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現在の登録件数:695 件

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  • ジャンル:
    小説・詩・エッセイ
  • 読了時間:
    1.5時間
  • 形態:
    Kindle
  • 読んだ人:
    大田忍
  • 読んだ回数:
    1回
  • 評価:
    オススメ

「人にはそれぞれの戦場があるんだ」

村上春樹という作家について、好きか嫌いかという話題が
のぼるとき、いつもげんなりするのは、先入観が立ちはだかっているときです。

「ノルウェイの森を読んだけど、それで嫌いになった」とか
「昔は面白かったけど」とか、それはそれで構わないのですが、
それがゆえに村上春樹まわりについての何かについて
聞く前から、もう興味がない、という状態が面倒です。

太宰や夏目漱石や遠藤周作、
または小川洋子や東野圭吾には、
ほとんど偏見の目が向けられないのに
村上春樹にだけは、強固なまでの
先入観を感じるのが、不思議です。

作品を好きでも嫌いでもどっちでも良いのですが、
「世界を広げてくれる」という点で、
私はとても尊敬しています。

村上春樹を通して
私たちは、チェーホフ、トルストイ、カポーティ、
ジョン・アーヴィング、フィッツジェラルド、
レイモンド・チャンドラー、レイモンド・カーヴァー、
はたまたマイケル・ギルモアなどまで
多くの海外の作家の作品を知る機会を得られます。

また、ジャズやクラシックなどの
曲にも多く触れる機会も村上春樹は
提供してくれます。

ヤナーチェク、リスト、
バッハ、シューマン、
多くの楽曲を様々なシチュエーションで
聞かせてくれます。

この『アフターダーク』では、
カーティス・フラーの
『ファイブ・スポット・アフター・ダーク』という
曲が出てきます。
有名な曲なので、聞いたことのある方も
多いでしょう。

その他にもいくつかのジャズから
スガシカオまで音楽がこの小説の中で流れます。

そういうものを
なんとなく聞き流しながら
ぼんやり読んで済ませて良い、
という長さであり、重さの
小説のように感じました。

わたし自身は、
これを11月の山梨の山奥で
焚き火にあたりながら
読みました。

うまく寝付けなかったので
夜中に火を熾して
ウィスキーを飲みながら
kindleで。

Kindleという単語は、
「焚き木に火をつける」
という意味なので
うってつけの状況で読んだことになります(笑)。

冒頭のセリフは、
思いがけないところで
出てきてハッとしたものです。

ここに含蓄があろうとなかろうと
しばらくの間、記憶に残りそうな気配がありました。
燃え終えた焚き火から立ち上る細い煙のように。

(2018/11/09)

ボビー・フィッシャーのチェス入門
ボビー・フィッシャー (著), 東 公平 (翻訳)

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  • ジャンル:
    ライフハック
  • 読了時間:
    2時間
  • 形態:
  • 読んだ人:
    大田忍
  • 読んだ回数:
    1回
  • 評価:
    オススメ

様々な小説に、英語にその名が登場する
伝説のチェス名人による教本

 

1974年に初版が出てから
未だに重版を続けているほどの
名著。

パズルのような本なので
トイレで少しずつ読み進めました。

優しく、読みやすい文体は、
東公平氏の翻訳や、
タイポス系の書体によるところも
もちろんあると思いますが、
ボビー・フィッシャーの
「本当の姿」に由来しているのでは
ないでしょうか。

奇行で有名で
政治も絡み、
さまざまな伝説めいた
逸話も多いですが、
何度も実際にあって
交流してきた東公平氏は、
誤伝が多い、とあとがきに
記しています。

チェスは、
ある意味、
資源やパイに限りがある
ことを前提とした、
前時代的ゲームです。

以前は、
AIにまさる、
人間の知性の証でしたが、
1997年にIBMが開発した、
ディープブルーという
チェス専用のスーパーコンピュータが
当時世界チャンピオンだった
ガルリ・カスパロフに勝利しています。
(カスパロフは15年もの間、チャンピオンに
君臨していたすごい名人です。)

ボビー・フィッシャーは、2008年に
64歳でアイスランドで他界しています。
それまではしばらく日本で過ごしていました。

ドラマチックで
ペーソスと情熱を
含んだ人生の、
軌跡が背後にある、
含蓄多き教書です。

ぜひぜひ手にとっていただきたい。

(2018/11/06)

バカとつき合うな
堀江貴文 (著), 西野亮廣 (著)

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  • ジャンル:
    ライフハック
  • 読了時間:
    1時間
  • 形態:
    Kindle
  • 読んだ人:
    大田忍
  • 読んだ回数:
    1回
  • 評価:
    オススメ

