにネガティブな面もあるはず。ネガティブであることの利点もあるはず。その盲点も気にある。
しかし成功と幸福の関係は、得心はしています。
著者のShawn Achorは、トークも上手。
大田 2020年133冊目(通算490冊)
先日読んだ『快感回路』の著者、神経科学者のデイヴィッド・J・リンデン氏の著書。翻訳者も同じ岩坂彰氏。
もちろん性的なテーマにも触れていますが、それのみならず痛覚についても、子育てについても重要な科学的知見を解説してくれています。
たとえば、「優しく触れる」ということだけを感知するためだけの神経があるのだそうです。C感触線維というもので、1秒に3センチから10センチの速さで撫でるとこの神経は興奮します。なので誰かを優しく労るときはこのスピードで撫でると良さそうです(笑)。セクハラには気をつけつつ。
読みやすいし、世俗的な例えをいっぱい出してくれるし、書きなれているので気軽に読み切れます。
触れにくくなったこの時代に、ぜひ触れることの大切さをこの本を通してしておきたいものです。
大田 2020年132冊目(通算489冊)
アポカリプス(apocalypse)とかディスラプト(disrupt)とか、「それは翻訳しよーよ」って言葉までそのまま使っている、それこそペダンティックな文体にイラッとするも、それでもプロモーションの今のあるべき姿をかなり的確にわかりやすく解説しているので、もうわたしにとっては必読書でした。
イライラはしまって、得られるものを吸収したい。
D2Cとは、Direct-to-consumer(顧客へ直接)を意味して、 DTCとも表記されます。
メーカーに見えてテック企業であり、何よりもわかりやすい特徴は
プロダクトブランドではなくライフスタイルブランドだといこと。
この本にない例ですが、Appleは、パソコン会社ではなくなり、ほぼファッションブランドに近くなっています。しかも単純にファッションブランドとも言い難く、いうなればライフスタイルブランドなわけです。
Appleの広告はパソコン雑誌にではなく、ファッション雑誌に載っています。アップルウォッチはVogueに広告を載せます。そして売っているのはもはや機能ではなくて、「Apple製品を使うライフスタイル」です。もう古くなった「スタバでMACBOOK」はわかりやすい例ですが、今では地味にアップルウォッチが、その機能を果たしています。プロフィール写真でアップルウォッチをしているとき、それが意味しているのは、ライフスタイルです。
時代は、このようにライフスタイルブランドをメーカーが直接顧客に伝えるようになってきています。日本のバルミューダもそれに当てはまります。
スーツケースやマットレスなどの企業例を出してD2Cを解いてくれていますし、書籍は紙の選択も書体も文字の大きさも、そしてカバーを外したときのデザインも良い。雑に言えばすごく「ちゃんとしている」。
図でごまかしている感もほとんど感じません。個人的な考えですが、今までのブランディング論を語る企業や人は、図示するも、かえってわかりにくくしていて、しかも実質効果や意味があるのか不明なものが多く、眉唾だと思うことが多いのですが、この本にそのごまかしのようなものを感じません。
プロフィール中の「エクスペリエンス起点のクリエイティブ戦略」などの表現は、何を言っているのかわかりませんが、本書のほうは「翻訳するか英語でかけよ」と思う単語表現以外、そういう箇所はありませんでした。
ちょこちょこ文句を言っていますが、ブランディングや経営に関わる人間には必読書だと思いました。
大田 2020年131冊目(通算488冊)
パッケージデザインに関わらない方にはまったくオススメしませんが、関わる人にはオススメ。
アップデートされたパッケージデザイン情報を効率よく収集できます。
わたしはいそいでいたので、Kindleで購入してMACのアプリで閲覧しましたが、本でも良いでしょう。MACアプリのKindleは、超絶読みにくいので。
菓子、食品、飲み物、化粧品の4つのジャンルでデザイン性の高いパッケージデザインを紹介。
デザイン会社などのスペックも載っているので便利。
パッケージデザインする人は、すごく助かる。見やすいでレイアウトデザインまで良い。
選択も良い。
定番ではなく新しい今どきなデザインにフォーカス。
昨年末の2019年12月の出版なのでまだ古くない。
大田 2020年130冊目(通算487冊)