固定観念を壊して進めというエール。
清濁含みながらも。

堀江貴文氏は、
合理的な判断と行動の
カリスマに見えますが、
出す本の多くは、
「自分のスタイル良いでしょ?!」
という動機から来ているものというよりは
「こうすれば良いじゃん!?」
という、おおむね「おせっかい」的な
親切心から生まれているように見えます。

西野亮廣氏もまた
同じような動機を
持っているのではないでしょうか。

バカを特定する話というよりは
自分を自由にし、そして
それにともなった責任を
持つ選択への鼓舞、
そういう本です。

堀江貴文
「西野くんって、頭いいですよね。
西野くんは、速い。
それはすなわち、西野くんは頭がいいということです。
頭がいいということは、速いということなんです。」

西野亮廣
「行動してください。
この本を閉じたら、すぐに行動してください。」

 

(2018/11/05)

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  • ジャンル:
    経営・経済
  • 読了時間:
    3時間
  • 形態:
  • 読んだ人:
    杉江裕視
  • 読んだ回数:
    1回
  • 評価:
    オススメ

タイトルにもなっている「PURPOSE(パーパス)」とは、直訳すると「存在意義」。2018年に話題となった「ティール組織」(未読)でも登場する概念で、最近良く聞くようになってきた。

パーパスとミッションとの違いがどうもよくわからない。
意義と使命、言葉の定義としての違いは感覚的に理解できるけど、「意義:**のために存在する」「使命:**をするべし」というふうに具体的な言葉に落とし込むと似たようなものになってしまう。自分が意義と使命を混同して捉えているからだろうか。

翻って本書でむしろ主軸となっているように見える「幸せ」については深く同意するとともに勉強になる部分が多い。社員の幸福度を、企業の売上目標におけるKPIに設定する世界が訪れるのだろうか。

欲を言うと、「幸福度と生産性に関連がある」という部分でもう少しエビデンスを記載して欲しかった。「幸福だから生産性が高い」のと「生産性が高いから幸福」なのは全く違うから。この辺りの話は以前読んだ「原因と結果の経済学」で疑いの目を持てるようになった。

(2018/11/01)

なぎさホテル
伊集院 静

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  • ジャンル:
    小説・詩・エッセイ
  • 読了時間:
    2時間30分
  • 形態:
  • 読んだ人:
    大田忍
  • 読んだ回数:
    1回
  • 評価:
    オススメ

苦手なのにしみじみと読み込めて
やめられなくなった

伊集院静氏の
自伝的随想録。

逗子のホテルで過ごした7年あまりの日々。

こういう生き方もあるのだなぁと
染み入る感慨が湧いた。

わたしは、
女性を「女」と呼ぶ人が
基本的に、または根本的に
苦手だ。

だから伊集院静氏も
苦手なのだけれど
何故か、読み進むにつれて
どこからか好感が湧いてくる。

かつ傷だらけの老猫に
出会ったときに湧くような
畏敬の念もそれに付随する。

海を見たくなったし、
海のそばで過ごしてみたくなった。

それも冬の海。

 

(2018/10/30)

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  • ジャンル:
    経営・経済
  • 読了時間:
    40分
  • 形態:
  • 読んだ人:
    大田忍
  • 読んだ回数:
    2回
  • 評価:
    オススメ

SNSを一から学ぶ
良質な漫画

雑に見えて
良質。

品性があり、
プロットも
リズムが良く、
楽しみながら
SNSの基本を
学べる。

今まで
おざなりにしていたので
これを参考に
出直します。

 

(2018/10/30)

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  • ジャンル:
    経営・経済
  • 読了時間:
    30分
  • 形態:
    Kindle
  • 読んだ人:
    大田忍
  • 読んだ回数:
    1回
  • 評価:
    勧めない

何も間違っていないし
得心するのだけれど

今をときめくZOZOの
名物社員、と言えるのかしら
田端信太郎氏の哲学?的著書。

『たった一人の熱狂』という著書を
出している見城徹氏の出版社、
幻冬舎らしさがにじみ出ているように
感じたのは、
この著書にもやはり、「熱狂」という
言葉が何度も出てくるからか。

結論だけ言うと
アマゾンの書評では酷評されているが
ずいぶんと参考になったし、
刺激を受ける部分が多々ある。
実践しているものの強みというものに
圧倒すらされる。

「それは違うんじゃないかな」

と反論の余地を探す自分も居たが
とくに反論もなかった。

ただし、何かが決定的に欠落している
気がする。

正しいことばかりで
間違ったことがなくても
それすなわち是とは言えない
のではないか。

私はいつも
この「熱狂」系の
言説に触れるときに
圧倒されると同時に
何らかの違和感を
決定的に感じる。

それは
哲学や倫理の森を
散策したあとに
一層際立って
感じられるようになる
違和感だ。

うまく言葉にしなくても
良いかもしれない。

「ただ何かが決定的に欠落している気がする」

という感覚だけは覚えておいたほうが良い、
そういう気がする。

(2018/10/30)

LIFE DESIGN―スタンフォード式 最高の人生設計
ビル バーネット/Bill Burnett (著), デイヴ エヴァンス/ Dave Evans (著), 千葉 敏生 (翻訳)

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  • ジャンル:
    小説・詩・エッセイ
  • 読了時間:
    30分
  • 形態:
  • 読んだ人:
    大田忍
  • 読んだ回数:
    1回
  • 評価:
    オススメ

答えは複数あるし
挑戦は何度でもして良い

まず最初に、
デザイン思考って何?
っていうかよく耳にしすぎて
閉口気味

という気配について。

ペンダグラム、という有名な
デザイン会社のパートナーでもある
グラフィックデザイナー、
ナターシャ・ジェン

「デザイン思考なんてクソだ」

という説を唱えて話題になっています。※

ウェブマガジン、AXISの記事より

彼女の説は、
正直、あまりよくわからない。
要約するとたぶんこうなる。

•デザイン思考と称するその画一的な思考方法で
どんな問題でも解決するのか?(しないんじゃない?)

•そもそも広く伝わっているデザイン思考が
本来のデザイナーの思考と合致しない。

•デザイン思考なるものの成果がない。

どれもそんなに反論はないのだけれど、
今ひとつ、腹落ちしてこない。

それはこの説が
すくなくとも記事からは
まず「デザイン思考」の定義を
きっちりしていないからだろう。

それでも
なんでも方法論にして
わかりやすくした途端に
ボロがでてしまう、という
ことが多い、という
気配はここから嗅ぎ取っても
いいのではないか、と強く思う。

さて、件の本、
「ライフデザイン」だが、
これは原題が
Designing Your Lifeです。

こっちのほうがずっと
主旨を反映しています。

なぜならば本書の中にもありますが、
この思想は動詞的だからです。

すごく簡単に
この本から何が得られるのかだけ
ご紹介したいと思います。

それは、
「ただ一つの最良解だけを1回の挑戦で
見つけなければならない(つまり失敗してはいけない)
わけじゃない。すくなくともあなたの人生については」

という視点を獲得できるということです。

この視点を身に着け
活用するには5つのファクターがあります。

それは、

  1. 好奇心
  2. 行動主義
  3. 視点の転換
  4. プロセスの認識
  5. コラボレーション

です。

コラボレーションについては
水野学さんの最新の著書、
『段取りの教科書』にも同じことが
書かれています。

好奇心は、もう
多くの本に書かれていますが
とても大事です。

今日は10月29日で
ことしもあと64日なのですが
その事実に「もう!はや!」
となる人が多いと思います。

感動が少ないと
1年がはやいのだそうです。

毎日、こどものように
感動していれば、
1年は、こんなに速くならないはずです。
そのためにも好奇心はとても重要です。

その他のことも
大変おもしろいファクターです。

デザイナーの思考が、
収束的思考ではなく発散的思考だというのですが
その是非はともかく、
ひとつのデザインを完成させる間にある
無数のトライアルが存在していること
そして解答はひとつではないということ
その思想を人生に対して当てはめてみるのは
やはり有益だと思います。

ただし、
すべてを解決するものではない、
その画一性(疑いと想像力の遺棄)には
警戒すべきでしょう。

ナターシャさんの言説は
なんとなく読んでおいてほうが
良いでしょう。

僕の友人の口癖があって
それがつまるところ
要かもしれません。

「臨機応変に」

多くを学び、
すべてを疑う。

そういえば
今年2018年に
ノーベル医学生理学賞を受賞した
本庶佑さんの座右の銘として
好奇心簡単には信じないこと
という意味のことを挙げていました。
(朝日新聞だったかなーたしか)

そんなわけで
この本を一度読むことは
依然として
(ナターシャさんの記事を読んでなお)
オススメします。

 

 

 

(2018/10/29)

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  • ジャンル:
    ライフハック
  • 読了時間:
    1.5時間
  • 形態:
  • 読んだ人:
    杉江裕視
  • 読んだ回数:
    1回
  • 評価:
    必読書

大田と同じ本を連続して紹介することになってしまいますが、
デザイン会社good design companyの代表である水野学さんによる本。

「段取りの肝はルーティン化。仕事の様々な要素を可能な限りルーティン化することで生まれた余剰を使って、クリエイティブの質を高めることに注力しよう」というのが主旨。

水野学さんが、スティーブ・ジョブズのように普段の洋服選びをルーティン化することで「日常生活の中でできるだけ選択/判断の回数を減らして、本当に選択/判断が必要なことのためにパワーを温存する」というのは何かで読んで知っていたが、そのルーティン化が仕事の段取りや仕事の中身そのものに徹底されていることが非常に参考になりました。

全てのビジネスマンに向けられた時間術などの書籍は数多くありますが、ことデザイナーにおいては「水野さんが(も?)ここまでやっている」と知れること自体がモチベーションになると思います。もちろんデザイナーでない方にもお勧めです。

(2018/10/24)

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  • ジャンル:
    ライフハック
  • 読了時間:
    30分
  • 形態:
  • 読んだ人:
    大田忍
  • 読んだ回数:
    1回
  • 評価:
    必読書

最高のマニュアルを作るための
参考書であり聖書

聖書というのは、
人々に勇気を与えるもの。

そういう意味では
この本もまた
「大丈夫!いま大変でもうまくいくよ!」
という勇気を与えてくれます。

ただ
この種の本を読むとき
「耳が痛い」ってことないでしょうか?

わかっているのにできていない自分を
直視しなくてはいけないため。

そこを先に克服したほうが
とてもスムーズに
このような本を吸収できます。

その克服には
毎度おなじみのキャロル・ドゥエックの『マインドセット』
それと岸見一郎の『嫌われる勇気』を
通読しておくのが一番良いです。

Power of yetということばを
キャロルさんは使っていますが
改善できる楽しさ、みたいな意味の
言葉です。

さて
改善する楽しさを知った上で
この本を読むと
とても楽しめます。

佐藤オオキさんや
中島聡さんの本と近く
だいたい同じことを
よりわかりやすく書いています。

ただしマニュアルにはなっていません。

これを読んで自分なりに
マニュアルを作る、そういう流れになるでしょう。

どんな仕事の人にでも
オススメします。

なぜなら
仕事が楽しくなるから!

(2018/10/23)

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  • ジャンル:
    デザイン
  • 読了時間:
    1.5時間
  • 形態:
  • 読んだ人:
    大田忍
  • 読んだ回数:
    1回
  • 評価:
    オススメ

グラフィックデザイナーにとっての
料理本

旅行好きが、
まだ訪れたことのない土地についての
本をにまにまと味わうように
グラフィックデザイナーは
この本を楽しむことでしょう。

デザイナーの鈴木成一さんが
デザインした装丁について
手短(原稿用紙1枚以下)に
コンセプトや逸話を紹介。

そしてレシピのように
使用された紙の種類、
印刷、色の種類、
加工も載っています。

装丁に使うにあたって
画家やイラストレーター、
写真家たちにも精通し、
書体についての造形も深く
そしておそらくすべて
読んでから装丁のデザインを
考案する。

デザイナーではなくても
世界の裏側を垣間見るように
楽しめる本です。

正木香子さんの
『文字の食卓』『本を読む人のための書体入門』
もまたそのように世界の裏側を覗ける
たぐいの本出す。

正木さんの本よりは、
彩度が鮮やかですが。
(書体は黒が基本ですから)

 

(2018/10/22)

スリープ・レボリューション
アリアナ・ハフィントン、本間 徳子

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  • ジャンル:
    自然科学・哲学
  • 読了時間:
    40分
  • 形態:
    Kindle
  • 読んだ人:
    大田忍
  • 読んだ回数:
    1回
  • 評価:
    必読書

仕事でも人生でも「最高の結果」を出すことは
「最悪の体調」であっては明らかに不可能

この本にも何度も出てくるが、
「寝たら負け」(You snooze, you lose.)という考えは
今すぐ捨てるべきです。

ホスピスでは
「もっと伴侶や家族、そして自分との時間を大切にすればよかった」
という声がとても多いとのこと。(※1)

「そんなのは成功してから言えることばろう」
企画や起業が落ち着くまでは
家族や睡眠や自分の時間は犠牲にしないと
成功しない。

という考えに対して
アリアナは、科学や事実を
検証して反論しています。

彼女自身が、
ハフィントンポストを立ち上げてからの
2年後に気を失って転倒。
その際に、頬骨を骨折する大怪我をしています。

そこで目が覚めた!
という経緯になりますが、
それ以前からアリアナのお母さんが
彼女の睡眠や成功の再定義に
大きく貢献していました。

その辺は、
アリアナ・ハフィントンの前著
『サード・メトリック』
書かれています。

 

アリアナ・ハフィントンは科学者では
ありませんが、多くの科学者に
会って話を聞いたり、自身で
研究しており、
原書注が1200件もあり、
翻訳者も呆れるほどです。

アンディー・ウォーホル、
ウォーレン・バフェット、
など多くの著名人たちの
言葉の引用も楽しめます。

しかし冒頭は、
それこそ目が醒めるような
ゴールドマン・サックスの
新人金融アナリストの
悲劇の紹介から始まります。

「あと少しだけ残って仕事をする」

と父と電話で話した数時間後に
住んでいた高層マンションから飛び降りて
死んでしまいます。

 

仕事で最高の結果を出したい、
のだとしても睡眠はものすごく大事。
それを知ってから
どうするかは個人の決定によるものですが
それを知らずにいるのは、
とてもとても残念で恐ろしいことだと思います。

山の危険を知って登山する人の遭難と
それを知らずに登山して遭難してしまう人の
差には、後悔の差し込む余地が大きくことなります。

だからまずは、
この本を適当に10ページほど
開いて読んでみることを
強くお勧めします。

注意:睡眠に適した温度について
16度から19度だという研究結果が紹介されています。
フランス、リール大学病院による研究です。
また全米睡眠財団では18度を推奨しています。
これは欧米人が対象だということを考慮したほうが良いでしょう。
体感温度がそもそも大きく異なっています。

エビデンスチェックは行っていませんが、
日本睡眠科学研究所によれば、

「温度については夏場は約25℃~26℃、
冬場約22℃~23℃、湿度については50%~60%が理想的である」

とのこと。自分で実験してみると
理想の温度がわかってくると思います。
しかし18度は、夏にやってみましたが
正直寒すぎます!

 

 

※1 中野信子『努力不要論』

(2018/10/18)

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  • ジャンル:
    自然科学・哲学
  • 読了時間:
    3時間
  • 形態:
    Kindle
  • 読んだ人:
    大田忍
  • 読んだ回数:
    1回
  • 評価:
    必読書

わたしたちの知らない未来の側面を
見えないながらまさぐってその感触は知っておいたほうが良い

『サピエンス全史』同様にものすごいコンテンツの
本なので、概要の紹介は避けるも、要点と感想を
むしろ簡潔にご紹介したいです。

要点は、これにつきます。
「人間はアルゴリズムかもしれない。という課題を直視せざるを得ない」

『ダ・ヴィンチ・コード』の作者、ダン・ブラウンの最新作
『オリジン』でもこの本に近いテーマを扱っています。
こちらはフィクションですが、
人を「エントロピーの現象の一環」という「発見」をしています。

アルゴリズムも
エントロピーも
概ね同じことを意味しており、

自我(意識)というものが相対的に
地に落ちてしまうということです。

AIの台頭で、
人は否応なしに
「人間とは」という課題に
取り組まざるを得なくなります。

これについて
多くの側面や事実を
コンパイルして
暗めに語っているのが
この本です。

この「暗さ」には恣意性が
高く感じるのですが、
翻訳者の解説にもあるのですが、
それは警鐘の意味が含まれているからでしょう。

今までは
人主体のエポックだったので
新しい思想は
世代交代を待つほど悠長でした。

しかし現在は
テクノロジーと経済が主体のエポックです。
世代交代を待たずに
思想が変わり、世界が変わります。

iPhoneがこの世に現れたのは
たった11年前です。

長いので
ぜんぶちゃんと読むと大変ですから
ちらちらと観るくらいでも
読んでおいたほうが何かと良いと思います。

ダイジェスト版などを読むより
自分でダイジェストしたほうが良いはずです。

それは
食べ物の味を聞くのと
実際に一口食べてみることとの
違いのようなものです。

(2018/10/17)

夜想曲集
イシグロ カズオ

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  • ジャンル:
    小説・詩・エッセイ
  • 読了時間:
    1.5時間
  • 形態:
  • 読んだ人:
    大田忍
  • 読んだ回数:
    1回
  • 評価:
    オススメ

才能とロマンスを越えていくための
アイロニカルな笑いと何か

イシグロカズオ氏にとって初めての短編集。
私を含めてまだ著者の作品を読んだことのない方には
手に取りやすいのではないでしょうか。
旅行に持っていくというよりは
普段、仕事が終わったつかの間の時間(それこそ夕暮れどき)に
喫茶店やバーや公園でつまみながら読む
のが、良いように思う読後感がある。
5つの短編は、
音楽と夫婦の危機、というテーマが
フレームになっている。
同じ登場人物たちが
ことなる話に登場してくるところもあるので
注意して読むと、より楽しい。
ここでの「夜想曲」の夜は、
人生か「何か」の後半を暗喩している。
解説において、中島京子さんが、
イシグロカズオのコメディセンスに
注目して解説しているのですが、
これは言い得て妙というか
幾分悲しみや諦念にちかい気配が
ただよく全編のなかで
どのようにして人が生き続けていくのか、
の解答のひとつがそれなのだと私は思う。

ちょっとした笑い

です。
これで人は、歩をまた一歩
どんな方向のものであれ、
進めることができる。
そういう意味では
ウッディ・アレンの映画にも
近いニュアンスが含まれている
ことがある気もしてきます。
【収められているタイトル】
「老歌手/Crooner」
原題のCroonerは、「低い声で感傷的に歌う人/クルーナー」という意味。
ベネチアを訪れたことのある方は、一層楽しめることでしょう。
「降っても晴れても/Come Rain or Come Shine」
アイロニカルなのに、小さな火種のような愛が根底にある気がする。
「モールバンヒルズ/Malvern Hills」
イギリスの美しき片田舎、モールバンヒルズが舞台。
主人公が若者で、彼とスイス人の夫婦の関わりが主軸。
才能の有無について、人がどう対峙していくのか、
という問いが含まれている気がします。
「夜想曲/Nocturne」
主人公に腹が立ってしょうがない。
しかしこれを読んだ後に大きくてゴージャスなホテルに泊まったときには
館内を徘徊したくなるかもしれません。
「チェリスト/Cellists」
日本語だと表現されませんが、
チェリストが複数形であるニュアンスが
この短編の中にあります。
読者をどこにもいざなわず、
見たことのない風景の知らない
土地に置いていきます。
そこから日常に帰ってきたときに
自分が以前と少し変わった場所に
いることに気づくかもしれません。
このなかで最も好きな短編でした。
原題は、“Nocturnes” Five Stories of Music and Nghtfall
出版社: 早川書房
カバーイラスト: 田地川じゅん
カバーデザイン:坂川事務所
翻訳:      土屋政雄
解説:   中島京子
(2018/10/15)

文字の食卓
正木 香子

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    デザイン
  • 読了時間:
    1時間
  • 形態:
  • 読んだ人:
    大田忍
  • 読んだ回数:
    1回
  • 評価:
    オススメ

世界の仕掛けを
裏側からみちゃうような本

おそらく少し特殊な能力のある方です。

グラフィックデザイナーでも
この本の著者、正木香子さんのように
文字の違いやニュアンスに
気づける方はすくないでしょう。

「探偵ナイトスクープ」で
瞬時に四つ葉のクローバーを見つける
女の子が出演していたことがありましたが、
そういうたぐいの感覚が
正木さんにもあるのではないでしょうか。

私たちが文字に触れない日は、
ほとんどありませんが、
実のところ、文字にはいろんな種類があります。

この本には書かれていませんが、
街で警官をみかけたら
彼が身につけているベストの背面に書かれた
「警視庁 POLICE」という文字をよく見てみてください。

丸いゴシック体で書かれています。

「怖くないですよー」という
ささやかなアピールが
そこにはあります。

こんなふうに文字には
意味以外のニュアンスを
伝える能力があります。

正木さんは、
その細かい違いを
味に例えて
ブログに綴り続けていました。

ブログでは今でも
日記などをときおり更新されています。

こちらです。

どんな文字が紹介されているかというと
例えば、「肉の文字」として紹介されている書体。

「おれは 海賊王になる男だ!!!」

漫画『ワンピース』で主人公ルフィの
名台詞ですが、ここで使われている書体がそれ、

ゴナです。

同じ書体が女性雑誌JJにも使われています。

他にも例えばこんな文字が、紹介されています。

機内食の文字

スープの文字

塩の文字

それがどんな文字なのかは、
どうか、本を直接開いて味見してみてください。

またこの本は、
著者、正木さんの特異な
個人的な記憶と結びついたものであります。

「予想に反して……」
というと失礼ですが、
正木さんはとてもきれいな
女性です。

もっとマニアックで
カサカサした方かと想像していましたが
つややかで繊細な印象を受ける
女性でした。

彼女の姿を一度みてから
本を読み進めてみると
ちょっと変わった女の子の
おもしろい話を聞きながら
お茶を飲みつつ、クッキーを
かじって過ごしているような
楽しい心持ちになると思います。

あなたが男性でも、女性でも。

自分でも気づかないでいた
世界を構築するものの裏側に
あった意図と機能する素材(文字)
のことを知ってしまうと
街がまた違って見えてくることでしょう。

 

 

(2018/10/12)

紙の知識100
王子製紙

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  • ジャンル:
    デザイン
  • 読了時間:
    1時間
  • 形態:
  • 読んだ人:
    大田忍
  • 読んだ回数:
    1回
  • 評価:
    オススメ

「オススメ」としましたが、
グラフィックデザイナー以外には、
特に勧めません。

とは言え、
「紙」そのものについての
全般的な知識を網羅したもので
単純に読み物として
面白い。

紙の歴史、
そもそも紙って何?
というところから
企業も関わってくる
「CSR調達」としての
紙まで
いろいろなことが知れます。

例えば
印刷の始まりは
1450年ころに
ドイツのヨハネス・グーテンベルクが
発明した活版印刷ですが、
このとき、印刷に使われたのは
羊の皮(パーチメント)。

聖書一冊につき
300頭の羊が必要だったとか。

ところで現代でも
この羊の皮に似せた
紙があります。

竹尾の「羊皮紙」
という紙です。

聖職者が
これで名刺やパンフレットを
作ってみるのも面白いですね!

ちなみに
残念ながらこの本は、
絶版で中古本が
けっこう高い値段で売られているのが
現状です。

(2018/10/11)

Kafka on the Shore
村上 春樹

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  • ジャンル:
    小説・詩・エッセイ
  • 読了時間:
    2時間
  • 形態:
    Kindle
  • 読んだ人:
    大田忍
  • 読んだ回数:
    1回
  • 評価:
    オススメ

村上春樹の小説
『海辺のカフカ』の
英語版。

2005年の出版。
日本では2002年にハードカバーで
出版されて2005年に文庫本になっているので
文庫本化された年に英語翻訳も
出版されたようです。

村上春樹氏ほど
海外と日本で
その取り扱われ方が
異なっている作家も
珍しい気がします。

先日、
雑誌『ニューヨーカー』の編集長との
対談がイベントで行われて
ニュースになりましたが、
ノーベル文学賞についての
冗談なども交えていて
楽しい内容だったように
伺えます。

いろんな国の方と
ふだん会話しますが、
どの国の方も
Haruki Murakami
のことを知っていましたし、
少なからずの人が読んでいました。

『海辺のカフカ』は
そんな村上春樹の
10作目の長編です。

知っている小説であれば
英語の本でもあまり苦労せずに
読めます。

またKindleで読むと
英単語はその場で調べられるので
とても便利です。

辞書を片手に、
読まずとも
スラスラと読めるのでオススメです。

オススメのKindleについては
こちらのブログに書いています。

肝心の感想ですが、
HoshinoくんとNakataさんという
おじいさんのやり取りが
とても楽しいです。

Oshimaの所有する
山のなかの小屋での描写も
キャンプ好きとしては
ワクワクします。

海外の小説より先に
村上春樹の翻訳を
数冊読んでいたほうが
英語耐性がつくんじゃないかな
と考えています。

そろそろ内容の知らない
英語の小説に手を付けようかしら。

 

 

(2018/10/09)

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  • ジャンル:
    自然科学・哲学
  • 読了時間:
    1時間
  • 形態:
    Kindle
  • 読んだ人:
    大田忍
  • 読んだ回数:
    1回
  • 評価:
    オススメ

“You are good enough now”
「あなたは今のままで十分良い」

ベストセラー『嫌われる勇気』の著者、
岸見一郎氏が、その4年前に
ベストセラーズから出版した
アルフレッド・アドラー哲学の
概要を記した本。

アマゾンの書評に
厳しく
「この本は端的にいうと「嫌われる勇気」を回りくどくわかりにくく書き直した本」
というものがありましたが、
あながち的外れでもなく、
逆に言えば、
『嫌われる勇気』はうまく昇華した
本だったと言えるかもしれない。

まず断っておきたいのは
これは心理学ではなくて
ほぼ哲学だということ。

そしてそれは
今とこれからの
人生の前途を
照らす灯火に
なる叡智でもあります。

ただ読みやすく
よりわかりやすく
実践に活かしやすいのは
やはり『嫌われる勇気』のほうです。
『嫌われる勇気』の読後に
さらにアルフレッド・アドラーについて
知りたくなった方は
手にとってみるのも悪くないかもしれません。

それでも感銘をうける
箇所はいくつかあります。

例えば、こんな引用がありました。

ある人が浜辺でヒトデを拾って海に返していました(『魂のレッスン』同朋舎)。ヒトデが波とともに浜辺に打ち上げられてくるのです。潮が引くと海辺に残されてしまいます。そのまま放っておいたら干上がってしまいます。それを見た人がいいました。「この浜には何千というヒトデがいる。全部を海に返してやるなんてできないでしょう。数が多すぎる。こんなこと、どこの浜ででもあることだ。あなたがやろうとやるまいと、たいした違いはないんじゃないかな」と。  すると彼はにっこり笑って身を屈め、もう一つヒトデを拾って海に投げ返していいました。「でもね〈この〉ヒトデにとっては大きな違いだろうね」と。  それでは私たちは何ができるか……それは非常に卑近なことかもしれません。

これは、山口周氏『天職は寝て待て』で紹介されていた、
マザー・テレサの話にも通じるものがあります。

カルカッタのスラムでの慈善活動に生涯を捧げたマザー・テレサは、1979年にノーベル平和賞を受賞した際、「世界平和のために我々は何ができるでしょうか?」と質問したインタビュアーに対して、「家に帰って家族を愛してあげてください」と答えています。

したいことを最小単位にして
考えてみると
今すぐできることがあります。

それに気づけるところも
アドラーの良いところです。

その他にも
著者自身が、
アドラーの弟子の弟子にあたる
ドライカースの講演後に、
自分をより良く見せようとした
著者に向かって、こう言っています。

「君は今のままで十分いいのだから(you are good enough now)、こんなことをしなくてもいいのだよ」

これは僕らみんなに向けられた
言葉でもあります。

 

(2018/10/03)

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  • ジャンル:
    読書
  • 読了時間:
    1時間
  • 形態:
  • 読んだ人:
    大田忍
  • 読んだ回数:
    1回
  • 評価:
    オススメ

アウトプットの精度を上げるために
ちらっと見ておきたい本

字面が大きくて、なんとなく
読みづらい。

デザインは鈴木成一デザイン室。
好きなデザインオフィスなのだけれど。

著者は、
御茶ノ水大学の名誉教授で、英文学者の
外山滋比古氏。

導入の南極観測船「ふじ」の
乗組員である夫への
若妻からの年賀電報のエピソードには
心を掴まれるものがある。

この本から何を得られるのかといえば
アウトプットの精度の高め方。

「べつに本を出版しないし」

と思われる方もいるかもしれないが、
知識の収集、つまりインプットは
アウトプットをすることで
そのクオリティが上がる。

より良く知識を
獲得していくには
得た知識を
出していくのが
効率が良い。

出すことによって
得た知識が精錬されるから。

また出すことを
前提に読書すると
いわゆる
「取材読み」の姿勢に
自然になる。

素敵なのは
この方、
齢90を越えてなお

「多くの人がいいということはとにかくやってみる」

という姿勢であること。

というわけで
彼の示してくれる
文章術のいくつか
実践させていただくとする。

「たえず書いていると自然上達する」

ということでどんどん書いていこうと思う。

 

 

 

 

(2018/10/02)

日本のロゴ
成美堂出版編集部

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  • ジャンル:
    ブランディング
  • 読了時間:
    1時間
  • 形態:
  • 読んだ人:
    大田忍
  • 読んだ回数:
    1回
  • 評価:
    勧めない

余談のほうが情報が豊富ですみません
「ロゴ・マーク」は誤用?

成美堂出版から
2007年に出版された
日本のロゴを集めた本。

現在、絶版。

翌年の2008年に「日本のロゴ2」も
出版しています。
こちらも現在、絶版。

情報が古いため
今や存在しない企業の
ロゴもいくつか含んでいます。

デザインの設計や
理念の理解のためにも
情報が不足しています。

「まずはロゴってどんなものかしら?」

ということを知ることを
目的とするならば、
これよりも6年後の出版されている
高橋書店より出ている

『思わず話したくなる ロゴの秘密』

という本をオススメします。

『日本のロゴ』が、
あいうえお順なのに対して、
こちらは8つの業種別になっています。

情報が更新されていることに加えて
レイアウト・デザインが
洗練されており、読みやすい。

しかし、
ほんとうはこれらの本は、
合わせて持って置くほうが
何かと便利でしょう。

まずは一冊!

ということであれば、
『ロゴの秘密』をオススメします。

ところで
「ロゴマーク」という言葉は
基本的和製英語で造語です。

英語で使う場合は、
“logo”、“logotype”

マーク部分に関しては

“logo”、“symbol”

というとあまり間違いはありません。

ロゴはギリシャ語の「ロゴス」という
「言葉」や「文字」を意味する言葉に由来しています。

よってロゴというと文字を想起しやすい
バックグラウンドがあります。

なので

「ロゴマーク」って言うと通じないよ!

という日本では広く(デザイナーたちから)警告されているのですが
イギリスとオーストラリアのウェブサイトで

ロゴとロゴマーク(とロゴタイプ)の違い
という記事もありました。

Inkbot Designというイギリス、ベルファストのデザインオフィスの記事
“Logotype vs Logomark Design – What’s the Difference?”

DesignCrowdというオーストラリアのロゴ制作代理店の記事
Logo, Logomark, Logotype – What’s The Difference And What Do You Need?

英語圏にも
“Logomark”という言葉が浸透していないわけでもなさそうです。

とは言え、
英語ならば、
logoとsymbolは分けて使っておいたほうが
無難でしょう。または
定義も一緒に示したほうが
良いでしょう。
通訳たちもデザインの知識が
豊富にあるとは限らないので。

ちなみにですが、

“typo”

という言葉は、
「誤字」「誤植」の意味です。

「タイポグラフィ」の略ではありません。

 

 

(2018/10/01)